トップ > 静岡 > 12月9日の記事一覧 > 記事

ここから本文

静岡

韮山反射炉の風化防止へ

◆煙突内側のれんがなど調査開始

クレーン車でカメラをつるし、煙突内部の撮影が始まる韮山反射炉=8日、伊豆の国市中で

写真

 世界文化遺産に登録された韮山反射炉のれんがが風化している問題で、伊豆の国市は八日、四つある煙突の内側で、状況の調査を始めた。外壁の表面にあるれんがも一つ一つを写真に撮り、今後の保存修理の工法を決める。

 反射炉のれんがは二万六千個ほどあり、一八五七(安政四)年の完成当時のものが八割残っている。撮影は、金属フレームに取り付け五台のカメラをクレーン車でつるして行う。煙突最上部にある銅製のふたを外し、フレームをゆっくりと下げながら、六十八センチ四方の煙突内側の表面を最上部から撮影した。

 煙突四本で撮影枚数は千六百〜二千四百枚に上る見込み。ひび割れなどを確認した一九八九年の調査結果とも比較する。

 煙突内部の撮影が終了した後、三台の温湿度計をロープでつなぎ、煙突のふたからつるして一年間の内部温度の測定も始める。市は調査が終了する十日に撮影した写真を公表する予定。

 市は、調査結果を参考に二〇一七年三月までに保存修理の工法を決め、一八年の着手を目指す。市文化財課の工藤雄一郎学芸員は「完全に残っている例が他になく、工法は慎重に決めなければならない。当時のれんがをなるべく残したい」と話した。

(山田晃史)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索