京都の丹後ちりめん工場で働く小牧あかねさん。
ある深刻な悩みを抱えています。
それは不眠。
寝つけないまま結局朝を迎えてしまう生活が20年も続いています。
(松嶋)つらいやろうな。
(三宅)不眠はつらいよね。
その悪影響はあちらこちらに現れ…。
倒れ込んでしまうあかねさん。
随分つらそう。
絵が得意なさくらちゃんが描くお母さんの姿も…。
きれいな字書きよるな〜。
体力が落ちて気力もなかなか湧いてこないというあかねさん。
いい公園!いきなり泣いたらそんなの使えんね。
そのお悩み承ります!朝までぐっすり眠れるようになりたい。
松嶋明日の朝6時に起こしてくれる?オッケー起きれたらね。
寝らんない場合あるからね。
めっちゃ寝てるでしょいつも。
ハハハ!松嶋寝られない時はどうやって?何してる?寝れない時?ないね。
うちの旦那がちょっとそれなった時があって。
焦って寝れない寝れないって…。
(鐘の音)何?どうされました?
(一柳)ご紹介しましょう。
今回のきわめびとは僧侶の吉村昇洋さんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
日本人の5人に1人が悩んでいるという不眠。
その原因の多くはストレスにあるといわれています。
一体どうやったら眠れるの?広島にある吉村さんが副住職を務める禅寺。
毎週開かれる座禅会には一年に延べ1,000人を超える人がやって来るそうなんです。
そのモットーは…
(松嶋)ほう〜科学。
そう。
「お坊さんなのに科学?」って思いますよね。
実は吉村さん臨床心理士として心の病気の治療に当たる心理カウンセラーの顔もお持ちなんです。
2つの肩書を持つ吉村さんに不眠解消の極意を伝授して頂きます。
なぜお坊さんなのに臨床心理学をやろうと思ったんですか?仏教も臨床心理学もどちらも人の心に寄り添って悩みを解決していくっていう流れがあるんですね。
ですので私にとってはその2つのアプローチをいろんな角度から一緒にやっていくと。
でも「心のとらわれを科学する」というのは何かいい言葉ですね。
ありがとうございます。
とらわれというのがある種思い込みっていうふうに認識してもいいと思うんですね。
その思い込みをなんとかしていく。
それが大事なんだっていう事ですね。
(チャイム)こんにちは。
お願いします。
お悩みを寄せてくれた…小学3年生の娘さくらちゃんと父克司さんの3人で暮らしています。
早速眠れない原因を探るためあかねさんが娘と寝ているという寝室へ。
まず目に留まったのは大量の枕とクッション。
眠るための努力はほかにも…。
薬をのんでも眠れないというあかねさん。
これは難題。
そこで今回用意してもらったのが…毎晩ほぼ9時には寝床に入り朝7時前には起きるというあかねさん。
一見問題はなさそうですが…。
実は一晩で10回以上目が覚めてしまう事も少なくないといいます。
(三宅)つらいなこれは。
これつらいな。
その回数の多さが気になった吉村さん。
事前に撮影した睡眠の様子をチェックします。
この日午後10時に眠りに入ったあかねさん。
その2時間半後…。
このあともなんとか眠ろうとさまざまな快眠グッズを繰り出します。
吉村さん不眠の原因の一端をつかんだようです。
眠るための努力をしているのに眠らない事を脳が学習してしまう?一体どういう事?寝る事以外の事をしてるっていうのは枕を選んだりとかっていうのは寝るための努力ですよね。
はいそうですね。
その辺りはこの…よいしょ。
最新のテクノロジーにより誕生しました不眠ちゃんです。
最新のテクノロジーじゃないだろうな。
手動やんね後ろ。
注目して頂きたいのがこの3つの歯車なんですね。
この3つの歯車が1つ目何かというとこちら。
環境。
(三宅)環境?そしてもう一つ。
体。
体?最後がこちらです。
こころ。
(松嶋)あっこれな気がする。
(三宅)まあそうでしょうねこれはね。
この3つの状態が悪循環をやってしまって結局眠れないという状態になってしまうという。
はいいきますよ。
(松嶋)ああ気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪いなこれ。
(三宅)環境と体全部がつながってるっていう事ですね。
そうなんです。
全部連動しちゃってる訳です。
あかねさんがやっている事。
この環境にはこちら。
快眠グッズ。
(三宅)枕いっぱいありました。
枕だとかいろんな本だとかいろんなアロマもありましたね。
いろんなものが枕元に置いてあった。
それが…。
結局体にとっては刺激物として認識されてしまうという事になる訳ですね。
刺激物というのは?要は寝られない環境の中でずっと快眠グッズと共にずっといる。
で快眠グッズがあっても寝られないとなるとその快眠グッズが今度は寝られない刺激になってるんです。
ああなるほど。
つまり…。
あらどうしよう。
モヤモヤモヤモヤしてしまう。
そしてどんどんどんどん。
負のスパイラルだ。
そうです。
やっぱり眠れないどうしようという頭の中で思いが浮かんできてしまうという事になってきてしまうんですね。
という事は3ついっぺんにこれ止めないと駄目な訳ですね。
不眠を生み出す悪循環を断ち切るにはどうすればいいのか?吉村さんが伝えた極意。
しぶしぶながら寝床の周りにあふれた快眠グッズの引っ越しを始めたあかねさん。
不眠の原因の一つになっている環境を変えるのがねらいです。
あかねさんは部屋を棚で隔てて寝るだけに集中する場所を作りました。
お〜。
(松嶋)絶対いるよね。
寝室あった方がいいよね。
枕元はできるだけすっきり片づけ寝床での体への刺激を減らしたのです。
更に…。
何やら怪しい動きをするあかねさん。
ええっ?何?何か取りつかれたような…。
びっくりした。
憑依されたような。
うう〜!あれは取りつかれていたんじゃないです。
じゃないんですね。
実はこれ吉村さんが体の緊張をほぐすために伝授した…アドバイスやったんや。
これ以上できないというぐらい力入れて。
はい抜いて下さい。
筋肉に力を入れて緩めるという事を繰り返すこの体操。
全身の力が抜ける事で緊張も緩み体を眠りにいざなう効果があるといわれています。
これうちんとこの旦那もちょっと不眠症がちなのね。
これの体操ってどれぐらい先生力何秒ぐらい入れてたの?あれって。
大体10秒ぐらい。
10秒ぐらいガ〜ッと力を入れて。
全部に?全身?これは部分的でもいいです。
部分的にやっていってもいいですし全身でやってもいいです。
5セットぐらい?ここでちょっと疲れたなという時にも効果てきめん!顔の簡単リラックス体操!まずひょっとこをイメージして下さい。
うん。
そんな感じですね。
まさにそれですね。
口をもっと前に出します。
口をもっと前に出します。
今度は目を上に向けて眉毛を上に向けていきます。
笑ってまうねんけど。
もっともっともっともっと。
額にすごく力を入れます。
額に力を入れて口を前に出します。
なかなかいい顔なってますけど。
(笑い声)我々で遊ぶのやめて下さい。
もう一回やってみましょう。
10秒ぐらい要は顔に緊張を走らせる。
しっかりと力を入れていきます。
321。
はい抜いて下さい。
しわになってない?顔に何となくふわ〜っとした。
(三宅)温かみが来ますね。
それがいわゆる力が抜けてる状態ですのでこれを何度かやると自分の顔が今力が抜けてるんだという事を脳が理解していきますので。
(三宅)なるほど。
はあ…。
20年も不眠に苦しんできたあかねさん。
環境と体だけでなく解決しなくてはならないこころの問題がありました。
一日の中であかねさんがどれだけストレスを感じているのか10段階で測ってもらうと…。
美容院や整骨院など本来リラックスできるはずの時間に強いストレスを感じている事が分かりました。
美容院で8ってのは…。
先の事ばかりを考え不安になってしまう。
それは娘のお弁当作りでも…。
一度不安な気持ちが湧き起こると…。
どんどん別の不安が膨らんでくる。
不安が不安を呼びストレスをため込んでしまう事があかねさんの不眠の大きな原因だったのです。
眠りを妨げる不安と向き合うため禅僧の吉村さんが伝授した極意とは…。
吉村さんがあかねさんに伝えたのはふだん何気なくしていた行動を丁寧にやってみる事。
食器洗いとかね。
一体これで何が変わるの?これ分かるような気がするな。
うん分かる気がする。
何か考えてるとず〜っと歯磨いてる事あるよね。
それを今こっち側磨いてって考えればそれを考えてる事でちょっと冷静になれるというか。
そうですね一つ一つの事をやっぱり丁寧に行っていくという事ですよね。
そうしていくと要は余計な思考に惑わされなくなってきます。
例えば不安が強かったりとかすればその不安の事に対してそれを内容をつかんで更にそこから新たな不安が生まれ不安がどんどんどんどん広がっていってしまう。
これは誰でもあると思うんですね。
三宅さんも舞台の前とかそういう不安な事っていうのは浮かんだりしませんか?ありますあります。
夜中にお手洗い1回行っちゃうとまたその舞台を頭から全部頭の中でやり始めちゃうんですよ。
嫌やん。
考え始めるともう自分がその中に没入していきますよね。
ひどい時には入っちゃって思いついた事を今書いとかないと忘れちゃうなと思って起きてメモしてまた寝るとまた考えちゃうみたいなね悪循環になる事もある。
録音機置いておいてムニャムニャ言うたらええのに。
それをどうやったら解決できるかというと今自分がそういう事浮かんでるというふうに客観視する。
そうすると今自分はただこうやって考えただけなんだなというところに収まる事ができる訳です。
(三宅)あ〜そうですね。
まずは自分の状態というのをしっかり見つめるという事が大事だという事になります。
そういう癖をつけると。
そういう事です。
何か正直な話最近の人ってみんなすぐに導入剤とかもらってさ何かそっちで処理してる人多そうじゃない?あとはストレスってねちょっととらえ方によっていろんな印象を持ちますよねストレスって言葉自体に。
そうなんですね。
ストレスっていうもの自体もとらわれというところから考えていった時にストレスが悪いものだと考えればやはり自分にとってダメージになりますしストレスは別に大した事じゃないんだと思えばそれは別に大した事じゃないんですね。
それがこの不眠につながってくる訳ですよね。
そういう事ですね。
不眠を解消する事にね。
なるほど。
松嶋は必要ないね。
そうやねん。
私の場合は負のスパイラル行く前にショートしちゃうみたい。
(笑い声)
(松嶋)あのね寝ちゃうみたい。
何か夫婦げんかとかじゃないけど真面目な話になった時にうわっうわっどうしようどうしようってなったらなもう寝てるみたい。
何だそれ。
丁寧な生活を心がけるようになったあかねさんが新しく始めた事。
これで普通に裁縫とか…。
それは長年手をつけられずにいた刺繍。
すてきな趣味やん。
何かちょっと明るくなってない?作っていたのはさくらちゃんのための小さなワッペンです。
へえ〜器用!これ相当いいですね。
極意伝授から1か月後。
あかねさんは朝までぐっすり眠れるようになっていました。
すてき〜。
そして…。
2015/12/03(木) 11:05〜11:29
NHK総合1・神戸
助けて!きわめびと「朝までぐっすり眠りたい」[字][再]
20年来の不眠に悩む女性に、禅僧で臨床心理士の「きわめびと」が立ち上がる。仏の教えと科学のアプローチで、不安にとらわれて眠れない悩みびとに驚きの極意を伝授する。
詳細情報
番組内容
京都与謝野町に暮らす女性から寄せられたお悩みは「不眠」。夜中に何度も起きてしまい、ぐっすり眠れないまま朝を迎える生活が20年つづく。立ち上がったのは、禅僧で臨床心理士の吉村昇洋さん。仏の教えと科学的アプローチで「環境」「体」「心」の悪循環が不眠を引き起こしていると指摘。さらに、心の問題にもアプローチ。“不安”にとらわれて眠れない悩みびとに極意を伝授する。
出演者
【司会】三宅裕司,松嶋尚美,一柳亜矢子,【きわめびと】僧侶…吉村昇洋,【出演】不眠の「悩みびと」丹後ちりめん工場勤務…小牧あかね,小牧さくら,【語り】本上まなみ
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
バラエティ – トークバラエティ
ドキュメンタリー/教養 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:16767(0x417F)