経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の教え

補正予算は3.3兆円

2015年12月06日 | 経済
 土曜の日経によれば、今回の補正予算の規模は3.3兆円に決したようだ。前回の補正が3.1兆円であったことからすれば、ほぼ同規模で、景気を維持する程度にとどまった。公債金の減額は4500億円で、前回の7600億円と比べ、緊縮度合いは、表面的には緩んでいるが、差額は日銀が引当金として溜め込むことになっているので、実質は変わらない。税収は1.9兆円の上方修正と、前回の1.7兆円よりは多かったものの、この程度では、前回同様、決算で更に2兆円を超える上ブレになろう。

 日本経済は、2012年1.7%、13年1.6%と順調に成長していたが、直近の2015年7-9月期の実質GDPは528.7兆円にとどまっている。これは、駆け込み需要前の2013年10-12月期の529.0兆円と大差なく、来週の2次速報でプラス成長になったとしても、これを超えるかどうかのレベルである。今年初めまでの緩やかな回復は、ショックからの戻りでしかなく、駆け込み前のレベルまで来たところで、ゼロ成長状態に移っている。

 10月の毎勤速報は、常用雇用の季節調整済指数の前月比が、8,9月の+0.1から、+0.2へと上向いた。これは、労調の結果と整合的である。他方、給与総額は3か月連続で同水準に足踏みし、総労働時間は底割れした。11月の消費動向調査でも、雇用は上向いている。アベノミクスは、遅行指標の雇用で何とか踏みとどまっており、ここがゼロ成長に落ちずに、緩やかでもプラスを保てるかが注目点である。

(図) 



(昨日の日経)
 パート就労拡大へ補助金、130万円の壁対策。補正予算3.3兆円・国債4500億円減額、税収1.9兆円上振れ。法人税は18年度に29.74%。消費者心理11月も改善。

(今日の日経)
 世界の工場の中国に陰り、コスト日本超す。軽減税率・加工食品も選択肢。
ジャンル:
経済
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 12/2の日経 | トップ |   
最近の画像もっと見る

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。