【ベルリン=共同】ドイツ内務省は7日、内戦が続くシリアなどから2015年にドイツに流入した難民や移民が、11月末現在で約96万人に上ったと発表した。ドイツ政府はこれまで、今年中に流入する難民らを約80万人と予想していたが、大幅に上回った。
メルケル政権は9月上旬、人道的理由でハンガリーに押し寄せた難民らの受け入れを表明。翌日から1万人規模の大量流入が続き、国内の収容能力は限界に達した。
難民らが政府の予測を上回るペースで流入していることが浮き彫りになり、メルケル氏に対する風当たりが強まりそうだ。
内務省によると、シリア出身者が約48万人と最も多く、アフガニスタンが約13万人、イラクが約9万人に上った。
11月末現在の難民保護申請の人数は約42万人で、前年同期の2.3倍に達した。
一方、オーストリアは7日、難民や移民の流入を規制するため、南東部シュピールフェルトのスロベニア国境で、フェンスの建設を始めた。オーストリアのメディアが伝えた。
受け入れに寛容で、隣国ハンガリーによる国境フェンス建設を批判してきたオーストリアも国境管理をフェンスに頼らざるを得なくなった。