塩崎恭久厚生労働相は7日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で、パートで働く主婦などの労働を後押しする方針を表明した。賃金引き上げや労働時間の延長を行った企業に補助金を配ることで、社会保険料の負担増を懸念して就労を抑制する「130万円の壁」の解消を狙う。
安倍首相は新制度の導入について「事業者が短時間労働者の労働時間や賃金を増やし、手取り額が増えると期待する」と述べ、厚労相に事業者への周知徹底を指示した。厚労相は制度の利用者は20万人程度と諮問会議に報告したが、対象になり得るパート労働者は約60万人いることもあり、より多くの利用を目指す考えを示した。
新制度は16年4月から19年度までの4年間続ける。「大企業で2%、中小企業で3%以上の賃上げ」「パート労働者が働く時間を週5時間以上延長する」などの条件を満たした企業に補助金を出す。パート労働者は賃上げを通じて、手取り額の目減り分を抑制でき、企業側も社会保険料の負担を軽減できる。
社会保険制度自体の改革には踏み込まなかった。甘利明経済財政・再生相は会議後の記者会見で「これが本格的な対応で、これ以上の対応は制度上無理だ」と説明した。諮問会議で、民間議員から補助金の支給期間や金額の拡充を求める意見があったと明らかにした。
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