トップページ科学・医療ニュース一覧COP21 合意文書草案まとまる 対立依然続く
ニュース詳細

COP21 合意文書草案まとまる 対立依然続く
12月6日 6時00分

COP21 合意文書草案まとまる 対立依然続く
k10010331401_201512060712_201512060714.mp4
フランスで開かれている地球温暖化対策の国連の会議、COP21で、5日、合意文書の草案を取りまとめた実務者レベルの作業部会が閉幕しました。温室効果ガスの削減目標や資金支援の在り方を巡って先進国と発展途上国の対立が続いていて、7日から始まる閣僚級の交渉で意見の隔たりを埋められるかが課題となります。
京都議定書に代わる2020年以降の新たな枠組みの合意を目指し、パリ近郊で開かれているCOP21で、実務者レベルの作業部会が5日、合意文書の草案を取りまとめて、閉幕しました。
作業部会では、温暖化対策の責任に先進国と途上国でどこまで差をもたせるかについて意見の隔たりは埋まらず、草案では多くの論点で双方の立場を反映した選択肢が残る形となりました。
最大の争点となっている温室効果ガスの削減目標の達成の義務づけを巡っては、すべての国に義務づける選択肢と、中国など一部の途上国が主張する先進国だけに義務づける選択肢、それに、いずれの国にも義務づけない選択肢などが残されました。
また、途上国への資金支援については、現在の年間1000億ドルの規模を上積みするという途上国が求める選択肢や、途上国でも資金支援ができる国は拠出するという先進国が求める選択肢の双方が盛り込まれました。
この草案は、議長を務めるフランスのファビウス外相に引き継がれ、7日から始まる閣僚級の交渉で、合意に向けて双方の意見の隔たりを埋められるかが課題となります。

途上国から合意に課題残るとの声

実務者レベルの作業部会の結果について、発展途上国からは、合意に向けて課題が残ったという声が聞かれました。
発展途上国グループの代表を務める南アフリカの交渉官は「合意文書の草案には、途上国と先進国で意見の異なる点がすべて選択肢として残されてしまっている。特に途上国が行う温暖化対策への資金と技術の支援や被害に対する補償については全然決まっておらず、まだまだ作業が必要だ」と話していました。
また、海面上昇の被害に直面する南太平洋の島国、ツバルの代表は「一定の前進はあったが、重大なポイントがまだ解決していない。特にわれわれが重視している温暖化による被害の補償と支援が盛り込まれないかぎり、合意はありえない」と話していました。
一方で、今後に楽観的な見通しを示す国もあり、インドの代表は「合意文書の草案は各国の主張が盛り込まれたよいものになった。詰めの協議は必要だが、野心的な合意の取りまとめができると期待している」と述べました。
また、中央アフリカの代表も「来週からの閣僚レベルの会合で交渉を前に進め、合意できると信じている」と話していました。

日本の交渉官「難問積み残しに」

実務者レベルの作業部会の結果について、交渉を担当した外務省の水越英明参事官は、「先進国と発展途上国で温暖化対策を行う役割の違いをどう規定するかや、資金支援などで対立が根強く、難しい問題が積み残しになった。互いに譲りあって解決する状況にはならなかった」と述べ、実務者レベルでこれ以上の妥協点を見いだすのは難しいという認識を示しました。
そのうえで、7日から始まる閣僚級会合に向けて、「各国とも温室効果ガスの削減目標を提出しているうえ、交渉官がここまで頑張ってきたので、それがむだにならないように成果を出したい。難しい交渉だが、合意はぜひ実現しなければならない」と述べました。

丸川環境相「時間かかる厳しい交渉に」

7日から始まる閣僚級会合に参加する丸川環境大臣は、5日、フランスのパリに到着し、記者団の取材に応じました。
この中で丸川大臣は、今後の交渉について「資金支援の問題など、かなり大きい問題が閣僚級の会合にそのまま引き継がれる形になっている。かなり時間がかかる厳しい交渉になる」と見通しを示しました。
そのうえで「合意をまとめるという強い意志は共有されているので、ぎりぎりまで互いにのめるところを探りたい」と抱負を述べました。
丸川大臣は、6日に国連のパン・ギムン(潘基文)事務総長や中国の解振華特別代表と会談し、7日からは政府代表団のトップとして、最終日まで交渉に臨みます。

関連ニュース

k10010331401000.html

関連ニュース[自動検索]

このページの先頭へ