フリーゲージ・トレインの開発が失敗しつつある。(長崎新幹線向け。)
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広軌である新幹線と、狭軌である在来線を、どちらも走ることができる……という目的で開発されているのが、フリーゲージ・トレインだ。車輪間の距離を可変的に動かす。
→ 軌間可変電車
しかし、見るからに開発は難しそうだ。実際、開発な難航している。成功するメドも立っていない。
→ フリーゲージトレイン開発継続 しかし長崎新幹線は間に合わず
→ 「フリーゲージ」新幹線が抱えている根本問題
→ 長崎新幹線は結局、フル規格? フリーゲージ開発が遅れ
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私の考えを言えば、こうだ。
「フリーゲージトレインなんて、もともと無理だ。たとえ成功したとしても、寿命が短くて、すぐに壊れてしまうだろう。また、普段から故障だらけになって、稼働率が低くなり、ダイヤが間引きされて、ダイヤ通りに走らなくなる。走っている途中で故障することもありそうだ。とうてい無理」
比喩的に言えば、高速増殖炉の「もんじゅ」みたいなものだ。今の技術はとうてい無理だ。
そこで、私としては、代案をいくつか出す。こうだ。
(1) 三線軌条
レールを3本並べて、広軌と狭軌を併用する。これなら、同一の路線に、在来線と新幹線とを、ともに走らせることができる。
→ 三線軌条 - Wikipedia
ただしこの案は、レールをもう1本敷設するために、結構お金がかかる。枕木は作り直す必要があるかも。
(2) 狭軌の新幹線
新幹線は普通は広軌だが、新たに狭軌の新幹線を開発すればいい。具体的には、床下モーターではなく、フランスの TGV みたいに、車輌の両端にモーターを置く。このことで、乗客席を低くして、車輌の車高を下げて、重心を下げる。また、幅もかなり狭くする。横4席でなく、横3席にして、車輌の幅を狭くする。
こうすれば、新幹線でも、狭軌の線路を安全に使えるだろう。特に、速度を200キロぐらいに制限すれば、その点でも安全性は高まるだろう。
さらに、カーブの場所では、遠心力に対抗するように、内側に傾くように、線路にバンク(傾斜)を付ければいい。このことでも、安全性は高まる。
こうやって、狭軌の新幹線が成立する。
(3) 在来線の高速化
在来線のまま、可能な限り高速化すればいい。その究極の形が、(2) だが、それに及ばない範囲で、特急を高速化すればいい。時速 150キロぐらいで我慢してもらう。
どうせ長崎新幹線なんて、たいして長い距離を走るわけでもないので、あまり高速化する必要はない。
[ 付記 ]
そもそも、こんなところに新幹線を作っても、もともと採算が合いそうにない。一番いいのは、新幹線計画そのものを廃止することだ。
ちなみに、北海道新幹線は、大失敗確実である。
→ 北海道新幹線の光と闇
同じような大失敗を、長崎でやっても意味がないのだが。
ま、阿呆国家だから、「北で阿呆をやったら、南でも阿呆をやる」ということなのかもね。狂人国家かな。
【 追記 】
「広軌」という言葉には、「標準軌」も含まれると思っていた。だが、昔はともかく、今では含まれないそうだ。詳しくは、コメント欄の該当箇所を参照。
本文中では用語を訂正せず、ここに注記しておくに留めます。
ミニ新幹線でよかったような。
なんでフルにこだわってるのか、フリーゲージや三線への経緯がよく分からないね。
ここの説明がないと。
フル規格にすべきだ。
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標準軌の1435mm(新幹線)を広軌と記述した、昭和中期ごろ(東海道新幹線の開業直前まで)までの国鉄公式文書がある。
JR化後は国際的な広軌との混同を防ぐため、公式文書で1435mm軌間を標準軌と記述するのが基本になり、広軌とは表現しなくなった。
→ http://j.mp/1NfB1ik
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以前の情報まま、更新されていない人が多いでしょう。鉄オタでなければ。
在来線は、カーブがきついので、フル規格は無理。フル規格なら、新線の土地を買収する必要がある。
しかし、田舎なら土地の買収は可能だが、博多あたりで新線の土地を買収すると、ものすごい巨額の費用がかかります。ウルトラ赤字が出そうだ。
土地買収の費用をかけたくなければ、在来線を使うしかない。それが本項の案。フリーゲージ・トレインも、似た発想。