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印南敦史印南敦史  - ,,,  06:50 AM

幸せになるために必要なのは、「感情」と「思考」を「行動」に移すこと

幸せになるために必要なのは、「感情」と「思考」を「行動」に移すこと

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人は心理学で永遠に幸せになれる』(村松奈美著、ワニブックス)の著者は臨床心理士。米メリーランド州立大学心理学部・メリーランド州立大学院カウンセリング学部で心理学を学んできたのだそうです。帰国後は精神科クリニックなどを経て、現在は大手外資系企業の社員向けカウンセリングを行っているのだといいます。

ところで本書のタイトルはずいぶん大胆ですが、それでも「心理学で永遠に幸せになれる」ことについて、著者には確信があるようです。

この方法は、「物事を前向きに考えましょう」とか、自分の人生はすでに幸せだと気付きましょう」といった、単なるプラス思考とは違います。もちろん宗教や哲学とも違って、れっきとした科学(心理学)です。(「はじめに なぜ『永遠に幸せになれる』と言い切れるのか?」より)

そして、必要なのは「幸せの永久サイクルをつくってしまう」ということなのだと著者。心は「行動」「感情」「思考」の3つから成り立っており、互いに影響を与えあっている。だからこそ、それらのうちどれかひとつを「プラスの影響を与えられる存在」にすることができれば、やがて残りの2つもプラスに転じるということなのだそうです。

そしてサイクルが回り続けてプラスの影響が続いていくうち、相乗効果によってプラスの力がさらに強くなり、結果的にはマイナスの力が入る余地がなくなる。かくして、幸せはどんどん安定したものになるというわけです。PART 1「永遠の幸せを手に入れるために必要な力は、誰もがすでに持っている!」を見てみましょう。


すでに持っている"3つのすごい力"


著者はここでまず、「永遠に幸せになるために必要な力は、すべての人がすでに持っている」と断言しています。つまり本来なら私たちは、最高の人生を簡単に手に入れることができるはずだということ。にもかかわらず人生を嘆き悲しむ人が多いのは、大人になる過程で、力の成長を邪魔されてしまうことがあるからなのだといいます。

たとえば昔は「男は泣くもんじゃない」などといわれましたが、「泣く」ということも幸せになるために必要な力のひとつ。悲しいときに泣くとスッキリすることからもわかるとおり、泣くことにはストレスを発散させる効果があるということです。なのに泣くのを我慢していると、悲しい気持ちをいつまでも心の底に抱えたままになってしまっても当然。

そして成長を邪魔するもうひとつの理由は、自分が持っている力を使いこなせておらず、宝の持ち腐れになっているという点。気持ちがモヤモヤすることは誰にでもありますが、このモヤモヤには、「このままだと、うまくいかないぞ」という警報のような意味があるのだとか。いわばモヤモヤも、幸せのために役立つ立派な力のひとつだということ。だからそれを押さえつけてしまうと、警報を無視したことになり、結果的に失敗してしまうというのです。

ところで、私たちがすでに持っている「幸せになるために必要な力」「すばらしい能力」とはなんなのでしょうか? 著者によれば、それは「感情」「思考」「行動」の3つ。誰でも当たり前のように持っているものですが、多くの人はこれらを十分に使いこなしてはいないといいます。そこで、この3つの意味を再確認してみましょう。

感情:喜怒哀楽のような「気持ち」のこと。瞬間的に、ほぼ無意識に湧いてくるもの。

思考:頭を使ってまとめたり、分析するなど、じっくりと「考える力」のこと(感情と違って、湧いてくるのに少し時間がかかる)。

行動:"やりたいこと"を実行に移したり、いろいろな体験をすること。
(20ページより)

心理学では、この3つが基本的な「心の要素」だと考えられているのだそうです。(16ページより)


すべての答えは「ダーウィンの進化論」に?


しかし私たち人間は、これらの能力をどうやって手に入れたのでしょうか? 著者によれば、そのすべての答えは「ダーウィンの進化論」にあるのだといいます。「ダーウィンの進化論」といえば、「キリンの首が長い理由」が有名です。

かつてキリンが食べていたのは、地面に生える草。だから、さほど首は長くなくてもよかったわけです。しかし、そののち森林から移住したサバンナには草がほとんど生えていなかったため、木の葉を食べなくてはならなくなった。その結果、進化の過程で首が長くなっていったという話。つまり、生活している環境にあった体を持っている生物だけが、生き残ることができたということ。

同じように、私たち人間も、生きていくのに必要な力を持っている種族だけが現在まで生き延びてこられたのだといいます。つまり生命の誕生から40億年を生き残ってきた私たちは、生き抜くために必要な能力だけを備えたエリートだということ。そして同じように、そんな私たちが持っている「感情」「思考」「行動」という3つの力もまた、生きるために必要で、そして役立っているからこそいまも残っているということです。(21ページより)


「思考」が、「感情」の持つ力をパワーアップさせる


「感情」は、その場でベストな選択ができるように誘導したり、人生に生きがいをもたらしたり、「行動」するモチベーションを与えてくれる、大切な役割を果たしているのだそうです。ただし、それは感情のおもむくままに生きれば幸せになれるということではありません。なぜなら感情は、おもに原始時代を生き抜くために私たちが進化させてきた能力であり、現代社会で生きていくためには、さらに「思考」の力が必要だから。

700万年という長い原始時代に形づくられた「感情」は、当時の生活にもっとも適した能力だったため、現代の文明社会にはまだ追いつけていない部分も多々あるということ。たとえばリアルなクモのおもちゃを見せられたとき、おもちゃだとわかっていても「触りたくない」と感じることがあります。それは、「感情」が「勘違い」を起こしているから。感情が時代の変化についていけず、原始時代と同じ反応をしてしまうということです。

しかしその一方、文明が急激に発展するとともに私たちもさらに進化し、現代社会に適応するためにもうひとつの能力を身につけたのだそうです。それがまさしく「思考」の力。たとえば天気が悪くて憂鬱な気分になったとき、「感情」だけで判断せずに「思考」を働かせれば、「鬱な気分になるのは、単に天気が悪いせいだ。だから、暗い気持ちのまま家でじっとしている必要はない」と気づくことができるということ。

「思考」の声に従って「行動」し、外に出たら、いつのまにか気持ちが楽になってアクティブな1日を過ごせたというようなことがあるのは、そんな理由があるから。「感情」が間違った判断をしたときは、「思考」がそのことに気づき、代わりに正しい判断をしてくれるということです。(46ページより)


「感情」と「思考」を、「行動」に移す


つまりは、「感情」と「思考」をバランスよく使うことが大切だということ。そして「感情」や「思考」を最終的な「行動」につなげてこそ、初めて価値が生まれるというわけです。そもそも「行動」は、意味があるかないかという以前に、生きるために不可欠なもの。

アリは歩き回らなければ、エサを見つけられずに死んでしまいます。こうした昆虫や微生物は、「感情」や「思考」がなくても生きられますが、「行動」だけはすべての生物にとっては生きるために欠かせない能力だということ。

そして私たち人間も、無意識に食べたり、歩き回ったりと、日常的になんらかの「行動」を起こしているもの。つまり、ある程度まではすべての人が「行動」の力を支えてはいる。とはいえ、「行動」の持つ力をどれだけ活用できているかは、かなり個人差があるのだそうです。

「行動」を起こすことの意味は、「感情」や「思考」を反映するというだけではないそうです。「行動」を起こすことによって、さらに新しい「感情」や「思考」を手に入れられるというメリットもあるのだとか。例をあげてみましょう。

転職して未体験の仕事にチャレンジします(行動)。すると、いままで感じたことのないやりがいを感じ(感情)、新しいキャリアの目標が見つかるかもしれません(思考)。そして、その分野をもっと深く勉強してみたり、資格を取ってみたりと、さらなる「行動」につなげることができるということ。

いわば「行動」が「感情」や「思考」を生み出し、さらに新しい「行動」につながるというサイクルができる。だからこそ、この流れを繰り返し、次々と新しい「行動」「感情」「思考」を手に入れることによって、人は変化し、そして進化することができるというわけです。(58ページより)




心理学と聞くと難解なイメージを持たれるかもしれませんが、身近な例をあげてわかりやすく解説されているため、「幸せの永久サイクル」をつくって活用する方法を無理なく身につけられるはず。ぜひ手にとってみてください。


(印南敦史)

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