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イラン核疑惑の最終報告書 起爆装置の証拠確認できず12月3日 9時53分
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IAEA=国際原子力機関は、イランの核兵器の開発疑惑に関する最終報告書をまとめ、2009年以降、起爆装置の開発の具体的な証拠は確認できなかったとして、核兵器の開発に着手していたかどうかを結論づけることは避けました。
IAEA=国際原子力機関は、ことし7月に、核兵器の開発疑惑の解明に向けた行動計画でイランと合意し、専門家による会合を開いたり、関連施設を訪問したりして検証を作業を進めてきました。その結果、2日IAEAは最終報告書をまとめ、その中で、イランが核爆発を引き起こす起爆装置の開発につながるさまざまな作業を2003年まで行っていたと指摘しました。
一方で、起爆装置の開発は、研究の領域を出ていないと判断できることや、2009年以降は開発の具体的な証拠が確認できなかったとするなど、核兵器の開発に着手していたかどうかを明確に結論づけることは避けました。また、核兵器の開発疑惑があるテヘラン郊外の軍事施設については、証拠が失われかねない工事などが行われたため、検証作業に影響したとしているほか、情報の提供がなかった分野もあったと説明しています。
核兵器の開発疑惑の解明は、欧米などとイランの最終合意にもとづく経済制裁の解除に向けても重要とされ、IAEAは、今月中旬に特別の理事会を開きこの報告書について意見を交わす見通しです。
一方で、起爆装置の開発は、研究の領域を出ていないと判断できることや、2009年以降は開発の具体的な証拠が確認できなかったとするなど、核兵器の開発に着手していたかどうかを明確に結論づけることは避けました。また、核兵器の開発疑惑があるテヘラン郊外の軍事施設については、証拠が失われかねない工事などが行われたため、検証作業に影響したとしているほか、情報の提供がなかった分野もあったと説明しています。
核兵器の開発疑惑の解明は、欧米などとイランの最終合意にもとづく経済制裁の解除に向けても重要とされ、IAEAは、今月中旬に特別の理事会を開きこの報告書について意見を交わす見通しです。
イラン「疑惑の解消に道を開く」
IAEAの報告書について、核開発問題を巡る欧米など関係6か国との交渉を担当してきたイラン外務省のアラグチ次官は、現地メディアに対し、イランとしては核兵器の開発疑惑の解消に向けIAEAに全面的に協力してきたと強調しました。そのうえで、「イランの核開発の平和的な性質を認めており、疑惑の解消に道を開くものだ」などと評価しました。
疑惑についてイランは、これまで「根拠のない主張だ」などと否定してきており、最高指導者のハメネイ師は、IAEAが疑惑は解消されたと公式に認めるまでは、核開発問題を巡る最終合意に盛り込まれた核開発を制限する取り組みの一部については着手すべきでないという考えを示しています。
疑惑についてイランは、これまで「根拠のない主張だ」などと否定してきており、最高指導者のハメネイ師は、IAEAが疑惑は解消されたと公式に認めるまでは、核開発問題を巡る最終合意に盛り込まれた核開発を制限する取り組みの一部については着手すべきでないという考えを示しています。