
第一次世界大戦は、人類史上最初の世界大戦で、1世紀が過ぎた今も大戦の悲劇とヒロイズムは色褪せていない。この戦争は革新や謀略、そして奇抜さの新しいスタンダードが出来上がった時期でもある。
各国はドイツ・オーストリア・オスマン帝国・ブルガリアからなる中央同盟国と、三国協商を形成していたイギリス・フランス・ロシアを中心とする連合国の2つの陣営に分かれ、日本、イタリア、アメリカ合衆国も後に連合国側に立ち参戦した。
イギリスのダックスフォード帝国戦争博物館が所蔵する膨大な資料をもとに書かれた本『ウィアード・ウォー・ワン(Weird War One)』からは、敵よりもわずかでも上回ろうという各国軍の涙ぐましい努力の跡をうかがい知ることができる。
1.ボディーシールド

不格好で扱いづらいが、ブルースターボディシールドで機銃の銃弾を防ぐことはできた。
米海兵隊の救命胴衣はマットレス

救命胴衣の代わりにベッドのマットレスを巻き付けるよう訓練された米海兵隊
ドイツ軍の音声視覚装置

ミッキーマウスにも見えるドイツ軍の音声視覚装置。敵の大砲の発砲音や光を増強し、射手の位置を割り出すことができる…少なくとも、設計者の意図はそうであった。
車輪付き棒はしご

メソポタミアで”車輪付き棒はしご”に登って偵察をする兵士。起伏に乏しい砂漠ではわずかな高さであって大きな意味を持ったのだろう。
英国軍のパラツイーター

敵占領地にパラシュートで伝書鳩を投下し、地元民に敵兵士の居場所を教えるよう要請するためのものだ。その狙いを見抜いたドイツ軍はドイツに飛ぶ伝書鳩に入れ替えて対抗した。
ドイツ軍の人力発電

通信機器や照明のために発電に勤しむドイツ兵
米海兵隊の巨大メガホン

米シアトルのトレーニングキャンプにて。海兵隊の新兵にお説教だろうか?
うそっこの樹になりきる兵士

1918年5月、フランスのスシェでテント地と金網で作ったフェイクの木に潜む兵士。両陣営ともに狙撃手や偵察兵の隠れ場所として採用していた。使用者は度胸を試されたに違いない。
ダミー戦車運搬中のオーストラリア兵士

1918年、ヒンデンブルク線への襲撃に先立ち、木材と布で作られたダミー戦車を運ぶオーストラリア第4中隊の工兵
ドイツ軍のスパイ鳩

アルミ製ハーネスで時間遅延式カメラを取り付けられたドイツのスパイ鳩
捕らわれの身となったトルコ軍狙撃兵

戦争が進むにつれてカモフラージュは非常に手の込んだものになった。写真は1915年、ガリポリ付近で連合軍兵士に捕らえられたトルコ軍狙撃兵。
米軍の実験的カモフラージュ服

1917年の米軍の実験的カモフラージュ服は成功とはみなされなかった。着用者は頭上に標識でも掲げたほうがよかったかもしれない。
ケント自転車兵大隊

1915年、行進を行うケント自転車兵大隊。戦前は騎士の新しい姿と謳われたが、塹壕が多用された大戦では、実践投入は限定的にならざるをえなかった。
第一次世界大戦、テクノロジーの歴史
History Channel - Modern Marvels. World War I Tech
via:dailymail・translated hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
オモロいなぁ〜、戦車も一歩間違えばこの中に入ってネタ兵器として紹介されてたかもしれないけど
2. 匿名処理班
自分らは面白がって見てられるけど当時の人達は必至で考えてやったんだろうな。何せ命と国がかかっているし。
3. 匿名処理班
必死こいてあれこれ考えてくれたおかげで技術の発達に寄与したのかもしれん。
先人に感謝やで
4. 匿名処理班
第一次世界大戦は兵器、科学、戦術などあらゆる近代戦の基礎が出来上がったし
それ以降の戦争は第一次世界大戦のおかわりみたいなものだからね。
5. 匿名処理班
この頃は急速に発展していく化学と工業を使って、おっかなびっくりながらも色々と思いつくままに試行錯誤していた時代でもあるから、今から見ると結論が解っているだけに「どうしてそうなった」としか思えないものばかりだよね。
6. 匿名処理班
そう考えるとカンブリア爆発みたいなものなのかもしれないな
7. 匿名処理班
よくこのアイディア群を思いつくとともに、作っていこうとおもうもんだわ・・・
とにかく思いつくものすべてを実用化して、相手に優位に立とうと必死だったのかなぁ・・・
8. 匿名処理班
メガホンはトランペット持ってるから起床ラッパだろうね
9. 匿名処理班
ダミー戦車は現代でも使っているけどな
10. 匿名処理班
マットレスは水を含んだら重いだろうなあ。
救命胴衣として成り立つと思えないんだけど。
11. 匿名処理班
カメラつけられた鳩は重くて飛べんだろ…
12. 匿名処理班
はしごは便利そう。って思ったけど、
似たようなコンセプトの物なら長い潜望鏡状の筒でいいか。
13. 匿名処理班
ドイツのデザインセンスにかかると鳩すらも
カッコよくなってしまうのか。
14.
15. 匿名処理班
WW1初期の戦車は単なる歩兵連隊支援が目的だったので、装甲という概念が無かった。加えて動力が蒸気機関のも存在していた…
銃撃によりスチーム缶に穴が空いて熱ぅい!!となるだけならまだしも下手したら蒸気爆発まで起こすという有り難く無い物だったみたいでした
16. 匿名処理班
自転車こぎ人力発電は、第二次大戦でもありました。
ダミーは戦車、飛行機、大砲等々、今でもたくさんあります。
歩兵と自転車の組み合わせは、短時間に重装備をした歩兵を燃料なしに大量に移動できるので非常に有効です。狭い林道が入り組んだ北欧では特に便利な部隊だよ。
17. 匿名処理班
いや…マットレスは…
救命胴衣にはならんだろう…?
18. 匿名処理班
英国軍がない…だと!? !Σ( ̄□ ̄;)
19. 匿名処理班
皮肉にも戦争が科学や文明を発展させた
20. 匿名処理班
※1
ネタ戦車としてはロシアの巨大車輪戦車「レベデンコ」かな。
あとは軍艦みたいにいくつもの砲塔を搭載した多砲塔戦車も現代からすると珍妙だけど、当事はそれなりに目的があってその形になり、実戦での経験を元に改良されて現代の形に収まったね。
しかし戦車は高性能化の余波で一両に様々な役割を持たせようという事でまた多宝塔化し始めている。
際限ないよね。
21. 匿名処理班
※20
スターリンが思わず「君達は走る百貨店を作るつもりか?」と言ってしまったのも有りましたね(笑)
22. 匿名処理班
※18
彼らの活躍はまだこれからさ(笑)
鋼管とキャンバスの戦闘機で時速600キロ越えした変taiもとい変革を成し遂げた裏の駄…実験的開発の数々も、いずれ役に立つさ
L85A2だって銃剣鈍器として活躍したじゃないか(笑)
23. 匿名処理班
大型の軍艦になると起床ラッパなども艦内放送のマイクに向けて吹いていたそうです。