世界初のトラクター・ビーム、イギリスの大学院生が開発

2015.12.07 21:00
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

151207tractor-beam.jpg


宇宙開発に医療にと、使い道はたくさん。

スター・ウォーズの初代デス・スターに700基もの発生装置が装備されていたり、UFOが牛や人を誘拐するときに使われたり。トラクター・ビームは、SFの中に出てくるテクノロジーの代表格のひとつでした。

そのトラクター・ビームが超音波の技術で現実のものになろうとしています。英国のブリストル大学とサセックス大学の研究チームと両大学からスピンオフしたベンチャー企業Ultrahapticsは、高振幅の音波を利用して小さな物体を動かせる音響ホログラム技術を開発しました。

チームリーダーはブリストル大学の博士課程に在籍するAsier Marzoさん。彼らの研究成果は10月に科学雑誌「Nature Communications」に掲載されました。

装置には8×8の正方形に並べられた64個の小型スピーカーが設置されています。これらが発生させた人の耳には聞こえない40kHzの音波が、直径1 mm未満の発泡スチロールビーズを空中に浮かせて、回転させたり移動させたりと自在に動かせます。また、同じ技術で水中にあるものを動かすこともできます。


Researchers create a sonic tractor beam with loudspeakers


これまでの音響浮揚では物体の周りを2面、4面などで囲む必要がありました。Marzoさんたちが開発したこの技術では、1面のみで物体を浮かせ、制御することができます。

ロイターからの取材に対してMarzoさんは「私たちが作ったのは、光のホログラムではなく、音のホログラムです。スターウォーズでR2-D2は光で空中に立体物を見せてくれましたが、私たちが音響ホログラムと呼んでいるこの技術では、立体的な音場を作っているんです。この試みは世界初ですよ」とコメントしています。

将来的にこのプロジェクトは、医療に応用される他、国際宇宙ステーションのような無重力環境での作業などに使えるように開発が進められていくそうです。これは、いよいよスター・ウォーズやスタートレックの世界が現実になっていきそうですね!


Image by Fireofheart / shutterstock
source: Reuters, Nature Communications

(高橋ミレイ)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 1/48 空飛ぶ円盤 アダムスキータイプ (プラスチックキット)
  • ウェーブ
  • MMR-マガジンミステリー調査班-(1) MMR-マガジンミステリー調査班- (週刊少年マガジンコミックス)
  • 石垣ゆうき|講談社
特別企画

目に見えない技術が生み出す、ZUIKOレンズ高画質の秘密は「ナノオーダー」にあり

PR

泥団子、子どものころに作ったことありませんか? 泥をま〜るくま〜るくコネコネして乾燥。そして白砂をかけて磨いていくと、ピッカピカのツルツルな泥団子になります。 泥と砂で作ったとは思えないほど、固くツ...
続きを読む»

・関連メディア