NHK高校講座 家庭総合「なぜ人は服を着る?」 2015.12.03


モチーフと展示場所の組み合わせで表現できる事はどんどん広がるわ。
おかんとパリコレなんてナイスじゃない?どう?どう?どうなのよ!「家庭総合」今回から衣生活の話に入ります。
第1回目のテーマは…という事でですね高校生に身近な制服を例に考えていきましょう。
漫画の中でミカリンとナナコちゃんが制服の着こなしは「見た目か」とあとは「機能か」っていうふうに話し合ってましたけどもどっちですか?千瑛ちゃん。
(尾崎)私は断然見た目派でした。
「断然」。
ミカリンと同じようにリボンを下げたりとかスカート短くしたりとか。
あんまり寒さを考えた事なかったです。
(青木)え〜我慢してるの?我慢するものだと思ってました。
慣れますね。
成君は?
(足立)僕はどっちとも決めかねてます。
何だろう?僕の場合だとシャツの下にタートルネックを着るのがはやってて。
シャツの下に…あ〜あったね。
(足立)首からちょっと黒いのが見えるんですけどでもそれがおしゃれだっていう意識もあったし寒さも防げてしかも先生にも怒られるっていうセットで。
セットで?はい。
もう25年ぐらい前の話を思い出しましたけど。
どうですか?青木さんは。
やっぱり機能性重視ですね。
ナナコちゃんみたいにスカートの下にジャージーをはいてましたよね。
えっこんな格好をしてたの?うんしてました。
これだって部屋着よ。
駄目なんですよ。
見た目も機能もどっちも駄目なんです。
困っちゃった…。
困りますよねでもねぇ。
(高橋)こんにちは。
こんにちはよろしくお願いします。
本日のゲスト…高橋先生今制服は見た目か機能かっていう話をしてたんですけども先生はどっちと思われます?気持ちは分かるんですけどね両方とも駄目ですね。
駄目ですか。
制服はフォーマルなものなのでふさわしい着方があるんですよ。
でも…そうですか。
ではですね制服についてじっくり考えていきたいと思います。
という訳で……と思う点を考えてみました。
どんな意見が出るのでしょうか。
じゃあ成君から貼っていきましょうか。
はい。
僕が思ったいいところは…いいね。
(足立)朝って時間ないじゃないですか。
遅刻した朝とかにもあっ制服…。
とりあえず制服着とけばっていうのがあって。
なるべく遅刻しないように頑張ろうね。
ねえ?
(足立)はい。
いいよ。
次悪いところなんですけど…
(足立)ちょっといたずらした時とかに。
いたずらしちゃ駄目だよ。
(足立)駄目ですか。
私はいいところは…
(尾崎)やっぱり制服って若い時しか着れないというのとあとやっぱりリボンとかしてスカートとかチェックとかかわいいなっていうのがいいなって思ったので。
かわいい子が着るとねかわいいけどね。
嫌なところは動きづらい。
私服に比べるとやっぱりきちっとしてるので動きづらいなっていうのがあるなっていうので。
青木さんは「ここがいい!」に冠婚葬祭に出られると書きました。
パパイヤさんは制服の嫌なところとしてみんなが同じものを着なければいけない事とかっこ悪いという事を挙げました。
さあいい意見も悪い意見も出ましたけども先生これを見ていかがですかね。
いろいろな意見が出てねとてもいいですね。
でも先生もちょっと考えたんですけれども。
制服っていろいろこう気温に対応しにくいとか嫌な事ばかり書いてありますが3年間もたせるのでとてもね丈夫に出来ているっていう。
(足立)確かに。
(高橋)1着で3年間いけますよね。
それから着ていて気持ちが引き締まる。
ありませんか?
(尾崎)あります。
(高橋)制服に着替えて学校に行こうという時にオン!これから勉強しようという気持ちへの切り替えっていうかね。
スイッチがね入ります。
スイッチが入りますよね。
それから同じ服だけど着る事で連帯感とか仲間意識そういうのも強まるんじゃないかなと…。
さて制服にもいろいろな面がありそうですがではなぜそうなったのか歴史を振り返ってみたいと思います。
時は明治時代。
日本では文明開化が進み新しい時代の新しい学問を追究するために大学がつくられました。
そんな中誕生したのがいわゆる…陸軍の服装がモデルになったといわれます。
制服を制定したのは…森は近代国家を担う人材を育てるためには軍隊の集団性が必要だと考えました。
それから数年で高等教育を受ける学生たちの間で一気に制服が広がります。
制服の歴史を研究している…佐野さんは当時の制服は学生に対する社会の期待を表していたと考えています。
(佐野)それからもう一つはそういう事をする事はすなわち…それから自覚してかしらずかは分かりませんけども…それでは女子の場合はどうだったのでしょうか。
当時の社会は女性に対して閉鎖的で一般家庭の女性は学校へ通う機会が与えられませんでした。
そんな中ごく一部の裕福な家庭の子女だけが学校で学んでいました。
このころは女学生といえばはかま姿が定番でした。
その背景には洋服は進歩的な装いなので女性には必要ないという考え方がありました。
ところがある事をきっかけに状況が変わります。
着物を着ていた多くの女性が逃げ遅れたため動きやすい洋服を取り入れるべきだという世論が強まりました。
そして採用されたのがもともと体操服として使われていたセーラー服でした。
西洋文化が浸透するにつれ洋服が広まり女子学生がセーラー服を着る事も次第に受け入れられていきました。
時は変わって第2次世界大戦後の日本です。
民主化が進み小中学校が義務教育になります。
学生がエリートだという時代は終わりました。
ところが制服はほとんどの中学校と高等学校で使われ続けました。
…という事が一つ。
それから戦後間もなくですから当時…何を着せていいか分からない何着ていいか分からない。
それだったらそれなりにフォーマルでね冠婚葬祭これ一着で全部いけそうな。
それから学校に行っても勉強ができそうなというね。
昔からなじみのある学生服に行き着いたんだと思います。
全ての子どもが等しく教育を受ける時代。
学ぶ者の象徴として制服が全国に広がっていきました。
ところが学生たちは制服を自己表現の道具として活用し始めます。
昭和40年代末に登場したのは極端に長いスカートのセーラー服。
平成に入ってからはミニスカートにルーズソックスのいわゆるコギャルファッションがはやりました。
着崩しって時代によってそれぞれ違うんですけどね。
あの〜学ぶ者要するにまだ大人じゃない反抗期をちょっと経たぐらいの子どもがね規制の服を着なさいと言われた事に反発したりとかあるいは何にでも反発したりっていうのはいつの時代でもある話ですね。
実は戦前の学生たちも着崩しをしていました。
こちらはバンカラと呼ばれるスタイル。
高げたに汚れた学生服とんびと呼ばれたコートに身を包み油やしょうゆで汚した帽子というユニークなスタイルでした。
もちろんこんな着こなしはルールやマナーの上ではNG。
でもわざとはみ出す事によって何かを表現していたんですね。
時代とともに形や意味を変えてきた制服。
学生が社会の中でどう見られどんな存在なのか語り続けています。
時代によってね制服が象徴するものが随分違ってましたけどもどうです?成君。
いや変わりましたね随分。
昔はエリート意識があったって聞いてすごいびっくりしてて。
今なんてだってエリート意識なんてないじゃないですか。
みんなが着てるものだからそれが当たり前になってて。
私セーラー服が最初体操服だったっていう事に驚きました。
私さっき動きづらいって書いたんですけど動きやすさからあんなセーラー服作られたんだなっていうのも驚きましたしあとバンカラ?初めて見たんですがいいですね。
かっこいいと思っちゃいました。
いいよね。
制服にはちゃんといろんな意味があったという事なんですよね。
(高橋)制服だけじゃなくてね全ての被服がそうなんですよ。
被服?被服というのは…被服にはさまざまな役割があります。
寒さ暑さなどに対して体温調節をする役割があります。
また熱や紫外線害虫衝撃などから体を守る身体の保護という役割もあります。
…とは作業や運動などをしやすいようにする働きの事です。
2つ目は社会的な機能です。
着る人の職業や所属集団を示したり冠婚葬祭など社会慣習に従っている事を表す役割があります。
社会生活を送るためにはTPOを考える事が必要です。
TPOは…この3つを意識しながら装う事が円滑な社会生活につながります。
もう一つ被服には役割があります。
それは…確かに着るものを通してその人の個性って伝わってきますよね。
この3つの役割はスタジオのみんなが制服について考えを出し合った中にも入っているんです。
例えば……は着心地に関係あるので保健衛生的機能です。
…などは社会的機能です。
若さとかわいさを感じたりみんな同じで嫌かっこ悪いと思うのは自己の表現に関わる意見ですね。
何か結構みんなと同じだからいいという時もあれば逆にみんなと同じっていうのが嫌っていうのも…何だろう?だからこれあれだよ多分。
成君は嫌だと思っている事でもいやそんな事ないんじゃないっていう。
人によって違うって事もあるんじゃないかな。
どこの学校か分かるっていうのがもしかしたら成君にとっては嫌な事かもしれないけど立場を変えて親の立場からするとそれはとても安心につながる事でもあるなっていう気もしますよね。
そうですね。
それありますね。
立場が違うと同じ内容でも見方が違ってくる。
いいと悪いが逆転すんのかな。
学生の立場だともっと表現したいとかあるから制服って嫌なイメージも結構あったんですけど…って見ていくといい面悪い面と結構背中合わせなんですね。
ここで改めて漫画の2人を見てみましょう。
ミカリンのおしゃれに対するこだわりは自己の表現。
そしてナナコちゃんは暖かさという保健衛生的機能を優先していたんですね。
そして2人とも社会的機能は考えてなかったって事ですね。
相手に対するマナーというかねそういったのを服装で表現しているという事になる訳ですよ。
だからやはり着方もね意識して着てほしいなというふうに思いますね。
服についてあんまり考えた事がなかったので自己の表現というのでおしゃれ感だけ考えてたんですけどちゃんといろんな役割があるんだなっていう多様な面から服を見るようにしたいと思いました。
制服って着たくても着れなくなる年齢が来るのでもうちょっと大事に着ておけばよかったなって今思ったりはしました。
娘さんにこれから…。
そうですね。
教えていけるようになりたいですし。
最後に衣生活の自立度についてチェックしてみました。
項目の中には……などがあります。
スタジオのメンバーの点数はこんな感じでした。
ここに書かれている事は「家庭総合」で次回から学んでいきます。
この3つのバランスを考えながら被服を選ぶ事が大切です。
制服は明治時代に登場し戦後義務教育の始まりと同時に全国に普及しました。
いつの時代も社会が学生に期待する役割を象徴してきました。
服装は自分を表現するものであり相手に対するマナーでもあります。
どう見られるかを考えて着こなしましょう。
2015/12/03(木) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 家庭総合「なぜ人は服を着る?」[字]

服の役割は身体の保護だけではありません。「社会的な立場を表す」「個性を表現する」など被服の様々な機能を「制服」を例に考えます。【出演】パパイヤ鈴木・青木さやか他

詳細情報
番組内容
被服の役割「保健衛生的機能」「社会的機能」「自己の表現」について「制服」を例に歴史をひも解きながら考えます。明治時代はエリートの象徴だった制服ですが、教育の民主化とともに一般的になり、今ではファッションとしての一面もあります。さて、あなたは何を重視して着こなしていますか?保温?見た目?学生としてのマナーもお忘れなく!【出演】パパイヤ鈴木、青木さやか、足立成、尾崎千瑛【声】沖田愛【マンガ】和田フミ江
出演者
【ゲスト】高校教諭…高橋靖子,【司会】パパイヤ鈴木,青木さやか,【出演】尾崎千瑛,足立成,【語り】沖田愛

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趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 生涯教育・資格
バラエティ – その他

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