過去に未納だった保険料を納めれば、受給資格期間の25年を満たして年金を…[続きを読む]
世界のサッカー界を束ねる組織にまた、司直の手が入った。底知れぬ腐敗ぶり…
・最新の社説は朝刊休刊日を除き午前5時半ごろ更新します。(編集の都合などで遅れる場合があります)
世界のサッカー界を束ねる組織にまた、司直の手が入った。底知れぬ腐敗ぶりである。
スイスの司法当局が先週、国際サッカー連盟(FIFA)の現役副会長2人を逮捕した。
ワールドカップ(W杯)予選の商業的な権利を売るなどの見返りに数百万ドルの賄賂を受けた疑い。同じ日、米司法省はこの2人を含む16人を収賄などの罪で起訴したと発表した。
米司法省は5月にも、FIFA関係者9人を含む14人を起訴している。
FIFAには自らの手で再建する能力も資格もないというほかない。これまで以上に大胆に外部の人材を活用して、解体的に出直すしかあるまい。
ブラッター会長も、2011年の会長選前の不法な金銭のやりとりの疑いで暫定的な活動停止処分中だ。現体制で、会長と本来8人いる副会長のうちの3人が逮捕されたり活動停止となったりする異常事態である。
FIFAは、権限が集中している理事会の再編など改革案をまとめた。組織を意思決定部門と実務部門に分けるとともに、監査・法令順守の強化を掲げる。権力の集中を避け、透明性を高めるよう、組織のあり方を抜本的に見直すべきだ。
そもそも公然と賄賂を求めるような組織文化そのものをなくさなければ、病根は絶てない。私腹を肥やしてきた関係者を永久追放するなど、古い体質から決別する覚悟を示すべきだ。
大手のスポンサーは「現指導部の下では改革はできない」と批判し始めている。現体制から独立した外部メンバーの枠組みで、継続的に再建策を練ることも必要かもしれない。
W杯の開催国選びは、汚職の温床となっていた。投票権は二十数人の理事会メンバーに限られていた。FIFAは今後、209協会が1票ずつ持つ総会で決めることにしている。
選ぶ側と選ばれる側との接触を限定するなど、招致段階から決定までの公正なルールづくりを急がなくてはならない。
今年理事になった田嶋幸三・日本協会副会長は、改革の先頭に立ってほしい。11年の会長選で疑惑が浮かんだ際は、率先して解明に取り組んだ。
だが一方、日本が加わるアジア連盟は、混乱が深まっていた今年5月の会長選では、ブラッター会長を支持し、問題の解決に迫れない一因となった。
新たなFIFA会長を選ぶ総会は来年2月だ。勝ち馬に乗るのではなく、なぜこの人に投票するのか説明できるしっかりとした人選をする責任がある。
PR比べてお得!