土曜の日経によれば、今回の補正予算の規模は3.3兆円に決したようだ。前回の補正が3.1兆円であったことからすれば、ほぼ同規模で、景気を維持する程度にとどまった。公債金の減額は4500億円で、前回の7600億円と比べ、緊縮度合いは、表面的には緩んでいるが、差額は日銀が引当金として溜め込むことになっているので、実質は変わらない。税収は1.9兆円の上方修正と、前回の1.7兆円よりは多かったものの、この程度では、前回同様、決算で更に2兆円を超える上ブレになろう。
日本経済は、2012年1.7%、13年1.6%と順調に成長していたが、直近の2015年7-9月期の実質GDPは528.7兆円にとどまっている。これは、駆け込み需要前の2013年10-12月期の529.0兆円と大差なく、来週の2次速報でプラス成長になったとしても、これを超えるかどうかのレベルである。今年初めまでの緩やかな回復は、ショックからの戻りでしかなく、駆け込み前のレベルまで来たところで、ゼロ成長状態に移っている。
10月の毎勤速報は、常用雇用の季節調整済指数の前月比が、8,9月の+0.1から、+0.2へと上向いた。これは、労調の結果と整合的である。他方、給与総額は3か月連続で同水準に足踏みし、総労働時間は底割れした。11月の消費動向調査でも、雇用は上向いている。アベノミクスは、遅行指標の雇用で何とか踏みとどまっており、ここがゼロ成長に落ちずに、緩やかでもプラスを保てるかが注目点である。
(図)
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(昨日の日経)
パート就労拡大へ補助金、130万円の壁対策。補正予算3.3兆円・国債4500億円減額、税収1.9兆円上振れ。法人税は18年度に29.74%。消費者心理11月も改善。
(今日の日経)
世界の工場の中国に陰り、コスト日本超す。軽減税率・加工食品も選択肢。
日本経済は、2012年1.7%、13年1.6%と順調に成長していたが、直近の2015年7-9月期の実質GDPは528.7兆円にとどまっている。これは、駆け込み需要前の2013年10-12月期の529.0兆円と大差なく、来週の2次速報でプラス成長になったとしても、これを超えるかどうかのレベルである。今年初めまでの緩やかな回復は、ショックからの戻りでしかなく、駆け込み前のレベルまで来たところで、ゼロ成長状態に移っている。
10月の毎勤速報は、常用雇用の季節調整済指数の前月比が、8,9月の+0.1から、+0.2へと上向いた。これは、労調の結果と整合的である。他方、給与総額は3か月連続で同水準に足踏みし、総労働時間は底割れした。11月の消費動向調査でも、雇用は上向いている。アベノミクスは、遅行指標の雇用で何とか踏みとどまっており、ここがゼロ成長に落ちずに、緩やかでもプラスを保てるかが注目点である。
(図)
(昨日の日経)
パート就労拡大へ補助金、130万円の壁対策。補正予算3.3兆円・国債4500億円減額、税収1.9兆円上振れ。法人税は18年度に29.74%。消費者心理11月も改善。
(今日の日経)
世界の工場の中国に陰り、コスト日本超す。軽減税率・加工食品も選択肢。