(テーマ音楽)
青く静かな水面を包む緑豊かな森
秋が深まるにつれ色鮮やかに姿を変えます
青森と秋田にまたがる十和田湖。
周囲は46キロ。
太古の昔火山の噴火で出来たカルデラ湖です
紅葉の名所として知られ10月になると全国各地から観光客が訪れます
今日は一番いい時に来ましたね。
黄色とか赤とかいろんな色の紅葉が盛りだ。
カエデやミズナラなどさまざまな木々があでやかです
どちらからおいでになった…。
京都からですね。
どうですかこちらの紅葉はまた京都とは違う…。
また違いますけどねやっぱいいですよね自然はね。
ナナカマドとかがすごくきれいで。
すごく何かもう色がきれいで何か感動しちゃいました。
あなたはどうだった?葉っぱとか。
きれいだったから学校のみんなにも教えたいです。
そうね〜。
湖を囲むように色づいた木々
十和田湖では大小さまざまな遊覧船に乗ってこの風景を楽しむ事ができます
私も船の上から紅葉を見る事にしました
(中村)ライフジャケットをつけて頂けますか?はい。
ライフジャケットね。
(中村)ではあの先端まで行くコースをですね走ります。
遊覧船の船長…
中村さんは地元十和田市の出身。
18年前から十和田湖の取って置きの風景を案内しています
向かったのは小型船だからこそ近づける岸辺
(中村)どうですか紅葉ね。
きれいですね〜見事。
湖の際ギリギリまで紅葉が来てるんですね。
20種類を超える木々が織り成す紅葉です
湖の水にもやっぱり紅葉の赤い色が映るからなおさら華やかですね。
(中村)赤・黄・緑がですねその場所によって全部違います。
これが十和田湖の良さじゃないですか。
きれいだね。
うん。
松の木が生える大きな岩。
その周りにも赤く色づいたカエデやアカシデが見られます
船に乗る事20分。
中村さんおすすめの場所に着きました
中村さんエンジンを止めます
鳥の鳴き声木々がそよぐ音に耳を澄ましながら紅葉を楽しんでほしいからです
(中村)この入り江だけは別の世界ですね。
エンジン止めてジーッとしてると何か自然に溶け込んでしまうっていうか。
いい眺めですよ。
この静けさがいいんですよねぇ。
長い事十和田湖におってもですねこの眺めだけは最高じゃないですか。
はい奥様お手をどうぞ。
男性はそのまま。
はいお手を…ああ駄目?
ふるさとの紅葉を見てほしい。
中村さんはその思いで船を走らせます
十和田湖から流れ出す川沿いでは趣の違う紅葉を楽しむ事ができます
深い森に覆われた…
色づいた木々の下にはいくつもの滝や清らかなせせらぎが流れていました
自然に包まれ川のほとりを散策したり写真を撮ったり
キャンバスに向かっていたこの男性。
紅葉の奥入瀬渓流を描くようになって40年以上になるといいます
ふだん描いてる緑よりまたガラッと変わって別な世界になるね。
うん別な風景になるね。
下の方もやっぱり落ち葉のじゅうたんみたいになるから。
紅葉と清流が織り成す風景は人々を引き付けてやみません
湖畔を歩いていると観光客でにぎわう場所がありました
ヒメマス売ってる。
こんにちは。
こっちがヒメマスですか?こちらヒメマスですよはい。
柔らかくてとってもおいしいんですよ。
じゃあまず背中から。
ほんとだ柔らかい。
十和田湖名物のヒメマスです。
しっとりとほぐれるような食感でした
この時期ヒメマスが多く姿を現す場所があると聞き見に行く事にしました
あれ魚がたくさんいる。
みんなヒメマスですよね。
全部同じ方向向いて何してるのかな。
岸の近くにヒメマスが集まっていました
道を挟んで見えるのは湖とつながった水路
ヒメマスがいました。
湖からここまでのぼってきたのです
水の流れに逆らいながら産卵のため遡上するヒメマス
流れをたどるとふ化場がありました
こんにちは。
はいこんにちは。
お邪魔していいですか。
あどうぞ。
ヒメマスの稚魚を育てるふ化場の責任者…
オスのヒメマスの背中繁殖の時期を迎え赤く色づいていました
何か紅葉みたいですね。
(荻沢)そうです紅葉みたいです。
荻沢さんは毎年遡上してきたヒメマスから卵をとってふ化させ稚魚を十和田湖に放流しています
湖で育ったヒメマスは3年後の秋産卵のため生まれ育ったこのふ化場に戻ってくるのです
十和田湖の暮らしを支えるヒメマス。
しかし火山の噴火でできたこの湖にもともと魚はすんでいませんでした
十和田湖で魚の養殖が始まったのは明治の中頃。
湖畔にあった鉱山で働く労働者の食料を確保するためでした
コイやフナイワナなど。
20年にわたる試行錯誤の末ついに養殖に成功したのが北海道から持ち込んだヒメマスでした
以来100年以上にわたってヒメマスの養殖を続けてきたのです
放流する稚魚は毎年およそ70万匹に上ります
予定どおりの70万放流する時はやっぱりよかったなと。
これで肩の荷が下りるという感じですね。
漁師さんたちが「今日はとれた」って喜んで沖から帰ってくる顔を見ればよかったなと思いますね。
ほんとに喜んで帰ってきますよ。
「とれた」と。
荻沢さんは9年前から地元の子供たちに長年暮らしを支えてきたヒメマスについて教えています
(荻沢)これオスメス分けろ。
(子供たち)わぁ〜!
この日やって来たのは十和田湖小学校の子供たち7人です
ヒメマスの卵をとり受精させるまでを体験しました
学校で卵をかえして育て来年の春十和田湖に放流する事にしています
去年もヒメマスを育てたけどたくさん卵が生まれた直前に死んでしまったので今年はあまり死なないように大事に世話をしたいです。
十和田湖に生まれたもんですから何かしら地元の事を教えてあげたいなと。
どこでもできない事だと思うんですよね。
ヒメマス採卵とか育てるとかっていう事が。
未来につなげればなって思いますね。
地元の人たちが守り継ぐ湖の恵みです
観光地・十和田湖を支える人たちが暮らす集落があります
100人余りが住む…
一足早く冬支度が始まっていました
畑仕事やってらっしゃるんだ。
こんにちは。
あこんにちは〜。
ゴボウもキャベツもハクサイもネギもダイコンも何でもある。
うわぁ〜。
冬の保存食。
冬の保存食。
林業や農業などで暮らしを立ててきた宇樽部地区。
昭和30年代十和田湖の自然が脚光を浴びるようになると観光の仕事に就く人が増えました。
武志さんは遊覧船で千代野さんは観光客相手の食堂で長年働いてきました
紅葉でにぎわう秋は一番のかき入れ時。
忙しい仕事の合間を縫って冬支度に精を出します
動ける秋のうちにいっぱいいろんな事をやっとかないといけないんですね。
そうそう。
秋のうちに冬支度して冬眠さ入るもんだから。
冬眠?ハハッ!冬眠ね。
熊と同じ。
ハハハハッ!
紅葉の季節が終わると雪に閉ざされる十和田湖畔。
食料の確保も欠かせません
倉庫の下にある1坪ほどの地下室
土の中には収穫したばかりのダイコン
ニンジンやジャガイモなどひと冬ぶんの野菜が埋められていました
土をかぶせる事で新鮮な状態を保つ事ができるのです
この時期大切な仕事がもう一つ
ヒメマスの塩漬けです。
漁に出られない冬でも魚を食べられるよう養殖が始まった100年前から続けられています
(千代野)買い出しに行くにも遠いから。
何でも塩漬けしてんだよキノコでも何でも。
保存用。
山菜なんかも。
冬の足音が近づいた11月中旬
ひと月前に塩漬けしたヒメマスです
(武志)いい魚だなあ!
(千代野)いい魚。
適度に水分が抜け食べ頃になっていました
湖畔の暮らしを支え続けた恵みです
いつ食べてもおいしいな。
フフフッ。
フフフッ。
大きいのまたおいしいじゃ。
春から働いてよで今秋まで働いてなけがもない病気もしないでな今年一年暮らせたなぁと思うのが喜びだな。
錦秋に水面輝いて。
(テーマ音楽)2015/12/05(土) 05:15〜05:40
NHK総合1・神戸
小さな旅「水面(みなも)は錦秋に彩られ〜十和田湖〜」[字]
青森と秋田の県境にある十和田湖。紅葉の絶景を求める観光客でにぎわう。土地の人々は湖の周辺を切り開き守り継いできた。秋の恵みを蓄え、冬に備える湖畔の暮らしを訪ねる
詳細情報
番組内容
青森と秋田の県境にある十和田湖。紅葉の絶景を求める大勢の観光客でにぎわいます。湖畔で観光客が舌鼓を打つのは、名産のヒメマスです。放流されたヒメマスは、秋になると、産卵のため、生まれ故郷の養殖場へ遡上してきます。紅葉とともにやってくるのは冬の足音。地元の人たちは野菜やヒメマス、きのこなど、秋の恵みを蓄え、冬に備えます。山奥の湖を切り開き、守り継いできた湖畔の人々の、晩秋の暮らしを訪ねる旅です。
出演者
【語り】山田敦子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
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