白い巨塔 #09【教授の椅子に座るのは誰か?財前の野望を賭けた戦い!】 2015.12.03


事故を起こすというのは本当にしょっちゅう発生してるんですね。
(アナウンス)「東教授の総回診です」
(大河内)回りくどい遠慮はいらん。
辞退したまえ。
(岩田)基礎の15票は大河内が握っとるんで8票取るのが精一杯やないかと。
(今津)野坂先生は財前君を嫌って葛西先生を担ぎ出しているようなものです。
財前君に入れることはないでしょう。
(鵜飼)野坂君のところにはしょせん2票より増えることはないだろうしね。
(又一)そこを何とか。
1票2票で泣いてもうたら首くくるしかありまへんがな。
(大河内)ではこれより投票に移る。
(東)私は棄権させていただきたい。
棄権!?
(東)学問的業績の上から公平に見て菊川教授を支持したいと思ってもまな弟子の二人を見殺しにして他学の人に投票するわけにはいきません。
(ざわめき)
(大河内)静粛に!まことに立派な姿勢と言わねばなるまい。
一同東君の意思を受け継いで誠実に次期教授の選出を行っていただきたい。
予定外の行動で時間もオーバーしておりますので直ちに投票を開始します。
何とぞ一時の感情や同情にとらわれることなく皆さんの良識によって第一外科にふさわしい後任教授を選出されるよう切にお願いするしだいです。
(里見)ここにいたのか。
(財前)審判を待つのはなかなか難しくてな。
診てもらいたい患者がいるんだ。
今か?食道ガンで来週頸腹部超音波の予定だ。
手術適応の可能性が高い。
君に頼みたい。
相変わらず容赦なしだな。
君が教授になろうがなるまいが…。
分かってるよ。
患者にとっては関係ないって言うんだろ。
俺にとってもだ。
俺は君をただ外科医として信頼してる。
(鵜飼)投票いたします。
〜〜
(竹内)じゃタバコは1日何本吸われますか?
(庸平)そんなこといちいち数えてるか。
(よし江)お父ちゃん!もう!
(庸平)それより早う帰してほしいねん。
忙しいねんから。
すいません。
30本ぐらい。
(竹内)はい。
(財前)うん。
食道ガンだな。
(里見)見たところT2止まりだな。
オペ適応と考えているんだが。
まあ年も若いし大丈夫だろう。
(竹内)じゃお酒は1日どれぐらい飲まれます?好き放題や。
いいかげんにして!奥さん。
よろしいでしょうか?はい。
すいません。
佐々木さん。
何か薬か食べ物でアレルギーありますか?ない。
(里見)外科の財前先生です。
どうぞ。
外科?実は旦那さんの食道に心配な部分が見つかりました。
来週もう一度検査を受けていただきたいのですが。
心配ってどんな?検査の結果を見るまでははっきりした話は申し上げられません。
どうぞ。
言ってください。
今言ってください。
やっぱりガンですか?その可能性もあるということです。
(ノック)
(佃)財前先生。
東教授が教授会で…。
どうした?失礼。
(佃)失礼します。
(ドアの閉まる音)
(里見)どうぞ。
東教授が投票を棄権?財前先生と葛西先生二人の教え子を見殺しにできないからと。
驚きました。
やはり東教授も人間だったんですね。
(財前)なぜだ?
(佃)だって何だかんだ言っても東教授は財前先生を切り捨てて菊川教授に入れることはできな…。
だまされるな!芝居だということが見抜けんのか!しっ芝居?これは東教授が俺を確実に敗北させるために仕組んだ周到な芝居じゃないか。
(鵜飼)菊川昇。
(鵜飼)財前五郎。
菊川昇。
(鵜飼)菊川昇。
(鵜飼)財前五郎。
(鵜飼)葛西博司。
(鵜飼)菊川昇。
(鵜飼)菊川昇。
(鵜飼)葛西博司。
(鵜飼)財前五郎。
(鵜飼)菊川昇。
(テーマソング)〜〜
(鵜飼)投票の結果財前候補12票菊川候補11票葛西候補7票の順になりましたが総投票数30票のうち16票という過半数に達する者がおりませんので本学教授会の規約により上位2名財前候補菊川候補の決選投票を行うことといたします。
(ざわめき)
(大河内)期日は1週間後同時刻同場所と相なるが今回の教授選はこれまでにないバカげた白熱ぶりゆえ妙な選挙運動が横行せぬよう各氏襟を正して決選投票に臨んでいただきたい。
決選投票…。
そうか分かった。
ああご苦労さん。
〜〜
(柳原)これどうしましょうか?バカ。
乾杯用の酒だぞ。
さっさと片づけろ。
(柳原)はっはい。
(安西)そっちじゃなくてあっちに持ってけ。
はい。
(金井)おい。
そこまで気を遣うのも変じゃないか?
(佃)でも財前先生に見つかったら当てつけみたいじゃないですか。
かまわんよ。
(医局員たち)お疲れさまです。
金井君の言うとおりだ。
余計な気を遣うことはない。
決選投票に持ち込まれるなんて…。
(安西)ショックでみんな仕事が手に付きません。
おいおい。
医局が教授選で仕事が手に付かないなんて困るな。
東教授が棄権という形で財前先生を見殺しにしたことは断じて許せません。
(安西)そうです。
医局員に対する東教授の裏切り行為です。
(医局員)教授だからってひどすぎます。
(医局員)こんなことが通用する…。
やめなさい。
君たちが東教授に対して不信を強めるのは無理もないがここで怒ったり騒いだりしてみたところで教授選を動かせるわけじゃない。
医局の一員として自分にできることは何か頭を冷やしてよく考えなさい。
(一同)はい。
(柳原・医局員)お疲れさまでした。
(財前)しかし気持ちはうれしかった。
ありがとう。
(柳原)医局の一員としてできること…。
(金井)仕事に決まってるだろう。
(今津)仰天しましたよ。
食うか食われるかのときになぜ貴重な1票を失うようなことをなさったのです?今津君。
わたしが1票を捨てなかったらどうなっていただろうね?えっ?現教授のわたしが長年助教授を務めてきた財前君を推さないとなれば彼に対する同情票が集まったのではないかね。
では財前君に対する同情票を封じるために棄権を?フフフ。
感動票だよ今津君。
菊川君が11票しか取れなかったのは不本意だが財前派が12票に終わったのは財前君に固まっていた票がわたしの棄権によって分散されたに間違いはないんだよ。
いやぁあれが計算された名ゼリフだったとは。
ハッハハハハハ。
ハハハハハ。
それより決選投票だね。
今度は1票の差でも勝敗がつくからね。
ここはやはり葛西君に流れた野坂派の7票をすっかりもらい受けるほうが賢い策でしょうが。
うん。
まさか葛西君に7票入るとは思ってもみなかったがその7票を菊川財前どちらが奪うかが分け目だな。
はぁあと一芝居…。
あと一芝居だ。
そやから言うたやないですか!野坂教授の持ってはる票をバカにしたらあきまへんでて。
えっ。
(岩田)いやぁしかしまさか野坂派が7票も取るとは思うてませんでしたさかいなあ。
うーん。
せいぜい2票がいいところだと…。
素人みたいなこと言いなはんなや。
18票は固い言うとった票がたったの12票しか取れへんかったんでっせ。
こんなやったらあれですわお宅らの政治力も金の力も当てにはならんいうことやないですか。
えっ。
(財前)お義父さん。
(又一)えっ。
今日の番狂わせは誰もが予測できないところから起こりました。
東教授のあの高潔ぶった陰険極まる芝居に一部の教授陣はだまされたのです。
はっ!芝居もへったくれもあるかい!要はあんた東にいてこまされたんや。
あんたは教授になり損のうたんや。
こないなったらもうあれですわ決選投票もあきまへんわ。
ああああもうもうおしまいや。
しまいやもう。
しまいやもう。
一巻の終わりや。
済んだことをぐだぐだ言っても始まらないのではありませんか。
教授選はまだ終わっていません。
それともあきらめますか?ここであきらめたらあなたのいちばん欲しかった名誉は手に入りません。
これまでにばらまいた金もすべてムダ金になりますよ。
(鵜飼)フフフフフフ。
お義父さん。
今日はあなたの負けですな。
ハハハ。
五郎君の言うとおりまだ教授選は終わってへん。
もう一頑張りしようやないか。
(又一)皆さん。
どうもえらいすんまへんでした。
財前又一気取り直してもう一ふんばりも二ふんばりもさせてもらいま。
頑張りま!頑張りま!はいはい。
はいはいはい。
いや決意表明はもうよろしい。
(又一)よろしか?今度こそしっかりと票を読まんとな。
教授選に勝つためには野坂君の7票を頂かないといけないが…。
(葉山)野坂君には東教授のほうも声を掛けるでしょうからな。
まあそらうんもう何ぼでも出しまっせ。
もうこないなったら1億でも2億でも出しまっせ。
いっそのこと大河内の大仏はんのとこ切り込んだったらどないだ?
(財前)お義父さん。
そんなことをしたら台なしです。
大学病院には鵜飼先生や葉山先生とは違って常識の通用しない人がいるんです。
はい。
何だか財前君も一皮むけたようだね。
ありがとうございます。
一巻の終わりは困りますから。
(一同の笑い声)おいヤナ。
お前あした休み取って金沢行ってこい。
はあ?石川大学の菊川のとこ行って決選投票辞退するよう言ってくるんだ。
やめましょうよ佃さん。
やっぱそれはまずいですよ。
財前先生が確実に勝つためには直接菊川引きずり降ろすよりほかないだろう。
けどヤナが行ったくらいで相手は降りませんよ。
だったら俺とお前とで行こう。
えっ!脅迫電話をかけるとか怪文書を回すとかいろいろ考えたが回りくどい方法では時間がない。
ちょっと待ってくださいよ。
そんなのフェアじゃありませんよ。
(佃)うるせえ。
もし財前先生が負けたら俺たちも地方に飛ばされるかもしれないんだぞ。
生きるか死ぬかの闘いでそんなきれい事言ってられっか!分かりました佃さん。
やりましょう。
よし。
じゃ菊川のスケジュール調べるぞ。
(安西)あっはい。
ちょっと待ってくださいよ。
安西さん。
ちょっと待ってくださいよ。
(里見)おう。
財前先生に頼んだ食道ガンの患者の対診依頼だ。
次の検査までに渡しといてくれ。
ちょっと先急ぎますんですいません。
ちょっと待ってください。
すいません。
すいません。
あの僕が渡しておきましょうか?
(里見)ああ。
柳原君だったな。
慣れたか?はい。
あっ…いえなかなか。
そうか。
まあ焦るなよ。
1年や2年で財前みたいにオペをこなせるようになるのは無理だからな。
じゃあ。
(柳原)里見先生。
ありがとうございます。
(ケイ子)もういいわよ上がって。
(マミ)はい。
(ケイ子)いいの?帰らなくて。
(マミ)お先に失礼します。
(ケイ子)ご苦労さま。
(マミ)先生。
ごゆっくり。
なあ。
うん?追い込まれれば追い込まれるほど闘志がわくものだな。
(ため息)酔わないならこの辺にしときなさい。
お酒がもったいないから。
はい。
東があそこまでやってくれるとは思ってなかった。
これでこっちも心おきなくたたきつぶせるよ。
闘いってどっちが優れてるかを競うものじゃないのね。
いかに卑怯でいかに相手を憎めるか競うものなのね。
ああ。
あーもう。
フッフフフフ。
(マミ)あの。
(ケイ子)あらこんばんは。
(財前)来週の手術の予定表は出来てるか?
(金井)すいません。
今やってます。
(財前)うん。
今日佃医局長も安西君も風邪だそうで。
そうか。
悪い風邪がはやってるみたいだな。
みんな。
気を付けろよ。
(一同)はい。
財前先生。
里見先生からのご依頼の患者さん検査室に入ったそうです。
ああそうだったな。
失礼します。
(財前)おい君。
はい。
その患者担当してみるか?はい?外科?何で外科やねん?お前らみんなでよってたかって何しよう思っとんね?おっお父ちゃん。
念のために詳しく見てくださるって先生おっしゃってるんだから。
何で1回で済まへんのや?こっちは弁当屋なんや。
なあ飯炊いてコロッケ揚げて何ぼちゅう商売しとるんや。
こないしょっちゅう休んどったらな従業員の給料払わられへんのや。
(里見)佐々木さん。
仕事が気になるのは分かりますがお体も大事なのではありませんか?分かったこと言うな。
おい服。
いいんですよそれでも。
ここは警察でも刑務所でもありません。
我々はあなたが嫌と言うのを無理に診察台に乗せることはできません。
ご自身でお決めになってください。
ほら診てもらおう。
ねっ。
生検の結果は?はい。
アデノか珍しいな。
だがT4の可能性もないしディスタントもないだろう。
あとは外科で引き受ける。
うん分かった。
(よし江)あの…。
じゃ柳原。
あとは頼むぞ。
えっ。
(里見)えー佐々木さん。
検査の結果を説明します。
佐々木さんの食道には腫瘍があります。
検査の結果悪性細胞が出ました。
それは…。
食道ガンです。
えっ?
(柳原)あっ。
(よし江)お父ちゃん。
(里見)驚かれたかもしれませんが比較的早い段階のため手術で切除することができます。
じゃあ治るんですね?財前先生に言わせますと手術に危険はありません。
根治の可能性は十分にあります。
はぁ。
あの…。
さっきの先生が手術なさるんですか?はい。
何か?あっいえ。
〜〜
(医局員)菊川教授。
来週のカンファレンスの内容です。
ご苦労さま。
(佃)浪速大学から…。
(菊川)それで浪速大の方が一体どういったご用件でしょうか?あの大変失礼なんですが今回の来週の教…。
単刀直入に申し上げます。
菊川先生。
降りていただきたいのです。
降りる?
(佃)はい。
決選投票をご辞退していただきたいのです。
我々は菊川先生を心臓外科医として尊敬しております。
しかし第一外科の教授にはやはり我々が直接指導を受けた財前助教授に…。
ちょっとお待ちください。
教授選に関しては浪速大学のほうにお任せして…。
(佃)浪速大の恥を申し上げるようですが東教授が財前助教授ではなく菊川先生を後任にと望まれましたのは東教授の個人的な感情によるものなのです。
財前助教授は何かと目立つ存在ですので東教授はそうした傾向に不快感を抱かれ菊川先生を当て馬にと…。
これは失礼を申しました。
ですが菊川先生の将来のため…。
おっしゃりたいことはそれだけですか?でしたらお引き取りください。
講義の準備がありますから。
(佃)辞退すると聞かせていただけるまでは帰れません。
わたしたち二人は大学を退く覚悟で参ってるんです。
わたしは自ら進んで浪速大の教授になりたいと願い出たわけではありません。
望まれてお引き受けすることにしたんです。
そもそも辞退するしないは決選投票が終わってからするべきことでしょう。
(佃)ではもし菊川先生が教授に選出された場合は辞退なさると約束していただけませんか?
(菊川)いきなりやって来たかと思えば…。
あなたたちは僕が今どれだけ自分を抑えてるか分からないんですか。
しっ失礼しました。
(佃)あのこれだけは申し上げておきます。
万が一先生が本学の教授に来られるような事態になりましても我々医局員一同一切の協力は致しません。
致しません。
(佃)従って先生の学者的生命にもかかわることだとお考えおきください。
(船尾)はい船尾です。
おお。
(野坂)一体ご用件は何でしょう?
(今津)いやあ…。
ハハハ。
先生のお力には恐れ入りましたよ。
失礼ながら葛西君が7票も獲得できるとは思ってもみませんでしたからな。
その7票をそっくり菊川教授に回せというようなお願いは困りますよ。
わたしは葛西君がいないのであれば白紙で投票したいと思っています。
白紙?それでは野坂先生の貴重なご意志が反映できないのではないですかねえ?まぁよしましょう今津先生。
これでは選挙運動だと野坂先生に誤解されてしまいますよ。
まぁ選挙の件は忘れていただいて本題に入りましょう。
野坂先生は日本整形外科医学会の理事になるおつもりはありませんかな?日本外科医学会の会長をなさっておられる東都大の船尾教授から学会の理事に1名欠員が出たので誰か紹介してほしいと頼まれましてね。
(今津)財前派も野坂先生のところに露骨な交渉を持ちかけてきているでしょうがそんなものは目先の利得にすぎません。
それより船尾教授の推挙を得て理事になることのほうがどれだけあなたの将来にプラスになるか…。
わたしは目先の利得より学者としての将来を大切にする人間ですよ。
(政子)はい。
はいはい。
まあ…。
(ドアチャイム)
(東)帰ったよ。
(政子)あっええああ!今今戻りました。
はい。
あっすぐすぐはい電話に。
はいただいま。
少々お待ちくださいませ。
はい。
(佐枝子)おかえりなさい。
お父さま。
(東)ああただいま。
(政子)あなたあなたあなた…!えっ?船尾教授からお電話お電話。
何か怒ってらっしゃるみたいですわよ。
ハハッ。
何を怒る必要があるんだね。
はい東でございます。
いや今お電話を差し上げようと…。
えっ?ウチの医局員が!?
(仲居)お連れさまがお見えになりました。
(又一)ああ。
はいはいはいはい。
(野坂)あーどうもどうも。
あー先生。
よう来てくれはりました。
おおきに。
ありがとうございます。
(野坂)オペが長引きまして申し訳ない。
(又一)ちょっと閉めといて。
いや先生のオペやったらばそら見事なもんでしょうな。
えっ。
ヘヘヘヘ。
で医師会の講演会の件ということでしたね?ええええ。
そうでおます。
今度医師会で診療ガイドラインの出版記念の講演会をやりますんでその講演をお願いしたいんです。
でテーマは?ええええ。
あっ…。
ああテーマはまあ…。
ヘヘヘ。
こちらでございます。
やけに解釈が難しいテーマですな。
(又一)あっそうでっか?ヘヘヘ。
そうやったら先生のお仲間とよう相談してください。
教授選で先生の指示に従うた6人のお仲間はんと。
ヘヘヘ。
どうぞ。
(野坂)そういう相談には応じられませんな。
へえ。
ほな何で来られたんですか?この時期我々の呼び出しに応じるということは何の用件か分かって来られたんやないんですか?先生。
野坂先生。
大人になりまひょう。
ウチの婿の五郎はあれで使いでありまっせ。
今恩を売っといたら後々先生のお役に立ちまっせ。
〜〜〜菊川君は辞退すると言っています。
面目しだいもございません。
「医局員一同協力しない」と脅迫されたのです。
当然でしょう。
(東)すぐに事実関係を調査して処罰を…。
辞退はさせません。
ここまで来てわたしが推した菊川君が破れたらわたしの面目も丸つぶれです。
絶対に菊川君に勝ってもらいます。
そのためにわざわざ大阪まで出向いてきたのですから。
(政子)ねえどんな感じなの?佐枝子さん佐枝子さん。
(船尾)時間がない。
早速1票1票確実にしていきましょう。
はい。
野坂教授はどうなったのです?えー野坂君については整形外科医学会の理事にということで…。
あなたの交渉では不安ですね。
理事だけでなく関西支部長の役職も加えましょう。
わたしは昨年から外科学会連合会の幹事もやっているんで大したことではありません。
次野坂君に付いている乾河合の両教授は?あぁそれは野坂君に頼んでありますが。
口約束だけですか?あっはあ。
フッ。
甘いお方だ。
まあいい。
この二人はこうしましょう。
乾教授は厚労省助成金研究班の班長に。
河合教授のほうは関西製薬治験調整医師にしましょう。
あ〜あ。
(佐枝子)お父さま。
あぁ…。
では病院へ行くかね。
くっ!えっ!お父さま!お父さま!やめて!お父さま!お父さま!お父さま!お父さま!やめてお願い!
(東の泣き声)〜
(庸平の歌声)
(柳原)こちらです。
(庸平の歌声)ほら。
どうぞ。
あとは任せてくれ。
うん。
よろしく頼む。
〜〜
(柳原)入院の手続きを済まされたら今日はゆっくりお休みください。
あしたから手術に備えて全身の検査に入りますので。
あの手術ってどんぐらい切るんでっか?
(財前)食道の手術では普通のど胸おなかの3か所を切りますが大したことはありません。
大したことあるがなあ。
あっあの…。
失礼。
はい。
(職員)財前先生東教授がお呼びですが。
分かった。
(財前)あとのことは彼からご説明いたしますので。
失礼いたします。
(柳原)ではこちらご記入お願いします。
お父ちゃん。
はい。
どうかなさいましたか?
(佐枝子)いえ。
父を送って参りましただけです。
(財前)どこかお具合でも悪いのでしょうか?
(佐枝子)ご心配いただくほどではありません。
それはよかった。
どうぞお気を付けください。
何がおかしいのでしょうか?わたしが笑うと不愉快ですか?はい。
それは失礼いたしました。
あの伺ってもいいですか?どうぞ。
里見先生は医師になってよかったと思っておられますか?はい。
三知代さんのお父さまの主治医でいらしたそうですね。
あぁ…。
ええ。
末期ガンで救うことはできませんでしたが。
でも心強かったでしょうね。
三知代さん。
里見先生のような方が主治医で。
どうでしょう。
三知代さんおっしゃってましたよ。
里見先生もお父さまも本当に必死で頑張ってくれたって。
頑張ることが裏目に出ることもあります。
わたしは1日も長く生かしたかった。
三知代の父も生きたいと願った。
だから最期まで必死で治療法を探し続けた。
しかし結果としてそのことが死期を早めることになった。
そうだったんですか。
頑張るべきか頑張らず受け入れるべきか。
患者に出会うたびに迷い続ける毎日です。
でもそれが医師の仕事かなとそんなふうに思っています。
(佐枝子)強いですね。
(里見)いえ。
わたしも見習って強くならなきゃ。
あなたは強いじゃないですか。
わたしが?はい。
あなたは芯の強い方だと思います。
(よし江)里見先生。
どうぞ。
わたしはこれで。
(里見)どうしました?あぁすいません。
あのこんなこと言うのはあれなんですけどあの財前先生って方大丈夫なんでしょうか?はっ?偉い先生なのは分かるんですけど何だかいつも忙しそうでわたしらなんかまともに診てくれないんじゃないかって。
そんなことありません。
財前先生は信頼できる外科医です。
わたしの差し金だとおっしゃるのですか?
(東)いやそんなことは言ってはおらんよ。
ただ佃と安西が菊川教授に辞退を迫ったというのは事実なんだよねえ財前君。
はあ。
わたしは医局を監督する立場にあり菊川教授との対立候補の身です。
そのわたしがそのような大それたことをできるはずがありません。
(東)そらそうだろうねえ。
あのような卑劣極まりない行動を君が取るはずはない。
しかしね医局員から絶大なる支持を受けている君が彼らの動きを全く知らないというところに納得のいかないものを感じるんだがね。
確かに東教授が棄権なさったことを知ってから医局内が殺気立っていたことは事実ですがまさか金沢まで…。
(東)待ちたまえ。
なぜ医局が殺気立つんだね?わたしはね君と葛西君が相争うのを直視できないから棄権したんだ。
しかし医局はそうとっていないようでございます。
東教授がわたしを否定するために棄権したと。
なぜそんなふうになるんだね?もっとフェアな気持ちでわたしの棄権を受け止めてもらわなければ困るね。
(財前)ならば東教授の口から直接医局員にご説明なさってはいかがでしょうか?何だと?東教授のお気持ちをわたしが説明したところで現場は全く収拾がつかないのです。
佃と安西が金沢にまで行ったのもよほどやむにやまれぬ気持ちだったからで…。
言葉を慎みたまえ!現職教授のわたしがなぜ医局員に申し開きなどせねばならんのだ!申し訳ございません。
お許しくださいませ。
頭を下げることはないよ。
謝ったり許したりするっていうのは人間関係のある間柄で行われることなんだ。
わざとらしく謝ったりしないで掛けたらどうだ。
君のねそういう態度が…。
何をしてるんだ!?東教授のご指示に従っているだけでございます。
『アメイジング・グレイス』〜〜〜〜〜2015/12/03(木) 14:55〜15:50
関西テレビ1
白い巨塔 #09[再][字]【教授の椅子に座るのは誰か?財前の野望を賭けた戦い!】

「正念場」

詳細情報
番組内容
 教授選考会における東(石坂浩二)の策略が成功したのか、財前(唐沢寿明)、菊川(沢村一樹)票とも過半数に達せず、翌週の決選投票に持ち越された。又一(西田敏行)は現ナマ攻勢、船尾(中原丈雄)はポスト攻勢で、浮動票を握る野坂(山上賢治)の懐柔に出た。また、佃(片岡孝太郎)らが独断で菊川に辞退を求め、財前と東の関係崩壊は決定的になる。
番組内容2
そんな中、財前は、里見(江口洋介)が持ち込んだがん患者佐々木(田山涼成)の手術を行うことになった。
出演者
唐沢寿明 
江口洋介 
黒木瞳 
矢田亜希子 
水野真紀 
沢村一樹 
片岡孝太郎 
伊武雅刀 
若村麻由美 
西田尚美 
野川由美子 
池内淳子 
かたせ梨乃 
伊藤英明 
石坂浩二 
西田敏行ほか
原作・脚本
【原作】
山崎豊子

【脚本】
井上由美子

監督・演出
【企画】
和田行

【プロデューサー】
高橋萬彦 
川上一夫

【演出】
西谷弘

【音楽】
加古隆 
「アメイジング・グレイス」ヘイリー

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32724(0x7FD4)
TransportStreamID:32724(0x7FD4)
ServiceID:2080(0x0820)
EventID:38021(0x9485)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: