【特命記者】
大型ビジョンで試合も楽しめる「ハマスタBAYビアガーデン」【拡大】
IT広告業界には「CPA」(Cost Per Acquisition=1人の顧客獲得にかかるコスト)と呼ばれる指標がある。
かりに帽子の原価を300円とする。72万個で2億1600万円。帽子をもらった10人のうち1人が観戦に来れば、CPAは3000円となる。親子で来てくれれば、今季のチケット代金で最低でも2900円(外野指定席=大人2100円、こども800円)となり、一定のコストを吸収できる。子供たちがスポーツに触れるきっかけを作る地域貢献活動は、データの裏付けがあるからこそ可能になる。
さらにチケットがなくても、スタジアムを囲む横浜公園で楽しめる仕組みも作った。
「マーケットの定義を変えている。野球ファンだけだとパイは小さい。エンタメの枠で考えればマーケットは広がる。映画、カラオケ…。エンタメが好きで、アクティブに外出するライト層を連れてくることを考えた」
大型ビジョンで試合中継を流しながら、球団オリジナルビールを楽しめる「ハマスタBAYビアガーデン」は入場無料で、ビジターの試合でも営業する。カレーの有名店が並んだ「B食祭」(9月18~23日の4試合)は試合に計約11万3000人、イベントに計5~6万人を動員。ファンフェスティバルも横浜公園全域にエリアを拡大し、過去最多の3万6000人が訪れた。
「(SF映画)スター・ウォーズは(製作会社が)ディズニーになっても人が集まる。根付けばブランドになり、毎年お客さんが来てくれるようになる。大事なのはアセット(財産)をどれだけ作り、活用できるか」