Updated: Tokyo  2015/12/07 19:30  |  New York  2015/12/07 05:30  |  London  2015/12/07 10:30
 

中国赤字企業、株価が平均60%上昇-高収益企業をも上回る不思議

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    (ブルームバーグ):2015年は中国株式市場にとってサプライズに満ちた1年だった。赤字企業の株価が、同国で最もパフォーマンスの良い銘柄のグループに含まれることも首をひねる点の一つだ。

中国の赤字企業の株価は今年これまでのところ平均60%上昇。上海総合指数の上昇率を大きく上回るだけでなく、国内で最も収益性の高い企業の株価に比べても伸びが5ポイント大きい。米国では赤字企業の株価は平均15%下落している。

9700万人に上る中国の個人投資家の非合理性を示すものとして割り引いて考えたいところだが、そこには一定の論理がある。中国当局は国有企業の効率改善と企業の統合・再編による過剰生産能力の縮小を図っており、赤字企業はその主要なターゲットだからだ。また赤字企業は、非公開会社が上場企業を買収して新規株式公開(IPO)手続きを省く手法であるリバース・テークオーバーに関わる可能性もある。

しかし投資家のリスクは高まりつつある。一部企業は今年、事業構造改革案を遂行できなかったとして当局のやり玉に挙げられた。KGIセキュリティーズのアナリストは、不採算企業のうちリストラに成功するのは10%に満たないと予想している。中国当局がIPOを通じた上場を容易にする計画を実施すれば、リバース・テークオーバーの需要は急減する可能性がある。

ガラスメーカーの洛陽玻璃は9月末までの1年間で1億6230万元(約31億円)の損失を計上したにもかかわらず、株価は今年に入って4倍余り上昇した。親会社の国有企業への不採算資産の移管で合意したことが材料となった。

原題:Red-Hot Chinese Stock Strategy: Invest in Lousy Companies Only(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:香港 Fox Hu fhu7@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Richard Frost rfrost4@bloomberg.net

更新日時: 2015/12/07 10:48 JST

 
 
 
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