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ネオサイタマ電脳IRC空間

ニンジャスレイヤー日本語版公式ファンサイトです。翻訳チームが運営しています。現在、旧ブログアドレスからの移行期間中です。なのでここにはかわいらしいスシがあります。

登場人物紹介:ニンジャスレイヤー(01)

キャラクター

 

登場人物紹介記事の第一弾は、主人公であるニンジャスレイヤーだ。彼の名前が作品のタイトルにもなっている。

 

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「ニンジャ……殺すべし!」

【ニンジャスレイヤー】
ニンジャ抗争にまきこまれて妻子を失い、自らも致命傷を負ったサラリマン「フジキド・ケンジ」は、正体不明のニンジャソウルに憑依されて死の淵からよみがえり、ニンジャを殺すもの「ニンジャスレイヤー」となった。人間離れした身体能力と全てのニンジャへの激しい憎悪が、彼の強さの源だ。 


◆外見的特徴◆
血のような赤黒のニンジャ装束を着、「忍」「殺」とレリーフされた鋼鉄メンポ(面頬、金属製フェイスガード)をつけ、首にはマフラーめいた長い布がなびく。これが彼の外見的シグネイチャーだ。身長は約181cm。瞳の色、髪の色は黒。ナラク・ニンジャの力が引き出されると、瞳が赤く発光する。

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◆戦闘スタイル◆

ジツ:カラテ比率=0:10程度
バランスの取れた質実剛健なカラテで敵を追い詰め、殺す。使うカラテのサブジャンルは「ジュー・ジツ」だ。これは格闘術の一種で、作中の他のニンジャが使用する事はあまりない。拳撃、蹴り、スリケン投擲など、攻守において高度にバランスのとれたカラテであり、武器を使用する事は少ない。敵が刀剣などの武器を持っていても、たいていはブレーサー(手甲)で弾いてしまう。敵が強力な接近戦武器を持っている場合などに限って、稀にヌンチャクや即席武器などを使用するが、相手が武器を失った時点で素手に戻ることが大半である。ただし、ナラク・ニンジャの力が表面化した場合は、戦闘スタイルが大きく変わる(ナラク・ニンジャのエントリーを参照)。

 

◆オリジン・エピソード◆

物理書籍第1巻「ネオサイタマ炎上1」収録の「ボーン・イン・レッド・ブラック」が事実上のオリジン・エピソードである。「ネオサイタマ炎上1」はTwitter連載版と同様に、突然「これまでのあらすじ」から始まり、ニンジャスレイヤーが何者か、いかにして誕生したのかが語られることなく、読者は突然ネオサイタマに放り込まれる。巻末に収録されたこの「ボーン・イン〜」を読むことで、物語の起点がついに明らかとなる構成だ。

ボーン・イン〜」はフジキド一家を襲った「マルノウチ抗争」で妻子と死別し、フジキド・ケンジもまた生死の境を彷徨い、ソウカイヤの始末屋たちに殺されそうになる直前から始まる。そして復讐の戦士ニンジャスレイヤーとなり、最初の敵ニンジャを爆発四散させる、記念碑的なエピソードだ。ただし、必ずしもこのエピソードを読まずとも、作品内では事あるごとに、彼が戦う理由は明示されるし、それは極めてシンプルだ。つまり「妻子をニンジャに殺され、復讐を誓った」という点さえ押さえておけば、どのエピソードに関しても問題なく読めるのだ。

ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上 (1)

ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上 (1)

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 ◆重要エピソード◆ 

ニンジャスレイヤーは、サブキャラクターが主役のエピソードを除き、ほぼ全てのエピソードに登場するため、重要エピソードやベストバウトを絞る事は難しい。まずは「ネオサイタマ炎上1〜4」を読み進めることをお勧めしたい。

 

=====  NINJA FACTS =====

ニンジャスレイヤーについて、「ニンジャである」「ニンジャを殺すニンジャである」「容赦がない」「スリケンを投げる」「Wasshoi!と言う」など、すでにある程度の予備知識がある方に向けて、さらに深く紹介していこう。

 

これまでにあげた特徴に加えて、ニンジャスレイヤーは:

  • カラテ(パンチ・キック、チョップ等)で戦う
  • 恐ろしい
  • 敵に容赦しない

 

などが挙げられる。「敵に容赦しない」とは、すなわち

  • 拷問を含んだ情報収集
  • 命乞いを聞かずトドメを刺す
  • 口喧嘩が強い

などの要素を総合した特徴だ。

 

◆ニンジャを殺す者◆

ニンジャスレイヤーとは「ニンジャを殺す者」。言葉としてはドラゴンスレイヤーのようなノリでつけた、と原作者コメントにあった気がする。実際、人ならざる強大な存在を斃す、というニュアンスが込められているのは間違いない。この作品におけるニンジャは、単なる「忍術の訓練を積んだ者」ではなく、身体能力において常人を大きく上回り、邪悪な意志をもち、その暴力を目撃した人々が恐怖のあまりショック症状を引き起こすような存在だ。

そんな者たちと渡り合うにあたって、正気のままでいる事は難しい。「なんたる狂人の戯言……」「果たして戯れ言かな?」(ネオサイタマ炎上1、p436。「ボーン・イン・レッド・ブラック」)ニンジャスレイヤーと戦闘するニンジャ達は、しばしば彼の事を狂人と呼ぶ。実際、彼の行動は己を省みる者の思考回路ではない。数においても力においてもあまりに強大な者たちを相手に戦い続けるのは困難を極める。自分自身を理不尽の奥底に沈め、冥府魔道を行くがごとく、憎悪を推進力に戦い続ける……彼が支払う心身の犠牲は決して小さくはないのだ。

◆内なる邪悪、ナラク・ニンジャ◆

ニンジャスレイヤー自身もニンジャである。そもそもニンジャとは何なのか。彼らはもともとは通常の人間だった。彼らの魂に「ニンジャソウル」が降り来たり、憑依融合することによって、身体組成が変異し、精神にもなんらかの影響を受けて、ニンジャとなる。ニンジャスレイヤーにとってのニンジャソウルは「ナラク・ニンジャ」だ。家族を殺され、自らも死の淵に立たされたフジキド・ケンジをナラク・ニンジャが救い、ニンジャスレイヤーとして蘇らせたのだ。

ニンジャに憑依融合したニンジャソウルは、通常は宿主に話しかける事はない。その点、ナラク・ニンジャは例外的な存在であり、自分自身の意思を持ち、宿主であるフジキド・ケンジに話しかけ、彼の思考を己の望む方向へ誘導しようと常に試みる。

ナラク・ニンジャの望みは全ニンジャ抹殺だ。復讐のためにニンジャを殺す事を胸に誓ったフジキド・ケンジと、このナラク・ニンジャの思想は概ね似通っており、基本的には合意が形成されている。しかし無差別的な殺戮に容易に舵を切ろうとするナラク・ニンジャと、己の人間性を最後の砦と考えているフジキド・ケンジとの間には決定的な相違があるため、しばしば両者の間にコンフリクトを引き起こす。

ニンジャスレイヤーの目的は妻子の復讐である。だが、ナラク・ニンジャの望み通り無差別にニンジャを殺し、一般市民の犠牲もいとわずに戦い続ければ、自分は人間ではなくなり、妻子を殺めた憎悪すべきニンジャと同じ邪悪な存在へと堕してしまうだろう。フジキドはそれを何よりも恐れ、抵抗している。フジキド・ケンジの魂は、殺伐とした復讐の戦いとニンジャソウルという絶大な力によって常に堕落の瀬戸際にあり、そのような葛藤を抱えながら戦い続けるダークヒーロー的な苦悩もまた、ニンジャスレイヤーというキャラクターの大きな魅力である。

◆カラテ◆

ニンジャスレイヤーの武器はカラテだ。カラテとは体系化された格闘技の総称であり、ジツ(術)のようなサイキックによらない、己の身体を用いた攻撃を指す。チョップやパンチの連打で敵ニンジャを倒してゆくのがニンジャスレイヤーだ。これに関しては原作者がロバート・E・ハワードの蛮人コナンのシリーズの影響を述べている。妖術師や怪物の恐ろしい攻撃を身体能力で捻じ伏せるコナンの活躍は、さまざまなジツで攻撃してくる敵ニンジャをカラテで打ち破るニンジャスレイヤーの遺伝子のひとつになっているとのこと。カラテについては、いずれ別項目で詳しくまとめられるだろう。

◆スリケン◆

基本的には素手のカラテで戦闘する彼も、必要に応じて武器を使用する。ボーやヌンチャク等(ニンジャといえばニンジャソードの印象が強いが、ニンジャスレイヤーがカタナの類を用いる事はない)。特に頻繁に用いられる武器は、投擲武器であるニンジャ・スローイング・スター、すなわちスリケンだ。スリケンはミステリアスな武器で、何もないところから生み出す事も可能のようだ。ニンジャの戦闘においてスリケンは非常に重要である。直接ダメージを与える為に投げるのは勿論、敵の攻撃をけん制し、より強力な攻撃の布石としたり、追撃を防いだりする。ニンジャスレイヤーのスリケン投擲技術は長い戦いの中で磨かれ、油断ならない攻撃手段となった。

ニンジャスレイヤーにはナラク・ニンジャという極めて強力なニンジャソウルが憑依しているため、ニンジャ装束やスリケンを生成する事ができる。ニンジャスレイヤーの場合は、己の血からである。

◆チャドー◆

ニンジャスレイヤーは身を沈め、跳躍の予備動作を取った。その構えはまともなジュー・ジツのそれではない。考古学者であれば、あるいはその構えを指摘することができたやもしれぬ。その動きは、太古の暗殺術「チャドー」の構えであった!(ネオサイタマ炎上1、p58。「メナス・オブ・ダークニンジャ」)

チャドーは謎に包まれた必殺のカラテ奥義であり、ニンジャスレイヤーが極限のイクサにおいて繰り出す最後の奥の手と言える。タツマキケン、ジキ・ツキ、アラシノケンなどのミステリアスな名前を持ったワザを目にできる機会は本編においても限られているが、その時あなたはニンジャの暗黒の歴史の重みを体現するかのような威力に震撼することになるだろう!

◆未来へ◆

ほとんど全てのエピソードに登場するだけあって、彼を1度のエントリで説明しようとすると、膨大なテキスト量になってしまうだろう。今回は、いくつかの要素をかいつまんでみた。今後も回数を重ね、徐々に細かいところを考察していくことになるはずだ。

 (Tantou)