イスラム国、まもなく中国に侵入か【佐藤優のインテリジェンスレポート】拠点を奪われたテロリストが向かう先

2015年12月04日(金) 佐藤 優

佐藤 優賢者の知恵

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邦丸: ロシアの空爆は当然強化されて、フランスも当然空爆をする。アメリカ軍とは立場は違うし、共同歩調はとらないんだけれど、方向性は一緒になってくるという。

佐藤: もう一つ、恐らく地上に実際の殺し部隊を送っている国があります。

邦丸: どこですか。

佐藤: イランです。

邦丸: イラン!

佐藤: これはかなり大量に送っています。イスラム国の拠点を奪還したというイラクの政府軍は、あれは全部、実質的にはイランのイスラム革命防衛隊ですから。

ですから、そういうようなところがみんな出てきて、イスラム国潰しをやっているんですけれども、これが失敗すれば今の状況が続いて、しょっちゅうテロが起きる。イスラム国の連中が皆殺しにされれば、問題は解決する。

ただし、皆殺しにされる前に逃げる可能性があるんです。逃げる先は恐らく、キルギスとタジキスタンだと思います。あの二つの国は破綻国家になっているうえに高い山ですから。

山に逃げると、アフガニスタンの例でも明らかなように掃討は不可能なんです。そこに第二イスラム国をつくって、それが新疆ウイグルに延びてくる。

邦丸: 中華人民共和国エリアに入ってくる。

佐藤: そうです。こういうふうになった場合は、日本に非常に近いところで、中国の中で本格的なイスラム国家をつくろうという動きが出てきて、それが巨大なテロに発展していく。こういう状況になりますね。日本系企業も日本人観光客も巻き込まれる可能性が格段と高くなります。

こういうことが2~3年のスパン、下手をすると半年~1年で起きるかもしれない。今、これぐらい緊張感を持っている状況になっています。

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