999元以下の低価格帯では、Xiaomiの紅米、HuaweiのHonorを始めとして新興メーカーから多数の製品が販売されている。その中で人気ナンバーワンとなったのは、Gioneeの「V183」だ。価格は999元。これよりも安い端末がランクインしているが、V183はブラック&ゴールドのボディーカラーは高級感があること、4.5型FWVGAディスプレイ搭載でコンパクトサイズ、そしてこのクラスの製品としては大容量の4000mAhバッテリーを搭載していることが人気を1位まで押し上げた。
価格が安いモデルを買っても、電池の持ちが悪ければ「もっと高いものを買っておけばよかった」と思うかもしれない。Gionee V183は百元機ながらもデザイン良し、使い勝手良し、バッテリーの心配なしと、バランスが非常に良く、安心して使用できる製品なのだ。
人気2位はHuaweiの「Honor Play 4X」。HD解像度の5.5型大型ディスプレイを搭載し、カメラはリアに1300万画素、フロントに500万画素を搭載した実力派モデル。価格は889元(約1万7100円)と、コストパフォーマンスは高い。
そして3位にはOPPOの「A31t」が入った。ディスプレイは4.5型FWVGA解像度のエントリーモデルで、価格は930元(約1万7830円)。実はOPPOは中価格帯以上の製品が多く、百元機はほとんど出していない。高い端末でも売れるだけのブランド力を既に中国国内で築き上げているのだ。そんなブランド価値の高いOPPOのスマートフォンが1000元以下で買えるとあって人気を集めた。
4位と5位は「honor Play 4C」(799元、約1万5360円)、「honor Play 4」(860元、約1万6540円)とHuaweiの2機種。Huaweiは10位にも「Huawei Y635」(679元、約1万3060円)が入っており、低価格帯で4機種もランクインしている。XiaomiやAppleのような「少数モデル大量生産」とは異なるビジネスモデルを取るHuaweiだが、価格が安いモデルだけでも複数ラインアップを持っていることが強みになっている。
6位は超低価格機のCoolpad「8017-T100」だ。4型のWVGAディスプレイ、512Mバイトメモリと4Gバイトのストレージ、200万画素カメラ、4G非対応のエントリーモデルだが279元、約5370円の価格は学生でも買える価格だ。一昔前なら1万円を切るスマートフォンの登場に驚いていたが、今では5000円台で買えるスマートフォンも中国では販売されているのである。
さて他の顔ぶれを見ると、7位がLenovoの「Lemon K3 Note」、8位がMEIZU「m1」と続く。価格はそれぞれ899元(約1万7290円)、699元(1万3440円)。そして9位にようやくXiamiの「紅米/RedMi 2」(550元、約1万580円)の名前が見える。Xiaomiは中国で人気が高く、紅米/RedMiシリーズは家電量販店でも売り上げは常に上位にランクインしている。しかし顧客の満足度は他の製品のほうが上なのだろうか。あるいは紅米/RedMiシリーズはもはや誰もが知っている製品だけに、あえて人気端末として選ばれていないのかもしれない。
1000元から2999元の価格帯には、各社のミッド・ハイレンジクラスの製品が集まった。先に順位を見てみよう。
この中で注目すべきはHuaweiだろう。Huaweiは中価格帯のトップ3位を独占しただけではなく、2888元と高価なP8が1位になった。総金属ボディや高速プロセッサの搭載で海外大手メーカーのハイエンド機と並ぶ性能ながら、価格が割安なことも人気の理由だ。毎年新製品が出ているHuaweiのフラッグシップモデル「Pシリーズ」は、中国で今や1位になるほどの人気製品となっているのだ。またhonorシリーズの中では比較的価格の高めなhonor6も人気になるなど、Huaweiブランドとhonorブランドの二刀流戦略もうまくいっているようだ。
OPPOが2機種入っているのは、前述したように同社のプレミアムモデル戦略が消費者に受け入れられていることを証明している。OPPOはカメラや音楽機能を強化すると共に、金属ボディーの薄型製品を立て続けに出すことで「脱・低価格機戦争」から抜け出した。このクラスの製品が安定して売れれば、ビジネスもひとまず安泰といえるだろう。BBKのVivoもOPPOとほぼ似た戦略を取っており、こちらも製品が人気ランク入りしている。
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