新興市場株、強気に転じるべき時期近い-シュローダー
2015/12/08 03:45 JST
(ブルームバーグ):ドルはピークを付けつつあり、これは新興市場に対して強気に転じるべき時期が近づいていることを意味する。シュローダー・インベストメント・マネジメントがこうした見方を示した。
シュローダーで新興およびフロンティア市場の株式230億ドル(約2兆8400億円)相当の運用責任者を務めるアラン・コンウェイ氏はロンドンでのインタビューで、これら株式の騰落率は先進国・地域の株式を3年連続で下回ったため株価の水準が魅力的になり、上昇の準備が整っていると発言。あと必要な条件はドル高の休止だけだが、ひとたび投資家が利上げ開始後も米国の金利が長期にわたって低くとどまると認識すれば、この条件もそろうと語った。
コンウェイ氏は「ドルは現在ピークでないとしても、極めて近いところにある」と指摘。「いますぐ新興市場に資金をつぎ込めと言っているのではない。新興市場はどこも割安で低迷が続き、あまり買われてもこず、センチメントも弱気だ。ここは少なくとも中立で、オーバーウエートにする機会を探るべきだ」と続けた。
新興市場に対しては、ゴールドマン・サックス・グループやバンク・オブ・アメリカなど、弱気を後退させる市場参加者が増えている。コンウェイ氏もこれに加わった格好だ。ただ、MSCI新興市場株指数は3年連続の下落へと向かっている。中国経済の減速や米国の利上げをめぐる不透明感で、高リスク資産の需要が冷え込んだためだ。
シュローダーのグローバル新興市場株ファンドでは10月末時点で26%を中国と香港に投資していた。同社によると、ファンドの年初から10月末までの運用成績はマイナス7.2%で、同期間のMSCI新興市場株指数はマイナス8.6%。コンウェイ氏は中国株への投資は「完全に正しい決定だった」として、同社のポジションを擁護した。
ロシア株については中立としてきたが、米国との政治的緊張が緩和したとみて、11月に小幅なオーバーウエートに変更。世界で最も割安なため、その恩恵を受けると予想している。一方でインド株は相対的に割高になったとし、持ち高をオーバーウエートから中立の水準に減らした。
コンウェイ氏は「新興市場をカバーして35年になるが、市場がこれほど一律的に弱気だったことは記憶にない」と指摘、「大幅に上昇する機は熟している」と述べた。
原題:Schroder Joins Goldman Calling End of Emerging-Market Trough (2)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Maria Levitov mlevitov@bloomberg.net
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更新日時: 2015/12/08 03:45 JST