いらっしゃいませ。
(従業員)いらっしゃいませ。
どうぞお2階でございます。
(早乙女麻雄)美沙ちゃん。
ちょっと作り方見させていただけるかしら?
(澤木美沙)いいわよどうぞ。
(遠山喜和子)早乙女さん。
あなた今日はお客様なのよ。
ちゃんと客席で待ってらっしゃい。
じゃのちほど。
オーブンの火はそのままにしてあるから。
(歓声)
(爆発音)
(杉内亮)ホトケさんはテレビとかで有名なパティシエの澤木美沙ですね。
(榊マリコ)女性の場合正しくは「パティシエール」。
(乾健児)その「パティシエール」って?ケーキなんかを作る職人よ。
やっぱり死因は爆発によるものか。
典型的な爆死所見ね。
解剖に回して。
はい。
お願いします。
(救急隊員)はい。
ここのタイル…そっちまで吹き飛んでますね。
爆風はこの方向に吹いたってことね。
その爆風の元は?出火点はこのガスオーブンですね。
これ…。
普通700度以上で4時間以上熱さないとこうはならないです。
出火して20分以内に消火したはずなんだけどな…。
つまりそれだけの火力がここへ集中したってことね。
なるほどオーブンか…。
やっぱりこれガス爆発による事故ですよね?
(杉内)何ですか?
(土門薫)いや…。
ホトケは即死か?そのようです。
もう1人は?さっき病院へ。
もう1人?この厨房にもう1人いたの?この店のオーナーで遠山喜和子という女性が。
その人は助かったの?はい。
ケガも軽くて意識もはっきりしてました。
(刑事)爆発音を聞いたのは一度だけだったんですか?ええ。
一度だけやったと思います。
(辻渉)毎年誕生パーティーには遠山先生自らケーキを焼くことに。
今年は美沙ちゃんもケーキを作ってるからみんな楽しみに待ってたのに…。
それがこんなことになるなんて…!
(寺原智則)じゃあケーキを焼くために被害者と遠山さんはオーブンを使おうとして…。
やっぱり事故ですね。
これは?ああ…。
それは遠山先生の宝物。
日本じゃ最高の賞よね。
ほう。
でも美沙ちゃんのに比べると…。
は?私お菓子の評論家をさせてもらってます早乙女といいます。
こちら出版社の辻ちゃん。
美沙ちゃん今度私と新しくレシピ集を出すことになってたのよね。
しかしその本も彼女が亡くなったんでは…。
おい辻ちゃん。
それどういうことなんだよ?まあその話は…。
(早乙女)話が違うじゃねえかよ。
状況が変わったんですよ…。
あのー!みなさん。
この額ずっとそこに飾ってありましたか?
(職員)遠山喜和子…。
(職員)あっ先ほど入院された?そうです。
会いたいんですが。
(職員)あの失礼ですが。
京都府警の榊マリコと申します。
あ刑事さんですか。
まあそんなもんです。
少々お待ちください。
おい嘘つき。
あ。
「あ」じゃない。
何してる?えーと…。
聞き込み。
勝手にすんな!
(喜和子)美沙は最近海外ですばらしい賞を取ってこれからっていうときだったのに。
すばらしい賞?ミラノコンクールっていうこの世界では最高の賞です。
ほーう。
来週の授賞式をとっても楽しみにしてました。
それであの…爆発のとき…。
ああ賞といえばこれ先生の店の客席に飾ってあったんですが。
10年前に私がいただいたものです。
ほう。
お客さんに聞いたんですが昨日まではこれ客席ではなくて厨房にあったとか。
ああ…。
なぜ今日突然厨房から客席に?今日は私の誕生パーティーですしお客様がいらっしゃるんで客席に移したんです。
しかし客席に客が来るのはなにも今日に限ったことじゃないでしょう?深く考えてしたことではないので。
あの…すみません。
爆発のとき先生と美沙さんはどのあたりに?美沙はガスオーブンの近くにいましたね。
では先生は?私は出入り口の近くに。
出入り口の近くですか。
ちょうどケーキができ上がったんでお客様にご挨拶に伺おうと思っていました。
ケーキができ上がった…。
オーブンが爆発したのはケーキを焼いている最中じゃなかったんですか?今回の爆発出火元はオーブン…なんですがね?美沙よ。
ちょうどあのときあの子オーブンでケーキを焼こうとしてましたから。
美沙さん…。
致命傷がない?うん。
筋肉にも骨にもない。
(寺原)それはつまりどういうことですか?爆発があったのはホンマに1回だけか?招待客の話では爆発音は1回だけだったと…。
普通1回の爆発で死亡すればその衝撃で最も損傷を受けたところ…。
つまり致命傷があるはずなの。
そのとおり。
その衝撃を受けたとこが数箇所に渡ってるわけや。
つまり…爆発は何度も起きたってことね?でも招待客の話では…。
もう少しだけご遺体に話を聞いてみましょうか。
心臓と肝臓から一酸化炭素ヘモグロビンが出ました。
(宮前守)あーやけどで死んだ人の典型的な所見だね。
さらに肺の組織が破壊され血液が溢れていました。
爆風の圧力による肺出血ですね。
あとほとんどの臓器に生活反応のある損傷が。
それってどういうことですか?似てるのよ。
以前手がけた「炭塵爆発」の鑑定結果に。
(小向光子)タンジン爆発?
(日野和正)それって炭鉱で起きる爆発事故だよね?そう。
トンネル内に充満した石炭の粉に何かしらの理由で火が点くと石炭という固体が気体になることで体積が一気に1000倍ほどに膨張する。
それが爆発って言われている現象なんだけどその爆発の周りにも石炭の粉があるとまたそれに次々に引火して連続爆発を繰り返す。
これが炭塵爆発。
それが一瞬のうちに起こるから爆発の音は一度きりでも結果的に何度も爆発したことになるの。
そう。
だから被害者も一瞬であちこちに衝撃を受けるんだね。
(寺原)その炭塵爆発があの厨房で起きたんですか?でもお菓子を作る場所で炭塵爆発なんてねえ。
お菓子ってね…実は爆発するのよ。
えっ?
(佐久間)入りたまえ。
失礼します。
(佐久間誠)用件はわかってるな?サロン・ド・テ・トーヤマの爆発案件ですか?その案件事故じゃないのか?捜査中です。
お前会ったろう?その店の女主人に。
被害者の関係者ですから。
科捜研の女技官まで連れてって。
連れて行ったわけではありません。
お前なあ…。
まあお前に言っても無駄だろうがな…。
ではもう出てってもよろしいですか?いや。
サロン・ド・テ・トーヤマってどういう店だか知ってるな?はい。
ケーキとかを食べるところでしょ?そう。
政財界の大物がよくそこで食べるんだよ。
ほう。
つまり遠山喜和子はその手の人脈と親交が深い。
おっしゃってる意味がよくわかりませんが。
だから無茶はするなって…。
無茶とは?お前がいつもやってるような捜査だよ。
一度お訊きしたいと思っていたんですが。
ん?なぜ俺を本部に戻してくれたんですか?なに?本部の検挙率を上げたいからじゃないんですか?お前ずいぶん自分を買いかぶってるな。
違いますか?ああ…。
まあそれもあるがな。
では検挙率を上げてきます。
おいくれぐれも十分に慎重に行動するように。
床の汚れなんか集めてどうするんだ?たぶんこれ砂糖よ。
歩いてみればわかるわ。
前に来たときには気がつかなかったな。
あのとき現場は消火したあとで濡れてたから。
しかし溶けた砂糖なんかどうするんだ?床も壁も砂糖でベタベタ。
いくら爆発があったからってこんなに飛び散る?あなたは何しに来たの?ここに飾ってあったのね。
遠山さんは知っていたのかもしれないな。
えっ?ここが爆発することを。
だからこの額を客席に…?かもしれん。
えっ?これを鑑定するの?お願いします。
今回事故じゃないの?でしょ?それをはっきりさせるために鑑定するの。
なんか土門さんみたいですね。
は?事故か事件かはっきりさせる為に捜査するんです。
あー彼もねほらひとりよがりなとこあるから。
あんなのと一緒にしないで。
乾君日野さん。
あ私?現場で焼け残ったこの中から何か発火装置になるようなものはないか探して。
日野さんもこの中から判読できそうな文字はないか探して。
喜んで。
やるしかなさそうですね。
マリコ君がこうなっちゃうとね。
辻さんにお会いしたいんですが。
(スタッフ)少々お待ちください。
(早乙女)どういうことよ!?辻ちゃんさぁ約束したじゃない!
(辻)しかし肝心の澤木美沙のレシピがないんじゃ…。
いやそれはさ…それは私のほうで何とかするから!
(辻)何とかするってどうすんのよ?だいたいあんたのやり方は強引すぎるってほうぼうで評判になってんだよ。
(早乙女)シーッ!とにかくさぁ辻ちゃん!本出さしてよ。
ね!頼むって!あのお取り込み中でしょうか。
やだっ!とにかく辻ちゃん…約束守ってくんなかったら許さないからね。
あごめんなさい。
早く行け。
えっ?あの評論家にぴったりくっついてろ。
あの人にですか?早く行けよ。
だったら先輩が…。
お前が好きだって。
行け仕事だ!でどうだった?発火物になるようなものはありませんでした。
そう。
じゃあこっちは?こっちは発火物じゃありませんから。
じゃあ何?何って…。
見るからに。
だめだめだめ!そんなんじゃ!これも全て鑑定してはっきりさせて。
これ全部?そうよ。
えーっ!やるしかないでしょやるしか。
ごくろうさま。
へいへい。
ほとんど炭になってて判読不能。
まあ何とかこれだけは読むことができたけどね。
Pow…。
これはgかしら。
ポウ…パウ?パウ…?…ガー。
現場にあったってことはお菓子作りに使うものですね。
それでパウではじまってガーがつくものでしょ?パウ…エル…?例の炭化物。
やっぱりほとんどが天然の砂糖だったよ。
コーンスターチ。
ああ。
それも結構な割合で含まれてたね。
えっ?コーンスターチってお菓子作りに使うんですか?使うよ。
トウモロコシが原料だしね。
厨房の床や壁を覆うほどの砂糖とコーンスターチ…。
この粉砂糖のメーカーすぐ調べて。
えっ?これ粉砂糖なんですか?まだわからない?あっ!
(日野・光子)パウダーシュガー!
(寺原)市販されている粉砂糖でコーンスターチを混ぜているのはこの製品だけでした。
これではっきりしたわ。
(喜和子)いい香りでしょ?ナイト・オブ・ベンガルっていってショコラにとってもよく合うのよ。
どう?おいしい。
ところで今日はどんなご用?今回の爆発は…。
この粉砂糖による粉塵爆発でした。
ああたしかに粉砂糖には爆発する危険性はあるわ。
パティシエなら常識ですよね。
美沙よ。
粉砂糖を使おうとしたのは。
あの子粉砂糖の袋を開けたままの状態でオーブンのそばに置いていたわ。
たぶんケーキを焼こうとしてオーブンを開けたときに…。
粉砂糖の袋が落ちて?でも彼女がそんなミス犯します?世界的な賞をもらうようなパティシエが。
そういうことを軽んじる子だったのよ。
まどちらにしても事故ってことね。
でもこの粉砂糖コーンスターチが入ってるんです。
だから?だから。
コーンスターチは粉砂糖よりも爆発の力が大きい。
先生ならご存じですよね?犯人がわざとこの商品を選んだとしたら殺人の可能性が出るんです。
犯人…それが私だと?いえそんなことは言っていません。
私は職業柄粉砂糖が爆発することは知ってるわ。
そしてその爆発した厨房にいたのは私と美沙だけ。
たしかにそうですね。
私が犯人だとしたらこんなケガする?自分を犯人に見せないためかもしれません。
私だって死んでたかもしれないじゃない。
科学者ならわかるわよね?粉砂糖もコーンスターチも必ず爆発するわけじゃないってこと。
ええ。
いろいろな条件によります。
私が彼女を殺す気だったらもっと安全で確実な方法を選ぶと思わない?あったとえば毒のあるハーブとか…。
パティシエにはその手の知識もあるのよ。
わざわざ不確実で危険な粉砂糖なんて使わないわ。
(土門美貴)持ってきましたよ。
家にあるやつ全部!美沙さんってそんなに本出してたんだ。
私なんかサイン会にも行ったくらいなんだから。
ほら!よっぽど好きなのね。
なのに残念だなー…。
彼女のケーキって簡単ですっごくおいしいんですよ!簡単なの。
うん。
調理時間も短いしそういうのって女には嬉しくないですか?作りたいって思ったときが食べたいときでしょ?まあね。
あっそれはね私がこの前録画したやつ。
ちょっと見てみます?「薄力粉ココアベーキングパウダー」「こういった粉類はまとめてふるっちゃいましょう」「今回もお砂糖は一切使いません」えっ?砂糖は使わない?
(美貴)澤木美沙がミラノコンクールのパティスリー部門で金賞とったの知ってます?うん…何かすごい賞をとったって…。
そのときのケーキも砂糖を使わなかったんです。
こういう本も出してるくらい!「お砂糖だけじゃなくてバターも使わないとってもヘルシーな…」へえ…はちみつやオリゴ糖でお砂糖の代わりをするんだ。
うまいのかいそれで?賞をもらうくらいおいしいんです。
でも最近は本当にお砂糖を使ってなかったみたいね。
なのに爆発の日は粉砂糖を使おうとした。
遠山先生はそう言ってる。
所長粉塵爆発の実験をさせていただけませんか?ダメよそんなお金のかかること。
その実験で何がわかるの?ずっと不思議だったんです。
同じ爆発現場にいたのになぜ美沙さんは死亡して遠山先生は軽症ですんだのか。
まんじゅう!位置を確認して。
はい。
大丈夫です。
乾君。
はい。
この人形をここに置いて。
はい。
座ってる状態で。
はい。
こっちは準備できたよ。
はい。
こっちもオーケー!「それでは粉塵爆発による風圧とそれが人体に与える影響の実験を始めます」ガスオーブンの温度は?170度。
(寺原)180…。
200度。
オーブン開けて。
粉砂糖落として。
いっせーの…。
(日野)せっ!ヒッ!あら?ガスオーブン止めて。
(寺原)失敗ですか?まあ必ず爆発するわけじゃないしね。
もう一度やり直します。
よし。
みんな片付けて。
(研究員たち)はい。
(寺原)「ガスオーブン200度まで上がりました」「オーブン開けて」粉砂糖落として。
(寺原)また失敗ですか。
オーブンの火止めて。
はい。
あのー見てて思ったんだけど理論上粉砂糖が直接火種と接触しない限り粉塵爆発は起きないんじゃないかな。
俺もそう思います。
オーブンのふたをただ開けただけじゃね。
でも遠山先生の供述どおりなんですけど…。
粉砂糖を直接オーブンに投げ入れてみましょう。
えっそれじゃ条件が違ってきますよ。
でも爆風が人体に与える影響を調べるんだから爆発させないと意味ないし。
オッケー?大丈夫。
ありがと。
いいんじゃなーい。
じゃあ行くわね。
また来るわ。
はいありがとうございます。
またお待ちしております。
じゃあね。
偉い。
よく声を上げなかったな。
上げたらどうするんすか。
尾行の対象にばれるな。
ばれたらどうするんすかもう!ばれたら「愛しているからつけました」と言えばいい。
はい!?お前なら許される。
そのあとどうすんすかそのあと。
見失うぞ。
ガスオーブンの温度は?
(寺原)200度。
オーブン開けて。
粉砂糖投げ入れて。
粉砂糖投げ入れて。
(爆発音)
(寺原)はー似てますね現場と。
でも…オーブンを開けた美沙さんが粉砂糖の袋を投げ込むはずはないわね。
(寺原)えっじゃあやっぱり投げ込んだのは遠山先生?投げ入れてすぐ爆発してるのよ。
軽症ですむはずないですしね。
遠くから粉砂糖の袋をオーブンに投げ入れたとか!そこまでコントロール力ねえだろ。
無理よ。
オーブンの前には美沙さんがいたんだから。
かなり飛ばされたわね。
(寺原)死体があった場所もだいたいこの辺でした。
(乾)うわボロッボロだな…。
えーとこの人形の受けた風圧は211.4キロパスカルか。
十分に肺出血で死にいたる風圧だわ。
(乾)こっちの人形かなりひどいですよ。
ほら。
出入り口にいても死んでいたってことね。
(喜和子)私は出入り口の近くに。
(日野)あちょっと。
こっちの人形無傷に近いよ。
でも私が犯人ならこんなケガをする?やっぱり…。
えっ?やっぱりって?遠山先生は出入り口じゃなくここにいたの。
だから爆風の流れからそれて軽いケガですんだんだわ。
でも無理ですよ。
爆発の瞬間そこへ逃げ込むなんて。
そんなひま絶対にない。
(寺原)絶対ない!知ってたのよ彼女は。
美沙さんがオーブンを開けることも粉砂糖が舞うことも。
だから爆発前にここに隠れることができた。
ここ死んだ澤木美沙のマンションですよ。
わかってるよ。
・
(ガラスの割れる音)住居進入の現行犯だよ。
器物損壊罪も付きますよ。
何を盗もうとした?私はただ知りたかっただけよ。
何を!?だからぁ…あのケーキのレシピのことよ!「あのケーキ」?なんだあのケーキって。
だから美沙ちゃんが遠山先生のバースデーパーティーのときに作ろうとしたケーキのレシピのことよ!美沙ちゃんはねここぞってときにケーキを作る前よく私に試食させたのよ。
それで今度も私の家に同じケーキを持ってきてくれたの。
人の誕生日にケーキ焼くだけでわざわざ試食か。
やめてよ…。
遠山先生のパーティーだからよ。
ま自分のこと自分のケーキのこと認めてほしかったんじゃないの?きっと。
お前そのケーキ食べたのか?あんなケーキ食べたことなかったわ。
だからどうしてもあのレシピがほしかったのよ。
だからって盗みに入るか?普通。
天才パティシエが最後に残したケーキよ!誰だって…。
この世界にいる人間だったら誰だってあのケーキの作り方を知りたいと思うわ。
たとえ盗んででも。
きれいごとぬかすなー!レシピ盗んで本出して金儲けしたかっただけだろう!違うか!?じゃあそれがこのケーキ。
うん。
早乙女っていう評論家が残していた。
どれちょっと味見。
(寺原)あっダメですよもう!あっそ…。
でもなんで今までとっといたんですかね。
レシピがわかるまで残りを食べる気にはなれなかったとさ。
うーんよくわからない世界ですね。
おい。
このケーキ砂糖が使われているかどうか調べてくれ。
早速鑑定してみる。
とんでもないものが見つかりました。
何の話?何の話って…。
これ全部調べろって榊さんが言ったんじゃないですか。
ああ言ったっけ?言ったっけって…。
何が見つかったんだ。
このオーブンのトレーから…。
(宮前)たぶん人間の皮膚が。
人間の皮膚!?被害者のかしら。
しかも砂糖とコーンスターチの成分にまみれていた。
砂糖とコーンスターチに?もしこれが人の皮膚なら君の専門でしょ?それじゃ所長このケーキの鑑定のほうお願いします。
はい。
…えっまた!?飲まないでね。
飲みませんよ。
・
(寺原)みなさーん!お夜食買ってきましたよ。
(宮前)ああありがとう。
おはよう。
(日野)おはよう。
やだーみんなまた徹夜?おはよう。
これ鑑定してて…。
何これ。
人間の皮膚。
イヤーッ!人間の皮膚じゃなかったわ。
えっ?たしかに成分はよく似てるけど…。
ここからバチルスサブチルスが検出されたわ。
えっ…バ…バツ…何ですか?ああバチルス菌の一種だね。
(寺原)それはどういう菌なんですか?飼料添加物によく使われたりするね。
飼料添加物?牛とか豚とか家畜の餌に混ぜるやつ。
この菌は豚の腸内細菌を整えるために使われたんだと思う。
(宮前)つまりこれは人に飼育された豚の腸ってわけか。
それもソーセージなんかに使われるものです。
ソーセージ用の豚の腸?そんなの使うケーキなんかあるんですか?さあ聞いたことないね。
たぶんケーキに使ったんじゃないわ。
えっ?じゃあなんで爆発現場にあったんです?これでやっとわかった。
(寺原)えっ何が?粉砂糖でどうやって粉塵爆発を起こしたのか。
所長ケーキの鑑定は?ああもうすぐ結果が出るよ。
ちょっとごめん。
(寺原)ちょ…ちょっと。
豚の腸は何に使ったんですか?このケーキ外側より内側のほうが水分が少ないですね。
うん。
オーブンで焼いたら普通外側から乾燥するんだけどね。
えっ?ということは…。
それからこっちがケーキの成分だ。
まあ!いったい何の趣向かしら?これは。
今日は先生においしいケーキでも食べてもらおうと思いまして。
(喜和子)まあ!ずいぶんシンプルなケーキね。
あなたがお作りになったの?ええ。
とってもおいしいですよ。
あなたケーキ作りの経験が?いいえ生まれて初めてです。
あらそんなケーキ私に食べろと?ええぜひ。
さどうぞ。
いかがですか?電子レンジで調理されてるわね。
そう思われますか?プロの舌はごまかせないわよ。
このケーキは絶対に電子レンジで調理されてるわ。
さすがは遠山先生です。
だから素人にも簡単に作れるのよ。
ええそのとおりです。
でも素人にしてはよくできたケーキだわ。
あなたいったいこのレシピをどこで…?レシピは澤木美沙さんのオリジナルです。
えっ!?彼女が先生の誕生日に焼くはずだったケーキを再現したんです。
再現って…どうやって?実は彼女早乙女さんに同じケーキを作っているんです。
それを鑑定したところ内部から加熱されていることがわかりました。
先生のご指摘どおり電子レンジで焼かれたもの…ということです。
つまり美沙さんがケーキを焼こうとしてオーブンを開けたという先生の言葉には無理があります。
先生は美沙さんがケーキを焼くと聞いて当然オーブンを使うものだと思い込んでしまったんですね。
鑑定の結果からケーキの成分もわかりました。
これがレシピです。
ご覧のとおりこのケーキに粉砂糖は使われてません。
つまり美沙さんがあの日粉砂糖を使おうとしていたという先生の供述にも無理があります。
粉砂糖は先生が用意したものですね?先生は豚の腸にコーンスターチ入りの粉砂糖を大量に入れて美沙さんがケーキを焼くときにオーブンの扉を開けると爆発するという仕掛けを作ったんです。
(喜和子)まさか…。
ケーキを焼くのに電子レンジを使うなんて。
斬新なケーキの作り方をする人だったそうですね。
でもどうやって彼女にオーブンを開けさせたんですか?オーブンを使う必要のなかった彼女に。
美沙がケーキをオーブンに入れる前に私はキッチンを出て行くつもりだった。
あらこれからケーキを焼くんじゃできあがるまでにお客様は私のケーキでおなかいっぱいね。
ご心配なく先生。
みんな私のケーキを目当てに来てるんですから。
美沙ちゃん。
ちょっと作り方見させてもらっていいかしら。
いいわよどうぞ。
早乙女さん。
あなた今日はお客様なのよ。
ちゃんと客席で待ってらっしゃい。
じゃのちほど。
オーブンの火はそのままにしてあるから。
オーブン?使いませんよそんなもの。
ケーキ焼くのにオーブンを使わない?あいかわらず発想が古いんですね先生は。
じゃオーブンの火消しますよ。
わかってます。
オーブンの火は消えたかどうかちゃんと自分の目で確認するんでしたね。
(喜和子)そのときあの子突然オーブンを開けようとして…。
(爆発音)でも先生なぜ粉砂糖にこだわったんですか?砂糖で殺さなきゃ…。
意味が…ないのよ。
砂糖じゃないと意味がない?
(喜和子)あのパーティーの数日前…美沙が突然ここに来て…。
(喜和子)どういう風の吹き回しかしら?
(喜和子)自分から出てった店にまたこうやって来るなんて。
(美沙)来週ミラノコンクールの授賞式で読む挨拶文です。
なんで私に?なにこれ…!なかなかよく書けてると思いません?これじゃ私に対する批判じゃない。
先生のお名前は出してませんよ。
聞く人が聞けばすぐ私だってわかるわよ!ええ。
でしょうね。
スイーツは甘いもの…。
だから先生は大量の砂糖を使う。
バカのひとつ覚えみたいに。
バカのひとつ覚えですって!?でも先生コンクールで受賞した私のスイーツは砂糖は一切使わないケーキなんです。
砂糖を使わない?古いんですよ。
先生のお菓子の作り方。
これからは手間をかけずに斬新なアイデアでかつおいしいものを作らないとミラノコンクールなんて賞はとれませんよ。
世界的なコンクールの受賞式であれを発表されたら…。
そんなこととても耐えられなかった。
(喜和子)あの子はお菓子作りの頂点を極めた私の人生を全て…否定したのよ。
「古くさい」って。
とても許せなかった。
だからお菓子の原点である砂糖で。
嫉妬…ですね?そうよ…。
でもそれは私たちの世界では必要なものなの。
遠山先生。
このケーキはおいしかったんですよね?おいしかった…。
くやしいけど…とってもおいしかった。
(パトカーのサイレン)悲しいわね。
ん?あんな立派なパティシエなのにこんなことで…。
プライドやな。
職人としての誇りや。
その道ひと筋で来た人間なら誰でも持ってる。
あなたも?お前もな。
誇りは大切よ。
うん。
でもそれを大切にするあまり周りが見えなくなってしまったら。
ああ。
お前も気ぃつけなあかんで。
何を?周りが見えなくなって突っ走るとこがある!あんたに言われたないわ。
2015/12/04(金) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
[新]新・科捜研の女1[再][字]
「ダイエットケーキに秘められた甘い殺意」
詳細情報
◇番組内容
あの榊マリコが帰ってくる!沢口靖子主演の“科捜研の女”シリーズがリニューアル!現場に残された微細証拠から事件解決。科学捜査で死体が語る真実を追う!
◇出演者
沢口靖子、内藤剛志、加藤貴子、田中健 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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