韓国ウォン、貿易規模面ではSDR通貨候補

 「国際通貨基金(IMF)は韓国の要請に従い、借款155億SDR(約210億ドル)を供与することを決めた」

 1997年12月4日にIMFが韓国への金融支援を決めた際の報道発表文はそう始まります。

 IMFは通貨危機に直面した韓国の外貨不足を補うため、SDR(特別引出権)で支援を行うことを決めたものです。支援規模は当時過去最高でした。

 SDRは仮想通貨で計算単位としてのみ使われるため、韓国が実際にIMFから受け取ったのは米ドルでした。IMFが米連邦準備理事会(FRB)に開設した韓国銀行の口座に相応のドル資金を入金し、韓国はそれを外貨準備として活用しました。

 実は韓国がIMFからSDRで資金を借り入れたのは1997年が最初ではありませんでした。一般国民にはあまり知られていませんが、韓国は1960年代以降、外貨が不足するたびに16回にわたり、IMFと協定を結び、26億SDRを引き出し、償還してきました。

 韓国が最初にSDRに加わったのは1970-72年のことでした。IMFが69年にSDRを創設後、各国に第1次配分を行った時のことだ。韓国は2220万SDRの割り当てを受け、外貨準備高に算入しました。韓国銀行によりますと、韓国は11月末現在で34億ドル相当のSDRを保有しており、外貨準備高全体(3685億ドル)の0.9%に相当します。

 中国の人民元がSDRの構成通貨になったと聞くと、遠い国の夢物語のように思いがちです。しかし、海外では韓国ウォンも構成通貨になり得ると見ています。ブルームバーグ電は今月1日、輸出準備だで見た場合、IMFが次回にはウォンを構成通貨として検討することになると指摘しました。韓国が2010-14年の世界の輸出に占める割合は3.2%で世界6位だからです。ユーロを使用するドイツ、フランスなど17カ国を一つの経済圏と見て比較した場合の順位です。しかし、ブルームバーグは金融取引量など他の条件も考慮すると、ウォンがSDRの構成通貨になるのは難しいのではないかと評しています。

チョン・チョルファン記者
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