「日本は現在、人口減少という最も厳しい試練を
迎えている。 日本社会の高齢化は深刻であり、
若年層の人口も減少している。
これと比較すると、経済停滞や強いリーダー
シップを持つ政治指導者の欠如といった
諸問題は、大きな問題ではない。
人口問題が解決できない限り、日本の未来は
暗いと言わざるを得ない」
(リー・クアンユー)
世界中の政治家や経営者から尊敬されて止まない
シンガポール初代首相、リー・クアンユー氏。
国際的な難題に直面する現代において、
リー氏の洞察力や独創性、戦略的思考が
ますます注目されています。
一人当たりのGDPで日本を抜きアジアで最も
豊かな国とされる赤道直下の都市国家シンガポール。
1965年にマレーシアから分離独立した華人中心の
都市国家は、英語教育エリートによる一党支配の下
、国際 加工基地・金融センターとして発展します。
リー氏は自治領以来50年君臨し、超ワンマン統治
で経済を発展させ、見本にしていた日本すら
抜き去ってしまいます。
シンガポールという国は、まさにこのリーという
一人の天才がすべてのシステムを組み立てた
といえます。
シンガポールはもともとマレー人が住んでいた、
英領。 マレーシアに水食糧を依存してきました。
そこで、マレーシアと連邦国家を作りますが、
マレーシア政府とことごとく意見が対立します。
マレー人と華人との対立が本国に持ち込まれる
ことを嫌ったマレーシアは、ついにシンガポール
を追放してしまいます。
1960年代、資源なし、希望のもてない多民族
社会は、マレーシア連邦から足手まといと
見捨てられたのです。
しかしリー氏は、これを機会として「近代都市の未来
像」を掲げ、「単なる近代都市では、世界一の人口
密度で不快な国になる。それではいけない。
国中を公園のように緑豊かにすることで、未来の
不快感を和らげよう」と考えます。
そして山ほどある困難をものともせず、草木や
土壌のあらゆる研究を重ねながら、美しい近代都市
を実現させていきました。
シンガポールは華人、マレー人、インド人で構成されて
おり、民族宗教対立が小さな島で起きたら国は立ち
いきません。
リー氏は、投資を呼び込み、経済国家となることを選択。
典型的な開発独裁を行い、与党の人民行動党以外の
団体を一切政治に関与させないこととします。
経済開発にすべてのエネルギーを注き、党と政府、
政府系企業を一体化しました。
教育も、小学校段階から出来る者と出来ない者
の選別を繰り返します。
ムダの排除を徹底的に行いました。
それはまさに国家運営というより「国家の経営」と
いえるもの。 その特徴を端的にまとめると、以下
の7つとなります。
1・経済発展が最大の国家目標
その成果をきちんと国民に配分
2・近隣諸国よりも常に先の段階を追及
3・すべてが国家主導で実施
4・政治、文化、民族までもが経済発展の手段
5.反面、そのために独自の文化がほぼ皆無
6.欧米に対しては政治と経済を使い分け
7.国民のアイデンティティ構築が難しい
以下、BWCHINESE中国語サイトのリー氏の
記事「日本はなぜ凡庸な国に変わったのか?」
より一部転載。
----------------------------------------------
日本人という民族は非常に素晴らしい特質を持って
いる。 2011年に東日本大震災が発生した際、
日本人がどのように対応したのか我々は目撃している。
パニックにならず、混乱もせず、あらゆる人が
プライドを保ちながら、突然襲った災難に対して
尊厳をもって対応していた。
日本人はお互いに助け合い、困難をともに共有した。
これに対して世界中が驚きと尊敬の念を抱いた。
また、日本人が仕事をする際に完璧さを追求する姿勢。
これも 世界のどの国もかなわない部分だ。
日本人が製造した極めて精巧なテレビ、自動車、
日本料理の中の王様と言える寿司なども人々に
深い印象を残す。
日本人の集団を重んじる精神もまた右に出る民族は
いない。
個人の場合、中国人や韓国人も日本人とほぼ同じ
レベルのことはできる。
しかし、集団となれば、中国人や韓国人も日本人には
及ばない。
おそらく、これこそが日本民族の強みであり、以前は
私に日本人が人口問題の厳しさに気づきさえすれば
、すぐに手を打って解決するだろうと誤解させたところだ。
日本の隣国である中国が大きく発展しつつある中、
日本だけが自ら何ら有効な対策を採ることも なく、
ゆっくりと萎縮しつつある。
このことが、本当に理解できない。
私はすでに日本社会が人口問題をめぐる困難を
突破し、勇敢に解決することに対し、何ら希望が
ないと考えている。
しかも、こんなに長い時間が経過しても、日本人は
いまだに何もせず手をこまねいている。
私は、日本はすでに凡庸な国になりつつあるという
見方をしている。
もちろん、一般の日本の人々の生活水準は今後も
しばらくの間、 明らかに低下することはない。
一部の欧米の先進諸国とは異なり 、日本政府の外債
は非常に少ない。日本の科学技術は以同様進んで
おり、国民の教育レベルも非常に高い。
これらすべての要素は日本にある猶予期間を与える
ことはできる。
しかし、人口問題が最終的にもたらす影響からは
避けようがない。 もし私が若い日本人であれば、
おそらく外国に移民することを選ぶだろう。
なぜなら、日本にいても、未来が見えないからだ。
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=85755&utm_content=buffer5ff1a&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer
日本人に対するリー氏からのメッセージ、それは
「今日、日本の 社会が抱えている問題は、まさに
日本人自身が将来どのような社会を望んでいるか
わかっていない」こと。
「日本はなぜ凡庸な国に変わったのか?」は、
まさしくこの国の抱える問題を厳しく突いています。
リー氏が言うように、日本人が本来持つ集団での
強みをどのように活かしてこれからの社会を
創り上げていくのか?
未来像のビジョンを掲げ、活動すべき時期は既に
入っているはずです。

Author:岸 和幸
=================
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迎えている。 日本社会の高齢化は深刻であり、
若年層の人口も減少している。
これと比較すると、経済停滞や強いリーダー
シップを持つ政治指導者の欠如といった
諸問題は、大きな問題ではない。
人口問題が解決できない限り、日本の未来は
暗いと言わざるを得ない」
(リー・クアンユー)
世界中の政治家や経営者から尊敬されて止まない
シンガポール初代首相、リー・クアンユー氏。
国際的な難題に直面する現代において、
リー氏の洞察力や独創性、戦略的思考が
ますます注目されています。
一人当たりのGDPで日本を抜きアジアで最も
豊かな国とされる赤道直下の都市国家シンガポール。
1965年にマレーシアから分離独立した華人中心の
都市国家は、英語教育エリートによる一党支配の下
、国際 加工基地・金融センターとして発展します。
リー氏は自治領以来50年君臨し、超ワンマン統治
で経済を発展させ、見本にしていた日本すら
抜き去ってしまいます。
シンガポールという国は、まさにこのリーという
一人の天才がすべてのシステムを組み立てた
といえます。
シンガポールはもともとマレー人が住んでいた、
英領。 マレーシアに水食糧を依存してきました。
そこで、マレーシアと連邦国家を作りますが、
マレーシア政府とことごとく意見が対立します。
マレー人と華人との対立が本国に持ち込まれる
ことを嫌ったマレーシアは、ついにシンガポール
を追放してしまいます。
1960年代、資源なし、希望のもてない多民族
社会は、マレーシア連邦から足手まといと
見捨てられたのです。
しかしリー氏は、これを機会として「近代都市の未来
像」を掲げ、「単なる近代都市では、世界一の人口
密度で不快な国になる。それではいけない。
国中を公園のように緑豊かにすることで、未来の
不快感を和らげよう」と考えます。
そして山ほどある困難をものともせず、草木や
土壌のあらゆる研究を重ねながら、美しい近代都市
を実現させていきました。
シンガポールは華人、マレー人、インド人で構成されて
おり、民族宗教対立が小さな島で起きたら国は立ち
いきません。
リー氏は、投資を呼び込み、経済国家となることを選択。
典型的な開発独裁を行い、与党の人民行動党以外の
団体を一切政治に関与させないこととします。
経済開発にすべてのエネルギーを注き、党と政府、
政府系企業を一体化しました。
教育も、小学校段階から出来る者と出来ない者
の選別を繰り返します。
ムダの排除を徹底的に行いました。
それはまさに国家運営というより「国家の経営」と
いえるもの。 その特徴を端的にまとめると、以下
の7つとなります。
1・経済発展が最大の国家目標
その成果をきちんと国民に配分
2・近隣諸国よりも常に先の段階を追及
3・すべてが国家主導で実施
4・政治、文化、民族までもが経済発展の手段
5.反面、そのために独自の文化がほぼ皆無
6.欧米に対しては政治と経済を使い分け
7.国民のアイデンティティ構築が難しい
以下、BWCHINESE中国語サイトのリー氏の
記事「日本はなぜ凡庸な国に変わったのか?」
より一部転載。
----------------------------------------------
日本人という民族は非常に素晴らしい特質を持って
いる。 2011年に東日本大震災が発生した際、
日本人がどのように対応したのか我々は目撃している。
パニックにならず、混乱もせず、あらゆる人が
プライドを保ちながら、突然襲った災難に対して
尊厳をもって対応していた。
日本人はお互いに助け合い、困難をともに共有した。
これに対して世界中が驚きと尊敬の念を抱いた。
また、日本人が仕事をする際に完璧さを追求する姿勢。
これも 世界のどの国もかなわない部分だ。
日本人が製造した極めて精巧なテレビ、自動車、
日本料理の中の王様と言える寿司なども人々に
深い印象を残す。
日本人の集団を重んじる精神もまた右に出る民族は
いない。
個人の場合、中国人や韓国人も日本人とほぼ同じ
レベルのことはできる。
しかし、集団となれば、中国人や韓国人も日本人には
及ばない。
おそらく、これこそが日本民族の強みであり、以前は
私に日本人が人口問題の厳しさに気づきさえすれば
、すぐに手を打って解決するだろうと誤解させたところだ。
日本の隣国である中国が大きく発展しつつある中、
日本だけが自ら何ら有効な対策を採ることも なく、
ゆっくりと萎縮しつつある。
このことが、本当に理解できない。
私はすでに日本社会が人口問題をめぐる困難を
突破し、勇敢に解決することに対し、何ら希望が
ないと考えている。
しかも、こんなに長い時間が経過しても、日本人は
いまだに何もせず手をこまねいている。
私は、日本はすでに凡庸な国になりつつあるという
見方をしている。
もちろん、一般の日本の人々の生活水準は今後も
しばらくの間、 明らかに低下することはない。
一部の欧米の先進諸国とは異なり 、日本政府の外債
は非常に少ない。日本の科学技術は以同様進んで
おり、国民の教育レベルも非常に高い。
これらすべての要素は日本にある猶予期間を与える
ことはできる。
しかし、人口問題が最終的にもたらす影響からは
避けようがない。 もし私が若い日本人であれば、
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なぜなら、日本にいても、未来が見えないからだ。
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=85755&utm_content=buffer5ff1a&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer
日本人に対するリー氏からのメッセージ、それは
「今日、日本の 社会が抱えている問題は、まさに
日本人自身が将来どのような社会を望んでいるか
わかっていない」こと。
「日本はなぜ凡庸な国に変わったのか?」は、
まさしくこの国の抱える問題を厳しく突いています。
リー氏が言うように、日本人が本来持つ集団での
強みをどのように活かしてこれからの社会を
創り上げていくのか?
未来像のビジョンを掲げ、活動すべき時期は既に
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