課外授業 ようこそ先輩〜センセイの頭の中〜▽動画クリエイター マックスむらい 2015.12.04


20年前彼はこの町を世界ととても遠いと感じていた。
(一同)54321スタート!20万人が集まる世界最大級のゲームイベント。
ここでひときわ注目を集める人。
インターネット動画の世界で活躍するマックスむらいさんです。
ありがとう!2年前にネット動画でゲーム実況を始めるとその名は瞬く間に広がりました。
すげえ。
これまでネットに公開した動画は約1万3,000本。
動画の再生回数はなんと19億9,000万回を超えています。
競争が厳しいネットの世界。
その中でむらいさんは毎月200本近くの動画を送り出し続けています。
それ以外に生出演が週に3〜4本。
(拍手)インターネットに触れる事が多いゲーム好きの若い世代にとってむらいさんはアイドル?
(拍手と歓声)そんなむらいさんとの初顔合わせ。
ネットの世界の人気者の頭の中は…。
(聞き手)早速なんですがむらいさんに授業を考えて頂きたいなと。
なるほど。
はい。
思ってます。
授業か…。
何ですかね〜。
むらいさんだから。
う〜ん…。
何にムカついてたんですか?ムカついてましたよ。
ずっと思ってましたよ。
都会への強い憧れを抱いて過ごした故郷。
石川県穴水町。
能登半島の最北部奥能登に位置するおよそ9,000人の町です。
過疎の波が押し寄せるこの町で過ごした小学生時代。
同級生は僅か8人。
テレビに映る東京は別世界だと思っていました。
私はね小学校6年生ぐらいであればね何にも話もしなくてオッケーで何にも説教とかもしなくてオッケーで何の説明もいらずに「ここが東京だよ。
すごいきれいな街だろ」とか言いながら…何なんだろうな…。
打ち合わせの大半は故郷の話。
授業案は一度預ける事にしました。
むらいさんは今東京で何を思い仕事をしているのでしょう?ふだんの仕事ぶりを見せてもらいました。
いまだにですけど新宿で働いたりとかしてたまに顔をこう上げてこのビル群とか見るじゃないですか。
むらいさんはネット動画で広告収入を得る会社を経営しています。
この日撮らなければならない動画は8本。
撮影場所はいつもオフィスの端のむらいさんのデスクです。
紂王の妃妲己。
ゲームの実況をはじめラジオ感覚で作られるゆる〜い動画が人気を得ています。
東京に出て15年。
むらいさんはインターネットの世界で常に新しい事を探し続けてきました。
夜遅くまで続くスタッフとの打ち合わせ。
むらいさんから授業のアイデアが出てきました。
私が動画とかを使って世界に対してコンテンツを何らか出してそれの結果つながったりとかいろんな出会いがあって……っていう方が私は重要だと思うから。
ネットで自分が感じた衝撃を子どもたちに体験してもらいたい。
私が穴水にいた時は…もしかしたら…7年前に開校した穴水町立向洋小学校。
全校生徒64人。
むらいさんが卒業した小学校を含む4つの学校が統合され出来ました。
こんにちは〜っす。
こんにちは。
こんちは〜。
えっ!校長先生って野畑先生なんですか!?そうです。
大変お久しぶりでございます。
私の小学校何年生の時ですか?
(野畑)5年6年。
…の担任の先生ですよ。
超びっくりした!えっ恥ずかしい!何ですか?それ。
卒業文集。
ほらほらこれ。
うわっ!今と似たような事言ってる。
「将来のゆめたくさんもうけて海外旅行に行きたい」って書いてある。
「たくさんもうけて」とか書いてある。
すごいな。
さあ授業が始まります。
おはようございま〜す!
(一同)おはようございます!あっさり普通に来た。
あっさり普通に来た?扉を開けたら黒板消しぐらいがドンと落ちてきた方がよかった?まずは自己紹介から。
今マックスむらいという名前でインターネットを中心に会社をやったりとか動画を撮ったりとかしている者です。
むらいさん子どもたちに聞いてみたい事がありました。
将来君たちでっかくなった時東京なり大阪なり都会に行きたいと思うかそれとも地元がいいと思うかって言ったらどれぐらいの人がどう思ってるんだろうか。
手を挙げてもらっていいですか?お〜。
金沢も大都会だよ。
じゃあ何人かに聞いてみようかな。
将来都会に行きたいと思った理由みたいなもの聞いてみるかな。
じゃあマナちゃんは?すっごい気持ち分かる。
私が東京に行きたいって当時思ってた理由も全くそれでしたね。
生徒の思いを聞いたむらいさん。
ここで授業内容を発表します。
みんなと一緒にこの2日間かけて…え?マジかよ。
動画を作りむらいさんのネットのチャンネルで公開するというのです。
9,000…。
9,000もおる?じゃあ大体9,000人…ぐらい。
だから目標は1万回見てもらうって事かな。
その4〜5時間で。
(笑い声)そういうものをこの2日間かけて体験してもらおうかなと。
果たして自分たちが作る動画にどれぐらい反響があるでしょう?むらいさんは早速子どもたちを集め撮りたいものを聞いていきます。
じゃ君。
タツヤ君。
イシイタツヤ君だったかな?
(笑い声)クロダタツヤ君だね。
え〜っと黒板に絵描いてまた消して描いてって動くようにしていく。
シェイクスピアの劇の一番有名な所を切り取る。
これ?ケイメイ君。
バスケでまぐれシュートを打つ。
たくさんのアイデアをどうまとめるか。
先生の腕の見せどころ。
どうしたもんかな〜。
難しいな〜。
一個一個結構面白そうなやつ多いよね。
どうぞナルセ君!ナルセちゃん。
いいと思う。
ナルセさんのアイデアでテーマが決まりました。
みんなの特技を盛り込んで学校を紹介しようというのです。
本日こちら動画撮って進んでいく訳ですけれども撮るのはこういうカメラではないです。
(一同)スマホ?これで撮ります。
私のスマホで撮ります。
ちょっと持ってもらっていい?どんな映像が撮れるのか。
子どもにカメラを持たせてみます。
今私が撮ってた映像がどうなったかというとこうなった。
撮影した動画を早回し。
コミカルに見せるテクニックです。
もう一回いくよ。
もう一回いくよ。
なんとか面白くなるかな?イメージが膨らみます。
まずは校門前でオープニングの挨拶から。
誰かオープニングのシーンカメラやりたい人。
立候補。
おっやる?撮影も子どもたちが担当します。
初めてスマートフォンで撮影するエイジ君。
カメラがブレないように手首を固定。
一方教室ではむらいさんに見せてもらったイメージを基に子どもたちが作業を進めています。
絵の得意な子どもたちは黒板に穴水自慢のものを描くというのですが…。
あっあった〜!「ピンク大好きエンドウ」って何の事?カメラがセットされて撮影が始まりました。
一体どんな絵が完成するのでしょう。
体育館ではバスケが得意なケイメイ君が一人まぐれシュートの練習をしています。
こちらはシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を演じる2人。
私後ろ向いとればいいが?ジュリエット!なかなかの演技ですがまだ少してれがあります。
大丈夫?いける?はい。
さて本番が始まります。
今回私は母校であります穴水町立向洋小学校にやって来ております!本日は向洋小学校の6年生と一緒に穴水小学校を紹介したいと思います。
よろしくお願いします。
(2人)こんにちは。
向洋小学校6年生です。
よろしくお願いします。
緊張してんじゃねえよ!硬い!硬いよ!オープニングシーンが終わり教室に移動します。
オッケー!
(拍手)バッチリ!お疲れさま。
黒板に絵を描くシーンです。
子どもたちは黒板いっぱいに穴水町を紹介する絵を描いていました。
名物の牡蠣能登ワインそして…。
あの「エンドウ」とは町の誇り遠藤関でした。
ロミオ!ロミオおいで。
次はシェイクスピアの劇。
練習の成果は果たして…。
ジュリエット!ジュリエットあっちあっちあっち。
ジュリエットあっち。
は〜いみんなお待たせ〜!じゃあもう最後いきます!動画のエンディングはまぐれシュートが決まるシーン。
練習を重ねたとはいえこんな距離からではなかなか決まりません。
ケイメイちょっと疲れちゃった?手。
いや大丈夫です。
大丈夫?クラスのみんなも見守ります。
そして4投目…。
入った!イエ〜イ!生徒の頑張りにむらいさん大喜び!もっと来いよ〜!
(一同)イエ〜イ!結構早く決めたな。
やるじゃねえか!お前。
1日目の授業はここで終了。
放課後むらいさんはある場所を訪ねました。
来ましたね。
むらいさんが卒業した岩車小学校。
15年前に統合されてしまいましたが校舎は今も残っていました。
当時の全校生徒は僅か30人。
掲示板とか名残あるじゃないですか。
体育委員会とか図書委員会。
ここはむらいさんが過ごしていた教室。
生徒の数が少なく一つの教室を二学年が使用していました。
「さあ行くぞ〜」っつって。
すごいな本当に。
懐かしい思い出が詰まった校舎。
さまざまな思いがよみがえる場所。
言い方非常に悪いですけど何やっても響かない町でもあるんで。
逆に何やっても特段誰からも注目も浴びない町なので。
もどかしい思い。
むらいさんは高校を卒業すると同時にこの町を飛び出しました。
そして出会ったのがインターネットの世界でした。
今私が動画がらみのところにどっぷりつかってる理由っていうのが…1秒2秒それこそ0コンマ何秒で…知らない人たちですよ。
自分が会った事すらもないようなどこに住んでるかも何歳かも性別すらも分からないような知らない人たちに何か意見100件でも200件でももらえたら幸せですね。
子どもたちにとっても。
20年前世界はとても遠かった。
でも今は世界がすぐそばにある事を伝えたい。
おはようございます。
(一同)おはようございます。
おはようございま〜す!
(一同)おはようございます!昨日撮った動画が完成しました。
あの完成した動画を公開します。
子どもたちは動画の概要欄に言葉を添えました。
企画カメラ出演向洋小学校6年生のみんな。
緊張しながらオープニングの挨拶をした子黒板に絵を描いた子みんなの共同作業を一つの形に。
思いを乗せて公開します。
じゃあいきますよ。
321はい。
(一同)あ〜!「あ〜!」って。
ハハハハハッ。
世界中で見られる動画が今公開されました。
皆さんこんにちは!今回私はですね母校であります穴水町立向洋小学校にやって来ております。
(2人)こんにちは。
向洋小学校6年生です。
よろしくお願いします。
緊張してんじゃねえよ!硬い!硬いよ!次は黒板に絵を描くシーンです。
こんな映像が出来上がりました。
穴水の町を表現したイラストいかがでしたでしょうか?次はシェイクスピアです。
どうぞ。
「ああ…なぜあなたはロミオなの?私はあなたを愛しているのですからあなたがどう呼ばれようと構わないのよ。
ああロミオ…」。
「ジュリエット!」。
足…足つった!ハハハッ!彼女超いい演技だった!最高!最後はまぐれシュート。
(一同)イエ〜イ!321!せ〜の!
(一同)向洋小学校最高〜!今世界のどこで誰が見てくれているんだろう?リアクションが届き始めました。
見てこれ。
12秒前だよ。
12秒前だよ。
距離を超え瞬時に届く誰かの反応。
おっ!「企画からカメラ出演とがんばった生徒さんたちに拍手!」。
(拍手)すごい褒められてる。
「普通緊張してるのは酷くて見れないけど緊張してる子どもたちはかわいい!」。
君たちみたいな子たちが要するにふだんカメラを前に何かをするって事をやっていない子たち緊張しながらもああやって一所懸命やる姿ってのはやっぱり感動するよね。
ふだん触れる事のない発見や驚き。
「ナイスビデオ」。
いいね〜褒められてるよ。
あっ「おもしろかった。
子どもたちにとってよい思い出だね」。
思い出だねって。
ハッ!「概要欄見て感動した」って。
みんなからのコメントだよ。
感動した。
きっと感動するんだよ。
この世界の誰かが見てくれているという実感。
おっ!「シェイクスピアの台本。
カメラも生徒だと思わなかった」。
きっとこれはびっくりしてると思う。
なぜかというとうまかったから。
はい。
「ほっこりやなあ」。
いいね〜。
きっと穴水らしさというかこの土地のその空気感すごい何か…いい場所じゃない?ここ。
このほっこり感もねいい場所なんだよ。
子どもたちの努力をたたえるコメントが数多く届きました。
動画公開からおよそ3時間。
みんな何人ぐらいの人が見てくれたと思う?1,000超えるか超えないかぐらい?みんな控えめだね。
目標は1万回だったけど…。
ジャン!なんと…。
(拍手)1万8,000回はすごいよ!じゃあみんなこのコメントとか見た上でちょっと感想とかももらってみようかな。
ハハハッよかった。
(拍手)また自分で動画を撮れれば撮ってみるのも楽しいかなと思いました。
今子どもたちはこの町にいながら広い世界の入り口に立っている。
使った道具はこれとパソコンだけ。
結構ね大人になっても社会に出ても実際に私と一緒に働いてる大人たちの話を聞いても何かをやる時に「○○がないからできない」。
「○○がないから俺は挑戦する資格もない」。
「○○がないから○○がないから」って言う人とかってのがすごく多いんだけれどもこんなにすごい結果が穴水町を2倍をも超えるような人たちに見てもらえて「こんなによかった!いい動画だ」っつって多分見た人ね穴水町すごい好きになってると思うんですよ。
向洋小学校もすごい好きになってると思うんですよ。
アイデアとかみんなのやる気次第企画力次第でできたっていう事は皆さん本当に誇りに思って下さい。
私の授業全て終わります!2日間ありがとうございました!
(一同)ありがとうございました!穴水町の子どもたち。
世界は君たちを待っているよ。
ふだん本当にカメラの前で何もしてない子たちがあれだけ真剣にやってあれだけいい絵になるんですよ。
すごかったと思いません?みんな。
じゃあ本当に2日間ありがとうございました!ハハハッ!2015/12/04(金) 19:25〜19:55
NHKEテレ1大阪
課外授業 ようこそ先輩〜センセイの頭の中〜▽動画クリエイター マックスむらい[解][字]

今回の先輩は、ネット動画クリエイターのマックスむらいさん。普段、むらいさんがやっている「動画を作りネットに公開する」ことを、子どもたちと一緒に体験します。

詳細情報
番組内容
ネット動画の世界で絶大な人気を誇る、マックスむらいさん。故郷は奥能登の穴水町。むらいさんは高校を卒業すると、この町から飛び出して都会に向かいました。そして、東京に出てインターネットの世界に出会い、そこで表現したものが、おおぜいの人から支持されるようになりました。番組では、2日間かけて子供たちとネット動画制作に取り組むむらいさんの姿を紹介。さらに、その動画は世界に向けて発信されます。
出演者
【出演】ネット動画クリエイター…マックスむらい,【語り】中村ゆり

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

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