くらし☆解説「2つの探査機 大ミッションに挑戦」 2015.12.04


生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは、10時5分です。
「くらしきらり解説」きょうはこちらのテーマです。
今月、日本の探査機の大きな挑戦が続きます。
まず小惑星探査機はやぶさ2が小惑星に向けて、きのう地球スイングバイに挑戦したのに続いて来週7日には金星探査機あかつきが復活をかけて金星軌道投入に再挑戦します。
広大な宇宙で探査機はどうやって目的の天体にたどり着こうとしているんでしょうか。
担当は水野倫之解説委員です。
まず、きのうからニュースでもたびたび伝えられていますがはやぶさ2が地球スイングバイをしましたね。
水野⇒打ち上げ以降、最大の難関と言われていましたけれども地球の重力を利用して進行方向を変えるスイングバイによってはやぶさ2は小惑星リュウグウに向かう軌道に乗ったとみられています。
ただ完璧に成功したかどうかというのは位置や速度を詳細に調べる必要がありますのであと1週間くらいかかるということです。
きのう、はやぶさ2はスイングバイのため午後7時すぎに地球に最接近しました。
このチャンスを逃すまいと全国の30余りの天文台や科学館がはやぶさ2の姿を捉えようと望遠鏡を向けました。
長野県木曽町にある東京大学木曽観測所です。
いた。
これですか。
望遠鏡で撮影した画像にはやぶさ2が映っていました。
光る点にしか見えませんがさまざまな天体の間を抜けながら進んでいく様子が捉えられました。
やっぱりはやぶさが上空を通過している実感が湧きました。
はやぶさ2は、はるか遠くの小惑星を目指していますがなぜ地球に近づいたんですか。
このスイングバイというのは遠い天体を目指すのに欠かせない宇宙の航海術です。
地上ならばある場所に行くのに一直線で行くのがいちばん早いんですが宇宙では目的の天体も動いていますので必ずしもそうはなりません。
打ち上げ後いったん地球に近づいて地球そのものを使って軌道を変えたほうが効率がいい場合が多いんです。
地球の重力と公転が鍵を握っています。
あえて近づいているわけですね。
はやぶさ2は、きのう地球に3100kmまで最接近しましてまず地球の重力にとらえられて進行方向が曲げられます。
そしてリュウグウに向かう軌道に向かいます。
さらに地球は公転もしていますのでその勢いに乗って放り投げてもらうという感じで一気に加速することができるんです。
公転のスピードももらっていくんですね。
これがスイングバイということですが、そもそもはやぶさ2自体にもエンジンが付いていますよね。
もちろんエンジンが付いていますがこれは燃料を節約するためです。
今回のスイングバイではやぶさ2は時速5800キロも加速することができました。
これをはやぶさ2についているメインエンジンでやろうとしますと1年間噴き続けなければならないほどなんです。
その分、省エネ飛行できるというわけです。
ただそのためには地球から3100kmというピンポイントを通過しなければならずチームでは事前に姿勢制御エンジンを噴射して慎重に軌道修正を行って、きのうのスイングバイにこぎ着けたわけです。
いつごろ目的地の小惑星に到着するんですか。
このまま順調にいけば2018年に到着する予定です。
リュウグウは直径僅か900mという小さな天体ですけれども初号機が行ったイトカワとは違いまして有機物が含まれていることが分かっています。
生命を作るたんぱく質の元となる成分も含まれています。
地球上の生命は有機物のあるこういった小惑星が隕石となって地球に運ばれ、そこから進化して誕生した説が最近注目されているんです。
はやぶさ2がサンプルを持ち帰ることに成功すれば生命誕生のメカニズムを解明する手がかりが得られる可能性もあるので今後が注目されているわけです。
今月まもなくもう1機大きなミッションに挑戦しようとしていますよね。
こちらの金星探査機あかつきです。
金星は地球と大きさがほぼ同じで兄弟星とも言われているんですが環境が大きく異なるんです。
大気は金星はほとんどが二酸化炭素です。
温暖化によって地表付近は460度と超高温です。
硫酸の雲に覆われていて秒速100mを超す暴風が吹き荒れていることが分かっています。
過酷な環境ですね。
あかつきは金星の気象を詳しく観測してそのメカニズムに迫ります。
そうすることで地球の将来の気候を予測する手がかりが得られるのではないかと期待されていまして5年前に打ち上げられました。
打ち上げから半年後、金星に最接近したときにメインエンジンを逆噴射して速度を落として金星を回る軌道に入る計画だったんですがあかつきから成功を知らせる電波が届かなかったんです。
僕は爆発したかと思っていました。
これが木っ端みじんになってなくなっちゃったんじゃないかと。
何が起きたんですか。
データを解析した結果爆発は免れたんですがメインエンジンが異常燃焼を起こして噴き出し口が破損して減速ができず本来青い点線の軌道に入るべきところを金星を通りすぎてしまい軌道投入に失敗したことが分かりました。
ただチームは決して諦めませんでした。
幸いメインエンジン以外は健全であることが分かりチームは残っている姿勢制御用のエンジンを使ってもう一度、地球と金星が近づく今月7日に再挑戦することを決断しました。
復活への公開が始まりました。
航海が始まりました。
ただ問題があってあかつきの軌道は金星より内側で太陽に近いところに入ってしまったんですね。
設定温度を超える場所が何か所か出てしまいました。
ちょっと焦げたわけですね。
ちょっと熱くなったんですね。
機体はもともと4年の寿命で設計されていますのですでに1年以上たっていますので機器全体がもつかという問題があります。
また5年前の挑戦で燃料はぎりぎりしか残っていませんので7日が泣いても笑っても復活への最後の挑戦になります。
トラブル続きだった初代のはやぶさもなんとか帰ってきましたので、なんとかなるんじゃないですかね。
そう思いたいのは確かなんですが確かに、あかつきは、はやぶさのトラブルを教訓に機体を設計していますので同じようなトラブルは起こしていません。
ただ目指す天体の重力が全然違うんです。
はやぶさが着陸した小惑星は直径500mほどで重力はほとんどありませんでした。
ゆっくり近づいてエンジンを少し逆噴射すれば上空にとどまることができました。
位置がずれても何度もやり直しがきくんです。
それに比べまして金星は直径が1万2000km重力は地球とほぼ同じ1Gでかなり強力なんです。
その重力にうまく捉えられて軌道に入るには姿勢制御用のエンジンを20分間逆噴射して進路を大きく変える必要があります。
姿勢制御用のエンジンはふだんは1、2秒程度しか噴かないエンジンです。
20分も噴くというのは想定しないわけで果たしてうまくいくか何度もやり直すことができない一発勝負です。
うまくいくといいですね。
あかつきの管制室がある神奈川県相模原市の宇宙機構にはあかつき復活を願う人たちの気持ちが届けられています。
全国から届いているんですね。
チームは連日あかつきの状態を確認して7日に備えています。
今週、責任者の研究室を訪ねたんですが。
布団ですか。
もう家には帰っていないということで研究室に泊まり込みの状態が続いています。
ソファーではなくて床に直接布団を敷いて仮眠を取っているということです。
この研究者だけでなく、ほかの研究者もこういう状態ということです。
機体はすでに設計寿命をすぎているので難しい挑戦になると思います。
最後まで諦めない思いを持って成功させてもらいたいと思います。
水野倫之解説委員でした。
料理家の栗原はるみさん。
2015/12/04(金) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「2つの探査機 大ミッションに挑戦」[字]

NHK解説委員…水野倫之,【司会】岩渕梢

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【出演】NHK解説委員…水野倫之,【司会】岩渕梢

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ニュース/報道 – 解説
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情報/ワイドショー – 健康・医療

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