(眞澄)12月28日?同じだわ!
(平野)失礼しました。
(崑一)おっ。
ぼたん。
お姉さんにご挨拶したか?
(崑一)びっくりさせちゃったかな?子供がいるなんて話してなかったからね。
(眞澄)あっ。
あのう…。
(崑一)でもよかった。
あの子に会ってもらいたかった。
(崑一)カワイイだろ?お客の前では猫かぶってるけどあれでずいぶんこましゃくれてるんだ。
おニャン子クラブのまねなんかして踊ったり歌ったり。
(崑一)ああ。
全国の主要都市の名前を北から順に全部暗記してるんだからね。
誰に似たのか知らないけど。
(眞澄)よそからおもらいになったんですか?えっ?あのお子さんよそからおもらいになったんじゃ?
(崑一)面白いこと言うんだな。
そりゃ確かに僕には似てないところもあるけれどもれっきとした小日向家の血筋。
僕の娘ですよ。
だって…。
だってぼたんだなんて。
それでびっくりしたの?ああ。
ローズガーデンを経営してる家の娘がぼたんって名前なのは変といえば変だよねきっと。
でもうちのおじいさんが薔薇を植え始めた明治のころは日本人はほとんど見たことがないからいばらぼたんとか洋ぼたんとか呼んでたそうだ。
そうなんですか…。
(崑一)うん?どうしたの?座らない?
(崑一)ハハッ。
よそからもらった子か。
ハハハ。
何でそんなふうに思ったんだろう?だって…。
じゃあお母さんは?お母さんはいらっしゃらないの?離婚したんだよ。
2年ほど前に。
そうだったんですか。
そのことも今日はあなたにちゃんと言っとかなきゃいけないと思ってた。
幻滅したかな?いいえ。
幻滅なんか。
がっかりもしてません。
そう。
それは心丈夫だ。
・
(ぼたん)えい。
・
(平野)ああー。
・
(ぼたん)アハハ。
・
(平野)ああああああ。
よーっ。
よっ。
よーっ。
ああ。
ああ。
ああ。
フフフ。
(ぼたん)フフッ。
おいっちに。
(平野)よいしょ。
ほら。
いくよ。
ぼたんちゃん。
ずっとお母さんがいなくて寂しいでしょうね。
(ぼたん)うわーっ。
あっ。
(平野)ああ。
あっ。
大丈夫?大丈夫?よし。
私ぼたんちゃんと仲良くなりたいわ。
いけません?
(崑一)願ってもないことだよ。
ぜひそうしてやってほしいな。
いいんですね?うれしいよ。
そう言ってくれて。
これはお出掛け用にね。
どう?あら。
興味ないのかしら?
(平野)慣れてないんでしょ?そういうものに。
じゃあねジャン。
着せ替えお人形。
カワイイでしょ?お名前付けてあげて。
フフフ。
(ぼたん)やだやだ。
あら。
そうなのね。
お絵描きがいいのね。
何だろう?お月さま?違う。
違うの?うーん。
何だろうな?うーん?分かんない。
お手上げ。
教えて。
象さんお鼻が長いの。
そっか。
象さんか。
お絵描きしてお絵描き。
はい。
あっ。
いいわよ。
じゃあ何描こうかな?うーん。
じゃあぼたんちゃん。
お姉さんと遊んでなさいね。
お願いします。
どうぞご心配なく。
じゃあね描くよ。
これは何でしょう?何だろな?見たことあるかな?あっ。
猫。
猫だ。
正解。
すごいね。
猫さんでした。
はい。
完成。
じゃあ次はねいくよ。
何だろな?何だろね?丸。
丸。
だんだん分かってきたよ。
何だろな?何だろな?お猿さん。
お猿さん。
すごい。
よく分かったね。
偉い。
偉いわ。
お利口さん。
どうしたの?ごめんなさいね。
偉い。
偉いわ。
お利口さん。
この子のママになりたい。
償いをしたい
私が産み捨てにしてしまったあの子に対する贖罪
それこそが天が与えたもうた私の運命というものではないかしら?
バイバイ。
また来てね。
バイバイ。
ぼたんちゃん。
また遊びましょうね。
・
(カオルコ)フーイズイット?
(カオルコ)誰?誰だい?
(カオルコ)新しく入ったベビーシッターかい?
(平野)いえ。
違うんです。
(カオルコ)じゃあ誰なんだい?こんな女がどうしてこの家に出入りしてるんだい?失礼します。
(崑一)今日は色々ありがとう。
あなたに遊んでもらってさぞやぼたんもうれしかっただろう。
最初は私が持っていったお人形なんか見向きもされなくって。
あの子は女の子らしい遊びしたことがないからね。
おもちゃの刀なんか振り回してえいやーって立ち回りをやってるんだから。
パパが相手だとそうなるんです。
どうしても女親がいないとね。
お手伝いさん任せなんでしょう?でもあの人何となくしゃくし定規で冷たい感じがしてぼたんちゃんがかわいそう。
あんな人に子供の情操教育ができるのかしら?情操教育か。
私が育ててあげたい。
愛情込めて手をかけてずっと一緒にいてあげたい。
いけません?ねっ?ねっ?私じゃ駄目ですか?私じゃ若過ぎて駄目?私みたいな女じゃ。
いやぁ。
若過ぎるなんてことはないよ。
彼女のためならどんなことでもしてあげたいの。
今よりもっともっと幸せなカワイイ名前のとおり牡丹のような女の子に。
牡丹のような?いいでしょ?私がママ代わりになっても。
そう。
そこまで言ってくれるなら。
私あの子と一緒にいられるんならベビーシッターでもいいわ。
えっ?よしなさい。
あなたをベビーシッターにするつもりはないよ。
(崑一)じゃあ行こう。
えっ?ど…どこへ?どうしたの?おいで。
こっちに。
すみません。
本当にすみません。
えっ?私こう見えてもバージンじゃないんです。
何もそんなこと…。
言わなくてもいいんだよそんなことは。
今どきねそんなことを告白する女はいないよ。
あなたは正直過ぎるんだ。
でも…。
私嘘つきなんです。
あなたに隠してることが他にも色々と…。
シッ。
黙ってなさい。
秘密はそっと胸の中にしまっておけばいい。
あなたが若くて健康で美しいってこと。
その上ぼたんをかわいがってくれてるし僕にはそれだけで。
それだけで十分だ。
それだけで。
はじけるような肌だ。
眞澄。
眞澄。
眞澄。
(世奈子)眞澄さん。
婚約おめでとうございます。
あら。
ありがとうございます。
(世奈子)今日はお祝いの席をレストランの方に用意してあるの。
あちらにいらっしゃらない?
(崑一)慌てることないよ。
あのね。
実はね…。
(崑一)こちらが…。
ママなんだよ。
うん。
マダムでしょ?こちらの。
いや。
そうじゃなく…。
何?何なの?あっ…。
参ったな。
(世奈子)ちょっとあなた。
酔っぱらってるの?
(崑一)いや。
彼女と付き合ってるとね時々こう外されてずっこけそうになる。
(崑一)あのですねこちらのマダムヨナがですねぼたんのママ。
母親なんだ。
えっ?じゃあ…。
じゃあ?つまり離婚した僕の元妻。
(世奈子)おめでとうございます。
(崑一)ありがとさん。
(世奈子)眞澄さん。
崑一をよろしくね。
ええ。
あのう。
私離婚した男女は口も利かなくなるものだと思ってました。
でも何だかお二人を見てると…。
(世奈子)でもこの人とはずいぶんケンカもしたけど嫌いでたまらないってことはなかったの。
でもどうしても耐えられないことがあって。
それは?私の器量ではとても乗り越えることができなくって。
あっ。
崑一さんって女性にモテそうだから。
(世奈子)違うの。
そういうんじゃないの。
そういう単純なことならいいんだけど。
そのうちあなたにも分かるでしょうけどね。
(崑一)おいおい。
もうそれ以上言わないで。
眞澄がおじけづいてしまうよ。
ホント。
(世奈子)まあこの人は若いから大丈夫かもしれないわね。
(崑一)頼むよ。
(世奈子)眞澄さん。
私に関しては何も心配することないのよ。
崑一さんから慰謝料も頂いて。
この店だって立派にこうしてやっていけてるんだし。
でもね子供を残して出てるもんだからそのことだけが。
(崑一)だから彼女ならぼたんのことを任せても絶対大丈夫。
僕にほれてるのかと思ったらぼたんに目がないんだよ。
ぼたんがかわいくてぼたんの面倒見てやりたくてそれで僕と結婚する気になったといってもいいぐらいで。
ねっ?そうだよね?まるで私の子供みたいなんですもの。
(崑一)ハハハ。
(世奈子)あら。
嫌だ。
あなたの子じゃないのよ?間違えないでちょうだい。
ぼたんは私の子なのよ?ごめんなさい。
もちろん…。
もちろんそうなんですけど。
それは…。
(崑一)あっ…。
食べよう。
(世奈子)一つだけ条件があるわ。
いつでも私の好きなときにぼたんに会わせてくださいね。
(崑一)そんなことは分かりきったことだよ。
眞澄だって了解してるよ。
ねっ?眞澄。
私としてはあなたにはいっぱい言いたいことがあるけどまあ余計なこと言ってぼたんにつらく当たられても困るし。
そんなことしません!私絶対まま子いじめなんかしません。
ちょっと大人げないよ。
自分の子供のようにかわいがってくれるっていうのにそれ以上何が不足なんだ?おっ。
いいよ。
泣かなくてもいいよ。
眞澄が悪いんじゃない。
この家出妻が年がいもなくひがんでるだけなんだから。
うん。
(崑一)頭を下げたらどう?どうせ自分じゃ育てられないんだしぼたんをよろしく頼むって。
そう言ったら?
(世奈子)そうね。
私としたことが。
こんな若い人が4歳の子の母親になってくれるっていうのに。
悪かったわ。
ホントに悪うございました。
(世奈子)頼みますね。
ぼたんのことよろしくね。
かわいがってやってくださいね。
私立派に育てたいんです。
私に育てさせてほしいんです。
(世奈子)ええ。
ええ。
お願いするわ。
眞澄さん。
ママ。
必ず私が。
(崑一)ああ。
いい景色だ。
もうこたえらんない。
(世奈子)おバカさん。
いい気になるんじゃないわもう。
(世奈子)私ね薔薇って花が大嫌いなの。
美しいくせにとげがあって自分の美貌を意識してつーんとお高くとまってる女みたいでしょう?
(崑一)眞澄は違うよ。
ちっとも美人ぶらない。
(世奈子)いいの。
あなたは黙ってて。
薔薇が嫌いだなんてローズガーデンを営んでる人に嫁いできて罰が当たるけど。
でも嫌いなものは嫌いだから仕方ないじゃない?だから薔薇に対抗して子供にはぼたんって名前を付けたの。
そうなんですか?ママが。
(世奈子)うん。
牡丹のように気高く気品のある娘に育ってほしいと思って。
ええ。
分かります。
ぼたんちゃん。
きっと名前どおりの子に。
頼みますね。
ええ。
私の力の限り。
これでまあ何とか結婚にこぎ着けられそうだな。
(司会)それではご入場です。
(拍手)
(・『結婚行進曲』)
(司会)新郎新婦のお色直しは…。
(世奈子)はい。
どうぞ。
うーん。
おいしい?
(萌子)あのう。
私眞澄の母。
女優の萌子でございます。
(世奈子)これはどうも。
恐れ入ります。
びっくりしておりますの。
お母さまが有名な女優さんでいらっしゃると聞いてもう私。
(萌子)いえいえ。
有名だなんてとんでもない。
(世奈子)いいえ。
テレビでよくお見掛けするお顔ですわ。
光栄ですわホントに。
(萌子)よろしくお願い…。
(世奈子)こちらこそよろしくお願いいたします。
うるさい!ゴーホーム!帰れ!帰んなさいよ。
ここをどこだと思ってるの?お前なんかが出しゃばる幕じゃないよ。
さっさと帰れ。
(世奈子)私はね崑一さんが出てくれというから出席してるだけなんです。
崑一が何を言ったか知らないけどアイドントケア。
てめえどの面下げてのこのこ出てこれると思ってんだ。
このカオルコが許さないよ。
ずうずうしいにも程がある。
さっさと出てけ。
(世奈子)ドントタッチミー!触らないでよ。
(カオルコ)あんたもねどうしてこんなあばずれに挨拶なんかするんだ?花嫁の母親ならまず私のところへ来て頭を下げるのが筋だろうが!
(萌子)すみません。
おみそれいたしました。
おい。
こら。
出ていけ。
恥を知れ。
何もたもたしてる!こら。
出ていかんかい!
(萌子)あっ!?それ私の赤ワイン。
出ていけ。
ママ。
(平野)駄目ですよ。
ママ。
ママ…。
(泣き声)
(司会)新郎新婦のお色直しが整いました。
さてここで花婿の崑一さまから花嫁の眞澄さまへ特別なプレゼントがございます。
(どよめき)
(司会)皆さま。
かねてより崑一さまがご自身の小日向ローズガーデンの研究室にて開発に力を注いでおられました新種の薔薇。
それがついに今日この日に完成いたしました。
(歓声・拍手)
(司会)この香り高き新種の薔薇は花嫁のお名前を取ってマスミ。
(萌子)マスミ!?
(司会)マスミと名付けられましてただ今ここに花嫁へお贈りすることになったのでございます。
何という愛情の発露でございましょうか。
オードリー・ヘプバーン。
プリンセスモナコ。
世界には名だたる美女の名前を冠した薔薇が数々ございますけれどもこよいここにマスミ。
マスミと名付けられました新種の薔薇が花嫁眞澄さまに贈られたのでございます。
(拍手)
(司会)花婿からの最高の愛の証し。
心の底からの贈り物。
妻としてこれ以上の幸せがありますでしょうか?2015/12/03(木) 13:25〜13:55
関西テレビ1
新・牡丹と薔薇 #04[字][デ]【ぼたんが繋ぐ運命の糸】
昭和57年の夏。高校3年生・眞澄(美山加恋)は不安を胸に抱えながら、産婦人科を訪ねる。眞澄は大学生の彼の子を宿していたが、その彼は交通事故で亡くなってしまい…。
詳細情報
番組内容
崑一(岡田浩暉)の家を訪ねた眞澄(美山加恋)は、そこで4歳の少女と出会う。彼女は崑一の娘で名前をぼたん(古川凛)と言い、誕生日は眞澄が産んだ子と同じだった。あまりの偶然に、言葉を無くす眞澄は、思わず崑一にぼたんが養女なのかと尋ねてしまう。突拍子もない眞澄の質問に、崑一は笑うばかりだが…。
番組内容2
ぼたんが広い屋敷で寂しく暮らしていると知った眞澄は、ぼたんを育てたい、ぼたんの母親になりたい、と思うように。崑一にぼたんへの思いを熱く語る眞澄。傍から見るとそれは、眞澄から崑一への“逆プロポーズ”のようだった。
崑一は眞澄との結婚を決意する。そして崑一は、眞澄に世奈子(田中美奈子)が先妻であることを告白する。
出演者
小日向ぼたん:黛英里佳
小日向美輪子:逢沢りな
牧原世奈子:田中美奈子
小日向崑一:岡田浩暉
浅黄萌子:山口いづみ
西山眞澄:美山加恋/小日向眞澄:伊藤かずえ ほか
スタッフ
【企画】
横田誠(東海テレビ)
【原作・脚本】
中島丈博
【演出】
西本淳一
【音楽】
中川幸太郎
【主題歌】
サラ・オレイン「涙のアリア」(ユニバーサルミュージック)
【プロデュース】
西本淳一(東海テレビ)
大久保直実(ビデオフォーカス)
坪ノ内俊也(ビデオフォーカス)
【制作著作】
ビデオフォーカス
【制作】
東海テレビ
ご案内
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ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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