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COP21で「二国間クレジット制度」をPR
12月9日 6時52分

COP21で「二国間クレジット制度」をPR
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日本の技術を発展途上国に導入して温室効果ガスを削減し、日本の削減分に繰り入れる「二国間クレジット制度」をアピールしようと、日本政府は8日、地球温暖化対策を話し合う国連の会議、COP21の会場で制度の参加国の閣僚を集めて会合を開きました。
「JCM」と呼ばれる二国間クレジット制度は、日本政府が費用の一部を出して発展途上国で温室効果ガスの排出削減につながる再生可能エネルギーや省エネルギーなどの事業を行い、削減した一部を日本の削減分として繰り入れる仕組みです。
日本政府は8日、制度をアピールしようと、パリ近郊で開かれているCOP21の会場で、制度に参加しているアジアやアフリカの地域など16か国の閣僚を集めて会合を開きました。この中で丸川環境大臣は、「JCMによって参加国とともに地球全体の利益を実現したい」と述べ、制度の普及を図る考えを示しました。
環境省によりますと、制度による途上国での温室効果ガスの削減量は、今年度から2030年度までに日本全体の年間排出量の7%に当たる1億トンに上ると試算していて、日本の削減目標の達成にも活用したい考えです。
参加国第一号のモンゴルのバトツェレグ自然環境相は「排出削減や温暖化の被害を抑える対策の技術を安いコストで導入することは、わが国にとって非常に重要だ。日本の取り組みに感謝している」と話しています。

二国間クレジット制度とは

「JCM=二国間クレジット制度」は、日本政府が費用の一部を出して発展途上国で温室効果ガスの排出を削減する事業を行い、削減した一部を日本の削減分として繰り入れる仕組みです。JCM事業の多くを占める環境省の事業では、最大で費用の半額を補助します。
省エネが進み、削減の余地が少ない日本で温室効果ガスを減らすよりも、途上国で削減して日本の削減分に繰り入れたほうがコストがかからないというメリットがあります。
また、相手国にとっては、比較的高価な日本の環境技術をコストを抑えて導入でき、事業に参加する日本企業にとっては、これまで取引の実績がなかった途上国に進出する足がかりを得られるというメリットがあります。
環境省などによりますと、制度の導入に合意した各国ではコンビニエンスストアでの高効率のエアコンの設置や、工場や校舎の屋根を利用した太陽光発電の導入など合わせておよそ50の事業がすでに実施されているか、今後予定されているということです。
制度が始まってからおよそ3年間で、JCMの制度に合意した国はアジアを中心に16か国に上ります。日本政府はJCMによって、2030年度までの累積で5000万トンから1億トンの温室効果ガスを削減できると見込んでいて、このうち一部を日本の削減分として繰り入れて、削減目標の達成に活用したいとしています。
環境省市場メカニズム室の伊藤貴輝室長補佐は、「インバーターを導入したエアコンなど、日本では標準的なのに途上国にはないものがたくさんある。日本で温室効果ガスの排出を減らすことも限界があり、日本よりポテンシャルの高い途上国でしっかり減らして、世界の温室効果ガスの削減で日本がリーダーシップをとっていきたい」と話しています。

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