2015年12月03日
(メモ)「電子書籍への期待 : 大学図書館の視点」(入江伸@「電子図書館サービスへの期待」図書館総合展2015)
電子図書館サービスへの期待 | 図書館総合展2015
http://www.libraryfair.jp/forum/2015/1829
上記フォーラムより、慶應・入江伸さんの「電子図書館サービスへの期待」を主に見たののメモ。
・ProQuestがExlibris社を買収した、ということは、コンテンツと(図書館)システムとが一体化しないとどうやらやっていけなさそうだよ、ということか。
・国内の大学図書館の現状。
-洋雑誌は電子に移行し終わった。洋図書は移行途中。和雑誌は紙のまま。
-電子は管理が複雑。
-サービス・貸出は和図書中心。
-研究は電子環境へ移行した。
-教科書のシラバス指定、教科書売り上げは減少。
・海外の大学図書館の現状
-Google Books、HathiTrust、shared print
-1000万冊を超える本が電子で見られる。
・最近は、アメリカ留学から帰国した研究者から「HathiTrustは使えないのか」と問われる。(電子ジャーナルは日米ともに使える)
・中国・CADAL
・電子学術書利用実験プロジェクト(2010)
→OverDrive利用実験
→JDLS(=日本電子図書館サービス)利用実験
・電子学術書利用実験プロジェクト(2010)
-貸出の多い×新刊でない書籍、を対象に集める
-ダウンロード型×個人認証
-OPACからシームレスに接続
-版面画像を提供
-テキストが必要(実用としては、OCRかけっぱなし程度の精度でいい)
-読む本ではなく、”教科書”(付箋・メモ)として使う
-電子書籍単体でなく、同じ本棚で自前のPDF(授業レジュメなど)も統合的に利用する
-すべての資料をインターネットからアクセスできる環境がほしい
(新刊の電子書籍、アーカイブ名パッケージ、パブリックドメイン)
↓
・以上をもとに、実験環境を設計した
(慶應、京セラ、大日本印刷、学術出版社)
↓
・学生の声
-紙と電子は別(使い分ける)
-検索と発見が重要
-コンテンツの量が必要
↓
・刊行からしばらく年数の経った書籍を、電子書籍化して、パッケージで安価に提供してほしい。そうでもしないと学生は”本自体”から離れてしまう。
・教育・学習のあり方が変わっているわけだから、出版も変わらないといけないし、図書館も変わらないといけない。逆に言えば、学術書(和書)の電子書籍化を、教育手法の変化と結びつければ、ビジネスに拡がる可能性がある。(マイクロコンテンツ×少額課金、大規模アーカイブ、教育コンテンツ制作との統合)
・JDLS(=日本電子図書館サービス)利用実験
-PDFダウンロードができてほしい
-大学認証に対応していない
-OPAC・ディスカバリからの経路が不明
-1冊づつの買い取り×貸出期間制限がある→図書館での導入は無理
・求める電子書籍プラットホーム像
・コンテンツ
-大学図書館利用トップの10万冊規模を、見たいときに利用できるように
-EPUB
-全文検索
-オフラインで使える(ダウンロードできる)
-マルチプラットホーム(プラットホーム間の同期)
-OPAC・ディスカバリからたどれる
-メモ・付箋・SNSなど学習機能の充実