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はやぶさ2 進路変更の「スイングバイ」
12月3日 18時52分

はやぶさ2 進路変更の「スイングバイ」
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生命の起源に迫ろうと小惑星「Ryugu(りゅうぐう)」を目指して飛行している日本の探査機、「はやぶさ2」が現在、地球に最も接近し、地球の重力を利用して進路を変える「スイングバイ」を行っています。成功すれば、「はやぶさ2」は、3年後の2018年に小惑星に到達する予定です。
去年12月に打ち上げられた日本の小惑星探査機「はやぶさ2」は、生命の起源に迫る手がかりとなる物質を探そうと、小惑星「Ryugu」を目指し、飛行を続けています。
「はやぶさ2」は、これまで、地球と同じようなコースで太陽の周りを飛行していましたが、地球と火星の間にある小惑星に向けて本格的な飛行に移るため、現在、地球に接近し、地球の重力を利用して進路を変える「スイングバイ」を行っています。
「スイングバイ」では、計算どおりのコースを進まなければ地球の強い重力で進路がずれるおそれもあるため、JAXA=宇宙航空研究開発機構は、先月から、軌道の修正を慎重に進めてきました。
JAXAによりますと、「はやぶさ2」が地球に最も接近するのは午後7時8分で、太平洋のハワイ付近の上空、3100キロを通過します。スイングバイに成功したかどうかが分かるのは、位置や速度について十分なデータが得られたあとになるため、おおむね1週間後になるということです。
スイングバイに成功すれば、「はやぶさ2」は、3年後、2018年の6月か7月ごろに小惑星に到達する予定です。小惑星「Ryugu」には、生命につながる可能性がある水や有機物が存在すると考えられていて、「はやぶさ2」は、岩石の採取に挑んだうえで、地球への帰還は、5年後の2020年と計画されています。

弾丸発射で内部の岩石採取へ

「はやぶさ2」が目指す小惑星「Ryugu」は、直径およそ900メートルのボールのような形をした天体です。地球と火星の間で太陽の周りを回っていて、現在、地球から、およそ1億7500万キロ離れています。これまでの観測から「Ryugu」には、生命の起源となる水や有機物が存在する可能性があると考えられています。
「はやぶさ2」は、「Ryugu」の周りに1年半ほどとどまり、重さ2キログラムの弾丸を秒速2キロという極めて速い速度で打ち込んで、小惑星の表面だけでなく、内部にある岩石を採取する計画です。
水や有機物の存在が指摘されている小惑星から岩石を持ち帰ることができれば世界でも初めてのことになり、生命の起源に迫ることができるのではないかと期待されています。

JAXA「今のところ正常」

「はやぶさ2」の責任者を務めるJAXAの津田雄一プロジェクトマネージャは、午後6時15分ごろから記者会見し、「はやぶさ2は今のところ正常です。管制室の中にはふだんより、多くの人がいますが非常に雰囲気はよく、チームワークよくやっています。引き続き、気を引き締めて進めたい」と述べました。

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