「在日は多文化共生社会の開拓者」 大阪のNPO事務局長
【大阪聯合ニュース】大阪市生野区にあるコリアンタウンの食堂でNPO法人「コリアNGOセンター」の金光敏(キム・グァンミン)事務局長が先ごろ、韓国メディアのインタビューに応じた。同センターは大阪を中心に在日韓国人や日本で暮らす外国人の支援を行っており、多文化共生に関する問題にも取り組んでいる。
「在日コリアンなのになぜほかの国から渡ってきた人々のためにそれほど多くの力を使うのか」という質問を受けることがあるという金氏は、そのたびに「私たちが経験したことを再び経験させたくない」と答えるという。「在日同胞がフロンティア(開拓者)として日本の多文化共生社会を引っ張っていくことが日本の発展に寄与することになる」との思いを強調した。
金氏は「在日韓国・朝鮮人政策が日本の多民族社会を引っ張っていくためのある種の枠組みなった」とした上で、「在日同胞社会から日本政府・社会が多くのことを学んだ」と説明した。
日本の外国人政策は多文化の共生より、同化を進める傾向にあり、在日同胞はその影響を強く受けた。在日3世として日本で生まれ育った金氏は少年時代に、自分の中にある韓国的なものを徹底的に排除しなければならないと考えたことがあるという。
金氏は「私たちは顔立ちが全く同じなため、自分を証明する手段と方法が多くない」と指摘。その上で「同化の圧力をより強く受けるが、このようなところから在日同胞のアイデンティティー問題を解決することが重要だ」と説明した。
インタビューを受ける金光敏氏=4日、大阪(聯合ニュース)
在日同胞の人権問題のためには「韓国社会が人権、平和のために努力してほしい」と訴えた。金氏は「韓国が少数者のために開かれた社会を作れば、巡りめぐってわれわれを助けることになる」とした上で、「このような関係が互いに有機的につながれば、韓日間で望ましい市民社会が形成され、日本社会にも良い影響を及ぼすだろう」との考えを示した。
韓日関係については在日同胞という立場から「なぜ(国交正常化50周年の年である)この時期に関係が悪くなったのか。韓国と日本の間に住む者として心苦しい」と話した。
その上で「声高に叫ぶ右翼のような言動ではなく、韓日関係がよくない中でも韓国について知るべきだという成熟した(日本の)市民の姿のように、韓国社会が(日本に)アプローチしてほしい」と力を込めた。
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