ふるさと再生 日本の昔ばなし 2015.12.06


腹減ったな。
はぁ…。
なんだ柿の種か。
これじゃ腹の足しにならんな。
あ?いただきます。
ちょっと待った。
やぁカニのおっかさんと坊や。
この柿の種とそのおにぎりを交換しないか〜?やだ。
よく聞きな。
おにぎりは食ってしまえばそれっきり。
この種をまけばあとでいっぱい柿がなるぜ。
腹いっぱい柿を食いたくねえか?食いたい。
本当かい?本当だとも桃栗3年柿8年。
柿は8年経たねえと実がならねえんだ。
ところがこの種はあっという間に実がなるんだ。
ほんとにほんとかい?ウソだと思うならやらねえよ。
俺が自分でまくから。
坊やおにぎりをサルどんにやりな。
やだよ。
柿食べたくないのかい?う〜。
たったひと粒の種から何百もの実がなるんだぜ。
俺くらい親切なやつはいないぞ。
じゃああばよ。
イヒヒヒ。
早速家へ帰って種をまくよ。
さぁ土をかけるよ。
早く芽が出ておくれ柿の種。
ハハ本気にしてやがる。
柿は8年かかるんだバカめ。
「早く芽を出せ柿の種」「出さぬと種をほじくるぞ」「早く木になれ柿の芽よ」「ならぬとその芽をちょん切るぞ」「早く花咲け柿の木よ」「咲かぬとその枝ちょん切るぞ」ウソだろ?「早く実がなれ柿の木よ」「ならぬとハサミでちょん切るぞ」
(2人)わ〜やったやった!信じられん。
こんなことならおにぎりと換えるんじゃなかった。
悔しい。
ん?待てよフフフフ。
早速もいで食べよう。
賛成。
あっ!せっかく実がなったのに木に登れないからとることができない。
柿が食べたいよ。
やっぱりな。
いっぱい実がなったな。
あっサルどん。
俺の言ったとおりだろこれから毎年なるんだぜ。
ほんとに感謝してます。
ところでサルどん頼みがあるんじゃが木に登って柿の実をとってきてくれんかね。
お礼はしますから。
いいともお安いご用だ。
うまい。
うんこいつはうめえたまらんぜ。
サルどんオラたちにも1つもいでおくれよ。
慌てちゃいけない。
俺が食い終わったらやるよ。
あ〜うまいうまい。
サルどん!それはオラが育てた柿だ。
自分だけ食っとらんでオラたちにもよこさんか。
フン握り飯1つとこの柿全部じゃ割りが合わん。
まずは俺が腹いっぱい食うてからじゃ。
いいからよこせと言うに。
そんなに食いてえか?当たり前だオラの柿だ。
じゃあとってやろうそらくらえ!ギャー!おっかあ。
しっかりしておっかあ。
うぅ…サルどんオラの柿を。
おっかあ…。
おのれサルのやつおっかあをこんな目にあわせるなんて許さないぞ懲らしめてやる。
サルのやつカニさんを騙してケガをさせたんだ。
やつはまた柿を食いに戻るに違えねえうすどんどうしよう?サルの非道を許すわけにはいかねえ。
ハチどん助っ人を集めてくれ。
合点だ!栗どんと牛のクソどんよく来てくれた。
サルのやつを懲らしめてやるんだ。
(3人)お〜!腹が減ったな。
カニのところの柿でも食いにいくとするか。
サルどん。
サルどん子ガニがキミを懲らしめるために山に向かったらしいぜ。
のんびりしてると見つかるぞ。
じゃあな。
出かけたってことは家は留守ってことだ。
こいつはいいや。
ほんと誰もいねえや。
うまそうな匂いだなどれどれ。
うわ〜アチチチ!あ〜!痛っ!あ〜!!うわ〜苦しい痛ぇ。
おっかあの敵だ思い知ったか。
うわ〜降参じゃ降参じゃ。
勘弁してくれ。
カニさんおっかさんを傷つけて悪かった勘弁してくれ。
お前はずる賢いから信用できん。
もう二度とここへは来ねえよ。
柿は全部もいでカニさんに渡すよ。
じゃあ。
サルどん。
これを。
サルどんこの種でお前さんも柿を育てたらいいよ。
毎年おいしい柿の実がなるぞ。
「早く芽を出せ柿の種」「出さぬと種をほじくるぞ」「早く芽を出せ柿の種」昔海を見下ろす山の中腹に訪ねる人もいない貧しい村がありました。
その頃森へ迷い込んだ旅人が森を抜けてこの村を通り過ぎると宿場町への近道になることを知りました。
旅人が多く行き交うようになると村ではお茶や食事履物を用意して商売を始めました。
こうして貧しかった村は旅人のおかげで少しずつ潤っていきました。
村中が喜ぶなかにただ一人年老いた村長だけは胸騒ぎがしていました。
そうした矢先。
うわ〜!旅人は谷川の淵から現れた化け物に肝をつぶしました。
地面に落ちたちょうちんが燃え上がると旅人の影を映しました。
その影を化け物がズズッと吸い取っていくのです。
次の日猟師の作治が淵を通りかかりその亡骸を見つけました。
不思議なことに体には目立った傷はなかったのですがよほど恐ろしいことがあったのか顔をゆがめたままこと切れていました。
亡骸をそのまま放っておくわけにはいかないと作治は担いで村まで下りました。
牛鬼の仕業じゃ。
その日を境に森の中で息絶える旅人が相次ぎました。
いつも同じ淵のそばで。
せっかく豊かになりかけた矢先の出来事に村の人たちは不安が募りました。
あの淵は牛鬼様といってわしの子供の頃には村の守り神だったのじゃ。
だがいつの頃からか人の命を奪う化け物になった。
その化け物を牛鬼と呼んで恐れとった。
村の守り神だった牛鬼がなぜ人を襲うようになっただ。
(作治)オラは知っとるぞ。
なぜ村の守り神が人を襲うようになったかを。
それはな長い間山への感謝を忘れたからじゃ。
あれほど豊かだった山も今は荒れ放題じゃ。
街道で旅の者が落とすわずかな小銭のために血道を上げてる。
嵐で山が崩れて沢をせき止めてもほったらかしじゃ。
はぁそうは言っても…。
しかたがねえ。
かといって化け物をほったらかすわけにはいかねえ。
オイラがこいつで仕留めてやるさ。
作治相手は化け物だぞ。
やるしかあんめえ。
わしの話を聞け。
その昔牛鬼に襲われ命からがら逃げ帰った者がいてな。
牛鬼とはどんなものか話を聞いたんじゃ出たな化け物。
その者は気が動転してな火が冷たい水が熱いとまったく逆のことを口走ったそうだ。
するとどうしたことか…作治の放った一発は闇を裂いて牛鬼に命中しましたが牛鬼はひるむことなく作治に襲いかかりました。
し…しまった!うっ。
牛鬼は道理に合わぬことを言われるとうろたえる。
逆の言葉を叫ぶんじゃ夜は明るく昼は暗い!山は低く谷は高い!その言葉に牛鬼はひるみました。
牛鬼は人の影を食うという。
牛鬼を倒すならその影を狙え作治は水面の影に向けて発砲しました。
(牛鬼)うぅ〜!すると牛鬼は断末魔の叫びを上げ口から鮮血をふき上げて淵に飛び込みました。
淵に沈んだ牛鬼の血が水面に浮かび上がり真っ赤に染まりました。
朝焼けが真っ赤に染まりまるで牛鬼の流した血の色のようでした。
作治が村に戻ると村長はじめ若い衆が作治の無事を喜びました。
その後多くの村人が山に感謝をし手入れを怠りませんでした。
村はますます潤いそのうち牛鬼の噂も聞かなくなったということです。
昔あるところに広い野っ原があった。
その真ん中に1本の古い松の木が立っていてこの松を境に北の村と南の村に分かれていた。
松の木の下では今日も両方の村の子供たちが集まって相撲の勝負を楽しんでいた。
これより決勝戦じゃ。
こなた北の太郎。
こなた南の太郎。
いざ勝負!この2人は同い年で力も互角。
いつも何かにつけ競い合っていた。
はっけよ〜いのこった!のこった!同体で引き分け。
(2人)なに〜!?オラの勝ちだ!違うお前が先に倒れた!お前が先だ!待て待て。
今日はもうおしまいにしよう。
日が暮れる勝負はまた明日じゃ。
こうして2人の勝負は毎日のように続いたがある日のこと。
(雷鳴)
(みんな)わぁ〜!嵐は三日三晩も続き老いた松はあっという間に砕け散ってしまった。
そしてすぐに日照りとともにひどい干ばつが何か月も続いた。
次の年には大雨や洪水が村を襲い村境の松をなくした原っぱは荒れ放題の荒野になった。
そして数年が過ぎた。
荒れたとはいえ耕せば村の暮らしの糧となる。
こうなると村境をめぐって面倒が起こる。
両方の庄屋が会って相談となった。
南の庄屋どんきっちり決めにゃならんがのう。
北の庄屋どん互いの村に不満があってはならんしのう。
(みんな)う〜ん。
庄屋様いい考えがあります。
ほう言うてみろ。
北の太郎と…。
えっ俺?南の太郎。
えっ俺?この2人は負けず嫌いで子供の頃からの競争相手です。
それはよう知っておるが。
相撲で決めるわけにはいかんぞ。
2人を馬に乗せ一番鶏が鳴くのを合図にそれぞれの村から駆け出して両方の馬が出会ったところそこを村の境とするのです。
(2人)よしそれがよかろう。
よし今こそはっきりと。
勝負をつけよう。
いよいよ決戦前夜。
どちらの太郎も庄屋の家に泊まり村一番の馬も与えられ励ましのご馳走も用意された。
北の庄屋では飲めや食べろやひと晩中ご馳走尽くし。
北の太郎よ今夜は朝までうんと食べさせてやる。
体力をつけて突っ走りこっちの土地を広げてこい。
こら寝てる暇はないぞ。
はっはい。
馬にもうんと食わせろ。
食えもっと食え。
一方南の庄屋では…。
ちょっと待て南の太郎。
あ〜まだご馳走が。
明日のために今夜はもう寝ろ。
残りは明日。
うんと走って少しでもこっちの土地を広げてくればたらふく食わせてやる。
馬も早く寝かせろ!
(いななき)こうして夜明けが近づき一番鶏が鳴くのに備えた。
ろくに寝ないで腹いっぱい食べた北の太郎も寝ぼけたまんま出発に備えた。
たらふく食ったんだ力いっぱいぶっ飛ばせ。
こちらは南の太郎。
たっぷり寝かせてやったんだ。
どこまでも走って土地をとってこい。
わかりました。
コケコッコー。
それ!行け!ど…どうした?あぁ腹が減ってもうダメ…あ〜。
あぁ腹ぺこで動けねえ。
あれ?ここはどこだ?寝ぼけたままとんでもない所に来てしまった。
(いびき)腹ぺこの南の太郎は必死に歩き出し北の太郎も寝ぼけながらも平野を目指した。
あっ!あれは北の太郎。
南の太郎。
北の太郎勝負だ!望むところだ南の太郎!負けるもんか…あ〜。
あ〜。
この土地は…。
オラのものだ。
(2人)勝負だ!2人は土の中で何かをつかんだ。
いざ勝負!
(声援)はっけよ〜いのこった!2人が見つけたのは相撲の軍配だった。
まさにここにあの村境の松があったのだ。
(2人)ハハハハここでよかったんだ。
(2人)また引き分けだなハハハハ。
2015/12/06(日) 09:00〜09:30
テレビ大阪1
ふるさと再生 日本の昔ばなし[字]

「さるかに」
「牛鬼」
「北方と南方の村ざかい」
の3本です。お楽しみに!!

詳細情報
番組内容
私たちの現在ある生活・文化は、昔から代々人々が築き上げてきたものの進化の上にあります。日本・ふるさと再生へ私たちが一歩を踏みだそうというこの時にこそ、日本を築いた原点に一度立ち返ってみることは、日本再生への新たなヒントになるのではないでしょうか。
この番組は、日本各地に伝わる民話、祭事の由来や、神話・伝説など、庶民の文化を底辺で支えてきたお話を楽しく伝えます。
語り手
 柄本明
 松金よね子
テーマ曲
『一人のキミが生まれたとさ』
 作詞・作曲:大倉智之(INSPi)
 編曲:吉田圭介(INSPi)、貞国公洋
 歌:中川翔子
 コーラス:INSPi(Sony Music Records)
監督・演出
【企画】沼田かずみ
【監修】中田実紀雄
【監督】鈴木卓夫
制作
【アニメーション制作】トマソン
ホームページ
http://ani.tv/mukashibanashi

ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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