Malicosmos ―高橋真理子の小宇宙

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2015年 10月 09日

プラネタリウムに投影されるのは、本物の星空ではないのに、ときには本物以上に私たちをワクワクさせるのはどうしてだろうかと思います。劇場や映画館も毎日の生活とは違う空間に私たちをいざなってくれますが、プラネタリウムという空間は、もっと異次元的な空間、私たちが棲む地球を客観視できるような空間、永遠とか無限とかいう言葉が身近に感じられるような、むしろ寺院や教会の空間のような気がします。


とメッセージを寄せてくれたのは、2011年の谷川俊太郎さん。「Memories―ほしにむすばれて」というプラネタリウム番組に関わっていただくときの最初のメッセージ。2001年ごろから漠然と描いていた、いつか、病院や施設でプラネタリウムを、という思いを、無意識のうちに後ろから背中を押してもらった言葉だったようにも思う。


〇病院がプラネタリウム
9月前半に5か所。山梨県内で、数少ない精神的な障害を持つ人たちの集まり。そこの理事長さん、地域の人たちとの交流の場の必要性を非常に感じていて、そういうきっかけとしてものすごくありがたい、と。数十年関わっているけれど、偏見は、いまだに改善されない、と嘆いていた。
今年で2回目の山梨大学附属病院、こちらからもっていった紙に感想を書いてもらった。案外そういうことをしていなかったけど・・
「今日は見るの2回目だったけど、すっごい感動しました。プラネタリウムを見るたび、星が好きになります。私が星に願いたいことは、病気がなおりますように」
はじめて出向いた聖路加病院。今回手伝いにきてくれた星の語り部メンバーの中学時代の後輩が、小児がん治療で有名な細谷先生の息子さんでそこでお医者さんされていたり、細谷先生ご自身もいらしてくださったり、山梨のほうでずっとお世話になっている犬飼先生と仲よしですという方やら・・ いろいろなつながりぶり。礼拝堂の中でドームをたてて、あらためて病院の中での常設プラネタリウム・・どこかで実現できたらすごくいいなあ、と思った。エンターテイメントとしても、祈りの場としても。
国立甲府病院でのプラネはすでに何回になったかよくわからないぐらいになっているけれど、今回のときには、実習の学生がたくさんいて、その学生の感想とともに、いつもお世話になっている主任保育士のKさんが、「私たちにとってプラネタリウムはすでになくてはならないものになっています」というお手紙をくださった。 なくてはならない存在になっていく、それは生きていく意味そのもの。

茨城県立医療大学病院も2回目。保育士さんたちが、星のデザインを用意してまってくれている。そういう準備をしてくださっていると、本番の気持ちの一体感が非常に大きい。比較的余裕をもった人数で、6回投影。スタッフもあちこちから呼ばれて、みんな見る。それがとても心地よい。看護部長さんも、「あの多動の子が・・・あんなに小さい子が・・」と驚くばかりのことがあった、と。
病院プラネ、毎回、山梨から、あるいは、現地で、あちこちからお手伝いにきていただくみなさんがいる。語り部メンバーやUD天文研究会で知り合った方々。ずっと続けていく病院プラネ、あらたな体制づくりに挑んでいく。

〇仲間大集合
アルリ舎で久々の大集合。「星と人」を中心に、いろんな世代がフラットに、フランクに話ができる場。
これもいつかきっと、と思っていた自分の絵にかなり近い。これがもっと日常に、そしてもっと若ものも(笑)、誰が先生でもなく、誰が生徒でもない、生活があって芸術があって科学があって。そういう場づくり。

〇高松にて
いろんな自分がいる。時折矛盾を引き起こしつつ。でも、確実にここに人間でいられるのは、やはり両親の存在、祖父母の存在、ひいじいちゃん・ばあちゃん・・
といつも自分が講演の中で、触れていることごと。
母親のふるさと・高松で、私の祖母からつながる人々が大集合。祖母の4人の子ども、その子どもが8人、さらにその子どもが12人、さらにその子どもが(今のところ)3人・・。結婚式やお葬式でさえこんなに集まっていなかったのに、母の切実な想いによって、それが実現する。そこでspace fantasy live。みなみがはじめてあう親戚たち。
いろんなこと、いろんな想いが交錯する。和やかで、穏やかで、感謝にあふれた時間。

〇東北ツアー
朝7時にでて途中若干道を間違えつつ茨城の病院に。6回投影してから水戸へ、水戸で楽しい会合。一方、学校を終えた子どもらが2人で列車にのって、海外から成田にもどっただんなと東京で合流、一緒に水戸泊まり。翌、ハワイアンズで、1日遊び、いわき泊。翌、だんなは朝イチで東京へ仕事、こちらは蒼太をつれて、南相馬に弾丸ツアー。いわきー小高は往復160キロだった。一方、みなみは千葉のじじばばとアクアマリンふくしま。再度集合ののち、私は車で郡山。そこに車をおいて、花巻での講演・八戸でのプラネタリウムへ。最後に福島で、高校生たちとの星見・談話会。
実にいろいろありすぎるシルバーウィークだった。

小高の久米さんに連れていってもらった、浪江、双葉、大熊。 原発から2キロという地点にも。ガイガーカウンターは6を示す! 浪江の新聞やさん、ガラス越しにみるそこには、3月12日の配達されなかった新聞の山。

イーハトーブ・花巻は、秋晴れの空の下にあるその田園の美しさに心打たれる。何がこんなに美しさを増幅させているのか。。 よくわからないほどの美しさだった。賢治さんのせいかな・・。新花巻駅の近くでもちゃんと見えてた天の川。こういうのを土地の力というのだ、とあらためておもう。 賢治記念館の開館記念講演として、お話させていただく光栄とともに。
賢治祭もはじめてその場にふれ、ますますイーハトーブの文化の根強さを想う。

翌日は八戸のプラネタリウムで、「ベガ」の上映+30分ほどの私の話。
そこにも「ずっとベガがみたいと思っていて、水戸か、南相馬か・・と思っていて、盛岡にも見に行ったんだ」という方。こんなに遠い地で、自分の作品をみたいと切望してくれている人がいる。そこの館長さん、副館長さん、実に楽しい方で、楽しい1日はあっという間に過ぎてゆく。八戸の街や海をみる時間はまったくなかったのが、とても心残りだけれども。
その空気を感じていられるっていうことは、なんとも幸せ。
昔、自転車で旅をしていたころの感覚がいろいろとよみがえる。

福島の高校生たち。さらなるさらなる刺激。こんなにもビジョンをもって、希望をもってがんばる高校生が福島にいる。福島だからこそ、いや、それをサポートするがんばる大人がそこにいるから・・なのだけど。Bridge for fukushima率いる伴場さん。市内に高校生も溜まることのできる場をつくった。そこに、自由な「目標」とか、夢とかが、高校生の手によって描かれている。
彼らと一緒に星を見に行く。月が明るかったのだけれど、もし月がなかったら十二分に天の川が見える空。 自分たちのところで、こんなに星が見えるんだ、と道路に寝転びながら興奮する高校生たち。流れ星、人工衛星、星座たち。そんなホンモノの星空と UNIVIEWでの宇宙旅行・・それが実感として結びつくということほど、自分がこういった話をしていてありがたいことはない。そして、私の高校時代―大学―大学院―仕事の話も。その後もらった、彼らの真摯な言葉たちに胸打たれつつ、自分の場所でもこうやって高校生の成長に関われるようにしたいなあ、とおもう。

〇日芸講義&学校講演
今年で4年目。私が独立するトリガーになった仕事でもある。今年は320人。初日から、「シラバスに有志でプラネタリウム作品つくるって書いてありましたけど、ほんとにやるんですか」と写真の学生。すごい興味あるんですけど、と。
これもしっかり実現しなければ。
中学生向けの講演も、野辺山にて。 中学生たちのノリもかなり好き。

〇心魂プラネタリウム・ミュージカル
同じ志を持つ、一流のパフォーマー・心魂プロジェクト。ほんとに素晴らしい出会いをいただいたな、とつくづく思う。
空間はすべて空気だ。その空気はよく見える、動く、自分の肌や心に刺さってくる。
元劇団四季や宝塚にいた人たちが、劇場に来られない人たちに自分たちのパフォーマンスを届けたい、と立ち上げたグループ。
でも一番最初に、病院で劇場のように舞台で演じたところ、「まったく空気が動かなかった」と。そこで、はじめたのがデリバリーオブデリバリー。 患者さんのすぐ横で、手をとって歌う、語りかける、そういうことを常にする。難病の子どもたちが、ずっと天井を見たまま(なかなか顔も動かせない人も多いので)なのを見て、星空が出せるといいのに、と思ったというのが、彼らがプラネタリウムを発想した最初。また、怖い夜も、昼間に体験した宇宙旅行で、夜も楽しくしたい、という、私とまったく同じ想い。代表の寺田さんが、「プラネタリウムの人知りませんか」と、難病ネットの小林さんに尋ねる。 難病ネットの小林さん、私は一度しかあったことないし、彼は私のプラネタリウムをみたこともないのに、さらっと私を思い出してくれた。今思うとすごいことだった。寺田さんたちと私たちが出逢ってから、1か月ぐらいで、プラネタリウム・ミュージカルはできあがり、UNIVIEW開発者の高幣さんの趣旨に賛同したご厚意にも甘えつつ、UNIVIEW映像がふんだんに使われることに。6月上旬から彼らはプラネタリウム・ミュージカルをはじめ、それを台湾にも届けてきた。そして、今回、はじめて私も加わりながら、完全に一体化するその場に居させてもらった。対談で、互いの「志」がリンクしてくること、星をみあげる意味、そんなことに少し触れ、スペースファンタジーライブ15分バージョンを体験してもらったそのあとに、彼らのテーマ曲がはいる。「さあ手をだして、にぎりあって、燃やそう命の輝きを さあ手をだして にぎりあって 感じよう 命の尊さを」美しい地球を眺めながら。。 2部は・・ 
メンバーで、武術にダンスに歌に映像操作に超マルチタスクな志穂さんのブログ、詳細かいてくださっています。ぜひこちらでご覧あれ。
寺田さんの底なしの情熱と想い、それをどこまでもサポートするダンサー・美奈子さん、それぞれの才能を十二分に発揮しながら、ファミリーをつくりあげるメンバーたち、彼らの在り様も、とても刺激的。何はともあれ、出逢えたことにほんとに感謝。

〇つなぐ人フォーラム
もう7回目を迎える。2月20日(土)―22日(月)、清里・清泉寮に、「この人たちがそれぞれ100人抱えたら、世の中絶対もっとよくなる」っていう人々が100数十人集まるフォーラム。その実行委員会だけでも、実にタメになることが多くて。今回もまた・・
11月から募集開始。 またお知らせします。

〇コラム
赤旗エッセー9月の回は、手紙。ひたすら自戒をこめての文章。。 
ただ、メールじゃなくて、手紙だったらよかったのにな、と思うことはほんとにいろいろある。もちろんメールでよかったな、と思う仕事もたくさんあるけれど。
〇みなみ作品
漫画家をめざす彼女は、しょっちゅう絵を描いて、最近はほんとに漫画らしいものを描いているのだが。私が写真にとると、必ず、「フェースブックとかにのっけちゃだめだからね」とくぎを刺される。こちらは許可をえた動画。
みなみは、自分で「願い師」を名乗っている。自分が強く願ったことは絶対にかなう、っていう自信。 そう、願わなければ、何ごとも。



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# by malicosmos_meme | 2015-10-09 20:24 | Comments(0)

semスキン用のアイコン01自分の位置を知るための星空―8月振り返りsemスキン用のアイコン02

  

2015年 10月 08日

「星が武器としてでなく、希望の光として輝ける日がくることを祈っています」
戦後70年の夏、強引な安倍政権の安保法案をめぐることごとは、ひとごとではない。メディアがさまざまに戦後70年を取り上げる中で、どれだけ加害の歴史を振り返ったものがあったのか否か、ここに書けるほど自分はわかっていない。でも、目についたもののほとんどは、被害の歴史ばかりだった。

「戦場に輝くベガ」をつくった10年前、叫ばずして静かに一人ひとりの心におとす、それが一つの目標だった。平和と言う言葉も使わなかった。ただ、今は、黙っていると、あの理不尽の塊みたいな政権を支持することになってしまう。そんな時代になってしまった。
けれども、「ベガ」をたずさえて、星を見上げることの意味を伝えていくこと、やっぱり、そのことが、自分の立ち位置でのもっとも効率的かつ効果的なやり方なのだ、とおもう。

〇南相馬市博物館での「戦場に輝くベガ」
南相馬にて、博物館にきてプラネをみにきてくださった方々に、あの地域に足をつけ、奮闘つづける人々が多くいらした。
★相馬高校放送部の高校生が自ら語って演じる、原発その後の彼らの生活、思い。「忘れさせちゃいけない」ためにその映像をもって、全国講演してまわる渡部先生。
http://homepage3.nifty.com/…/okono…/okonimigaki2014_6_1.html
など。 何も発信しないことは、現在の政策への賛同と同じになってしまう。叫ばなくちゃ伝わらない、残らない。山梨でも上映会やりたい。
★南相馬サイエンスラボ を企画する斎藤先生もきてくださった。

http://www.sciencelabo2011.com/
サイエンスコミュニケーションの仕事をこの地でつくっていくことの価値、痛切に感じる。情報交換続けたい。

★楢葉と小高の境で、牛300頭の面倒を見続けている「希望の牧場」の方々。
http://ameblo.jp/kibouno-bokujyou/
あの事故がどれだけの生命を奪ってきたのか・・。短い時間だけど教えていただいた。知らないことばかりだった。

★浮船の里 久米さん
http://ukifunenosato.org/
2年前にお邪魔した小高の浮船の里。発信しつづけ、大事にものづくりを続けている。久米さんとお会いしたその日に、まったく別ルートからやってきた「南相馬見学ツアー」のお知らせの中に、やはり久米さんのお名前発見。
★Bridge for fukushima

http://bridgeforfukushima.org/
高校生など若い世代が、自分の将来をどうしていくのか、この土地とどうかかわっていくのか、それを考えるチャンスとネットワークを提供する伴場さん。そんな高校生たちと交流させてもらう機会が来月に。

痛切に感じるのは、やはり、全国の人々が「フクシマ」を訪ねる必要性。

一方、毎回こちらが星空解説をして、そのあとベガをみて・・と顔の見える投影だったせいもあると思うけれど、真剣に、自分に引き寄せて感想を書いてくださる方がとても多かった。まだちゃんとその内容をアップできていないのだけれど、いずれ「ベガ」のウェブサイトに。

南相馬では、上映期間の1日、天測ワークショップも。お客さんくるのかなーとちょっと心配だったけど、どっこい、非常に興味をもった方々がとても熱心に。


ずっと前から(前のバージョンのころから)ベガを見たいと思っていた、それに天測のことも学びたいと思っていた、という方が、2時間ぐらいかけてきてくださったり、星ナビで、ベガのことを知ってからどうしても見たい、と思っていた、という方も。そして自分たちの地元でもぜひやりたい、とおっしゃってくださる。そういう小さな運動が、細く長く続くといいな、と思う。

8月13日には、NHKおはよう日本の戦後70年特集にて、「ベガ」のことを取り上げてもらった。

http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2015/08/0813.html

8月中に「ベガ」は、鹿児島、広島、南相馬、所沢、東大和、駿台学園、石垣島、帆船みらいへ で

上映された。


〇福岡「おいでよ!絵本ミュージアム」

かれこれ6年前に知り合った、NPO法人子ども文化コミュニティの高宮さん。彼女が中心になって企画される「おいでよ!絵本ミュージアム」は、毎年その姿を変えながら、年々上質になる企画展。いつか星のことを扱いたい、と、何度か福岡からわざわざ山梨に足を運び、この距離にありながら、私がつくった番組をだいぶご覧になって、心底その「心」に共感してくださる。

今回あらためて「星」コーナーをつくりたい、ということで、谷川俊太郎さんの「ほしにむすばれて」に、からめて、「Memories-ほしにむすばれて」の上映をしてくださることに。加えて、関連イベントとしてSpace Fantasy Live。

真人さんとあっこちゃんも一緒にいた、今年1月のお茶の水でのイベントにも参加してくださって、そのとき同行していた若いスタッフの藤野さん。彼にとって、Space Fantasy Liveにおける宇宙のそのスケールと自分の立ち位置、は衝撃的だったようで、高宮さんは、彼のその体験を通しての成長をすごく温かく頼もしく見守っている。そんなことが自身の公演がきっかけでおきていること自体が、ほんとにうれしい。

福岡では、福岡から甲府に単身赴任している語り部メンバーや、懐かしい顔、知り合って間もない顔、プラネタリウム関係者、遠い地にあっていろんな方が、足を運んでくださってそのことも何よりもの嬉しさ。高宮さんなどにだいぶもてなしていただいて、福岡の味も十分堪能させていただいた。


〇病院がプラネタリウム

8月は埼玉と静岡。埼玉ではドーム6回。でも、予定していた病棟で感染があって一棟分、みんな来られない・・という残念なこともあり。こういうときに、別の人が個室に出向いていって、ということもできるといいのかなあ、と思う。一人ひとりが感想を書いてくれて、あっという間にきれいに仕上げてくださる。


〇プラネタリウム番組「星空へのリクエスト―おなじ空の下で」

9月頭から公開される番組。8月中に、音楽録音、MA、現場確認作業。音楽の小林真人さん、非常にタイトなスケジュールの中で、当初予定になかった楽曲の数々・・しかも歌まで・・やってもらうことになり、でも、相も変わらず上質で、心の奥深く届く音楽をつくってくれる。あの力はどこから来るのだろう。おかげさまで、言葉との絡み合いの中で、すごく空気感が出せる番組になったと思う。

番組の公式サイトも公開。http://www.hoshi-req.com/


〇星の語り部 夕涼み投影 スペシャルライブつき

今夏、ほぼすべての週末に外イベントがはいって、科学館での夕涼み投影にほとんど参加することが

できなかったのだけど・・23日は、八ヶ岳から甲府に急ぎ、夕涼み投影に合流。語り部メンバーもたくさん集まる。この日は、テーマ曲を歌う、サガノユウキさんの、「生」エンディング演奏。

井上くんによる、この日限りの演出もあり。一緒に歌うと、涙が出る。

サガノユウキさんによるレポートがずっと素晴らしいので、そちらをぜひご覧あれ。

〇キャンプとか

7月に引き続き、多摩の子どもたちの天の川観望ツアー。 3回のうち一番曇りだったか・・という天気だったけど、子どもらは、あのヨモギのにおいとか、サンショウのにおいとかそういうものと一緒に、みんなで肩よせあって草の上に寝転んで空を見るっていうその経験を、どこかで思い出すものとして体にしみこませることができたかなあ。

それ以外にも、福島の母子キャンプでもお話させてもらって、そのときは、ちょっと私の話を聞きにきてくださる方もいたのだけど、これまでかつて経験したことのないソフトトラブルが。。

不幸中の幸いにして、人数が少なめで、すぐに対話できる位置関係で・・そうはいっても、ワタワタしてご迷惑おかけしたことには変わりはないのだけれど。

〇帆船「みらいへ」

船にのって星プログラム。海はやっぱり憧れの一つ。そして海と星はきってもきれない関係。

海、星、天測・スターナビゲーションということで、自身がこれまで制作してきた番組でも、そんな要素が入るものは3つほどある。

「戦場に輝くベガ」「ぼくとクジラのものがたり」、今、神戸で上映している「星空へのリクエスト」も。

「みらいへ」では、スペースファンタジーライブ、「ベガ」、手紙を書く、夜の星(月)見、天測ワーク、とやはり1泊2日ならではの濃さでのプログラム。

ほんとにほんとに残念ながら、今年の8月の天気はほんとに悪かったので、この日もずっと曇天、2日目は少しぱらつく雨。 夜には実際の空のかわりに、甲板に帆ではったスクリーンで、「ご希望の星空」上映。 当方の話のあとに、手紙を書く時間があり、その手紙を披露してくださった方も。

小さいころ、お母さんと一緒に見上げた星空を思い出してのこと。こういうことがおきるのが、すこしゆったりしたプログラムのよさでもあり、船というちょっと特別な場での旅のよさでもあり。

船のクルーの若い人々(女性スタッフの多さにびっくり)のホスピタリティも素晴らしく、またぜひ次回も!と思う。 


〇星野さんの命日

8月報道・・の中に、いつもやってくる8月8日。今年は、その翌日の9日に、星野さんのことをエッセイにかいた記事が掲載された。
あらためて、「星への道」を示してくれた人。 ここに私があるのは、つくづく星野さんのおかげと思う。

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# by malicosmos_meme | 2015-10-08 04:14 | Comments(0)

semスキン用のアイコン01神話の力~7月振り返りsemスキン用のアイコン02

  

2015年 08月 15日

20世紀を終えようとしている今、人間は一体どこへ向かって進んでいるのか、誰もが心に不安を持つ時代である。テクノロジーは人間を宇宙まで運ぶ時代をもたらし、自然科学は私たちが誰であるのかをたしかに解き明かしつつある。それなのに、科学の知はなぜか私たちと世界のつながりを語ってくれない。それどころか自己から切り離され、対象化され、精神的な豊かさからどんどん遠ざかってゆく。私たちは、人間の存在を宇宙の中で位置づけるため、神話の力を必要としているのかもしれない。」
星野道夫「アークティック・オデッセイ 遙かなる極北の記憶」

迷いに迷っていた19年前、星野さんの訃報がはいり、その後どうやって生きていったらいいかをどん底の中で考えていたときに、ある意味一つの解を与えてくれたこの言葉。

今の日本社会、憂えることが多すぎる。原発、戦争法案、オリンピック、教育現場・・ さまざま目につく、社会がどんどんバカになっていく様子。一部、目立つ人がそうなのか、全体がそうなのか・・・その根っこはなんなのか、何がそうさせているのか、自分なりに考えておきたいと思いながら、なかなか簡単なことでもない。
よりどころのなさ。手段の目的化によって、誰のため、何のためという目的を見失う状態。論理性の欠如。こういったことが何かしら関係していることは確実にあるように思う。

そんな中で、とりあえず自分のできること。「サイエンスをベースにした宇宙観を世界のよりどころにしませんか?」ということなんだろうな、と思う。もちろん一度に世界、という大きなものを相手にするのではなく、相手は、生身の一人一人。できることは、そこに共感と感動をつくること。求めてもらうものにつながっていくこと・・。

一緒に番組やりましょう、とお誘いしたその人の人生に大きくかかわるような出来事になったりする。館で番組を見た人が、私のサイトを見つけ、そこから自分の創作活動への考え方が変わるような勇気をもらったという方がいる。私のコラムを読んで、諏訪の優秀な高校生たちが、山梨県立科学館のプラネタリウムを見に来てくれる。(残念ながら私不在・・)いろいろ思い悩む中で、ふと「病院プラネ」のことを見つけて、「手伝いたい」と思い突然メールをしてきてくれた人は、数回ご一緒したことが、その人のアクションにつながった。
そして、一つひとつのイベントで出会っていく人たち。そういう人たちと確かなものを築いていくしか、自分にできることはない。

しかし、7月も波乱ばんじょー
と書いている間にも、どんどん夏の超もりだくさんな出来事が加わってきている最中。

〇病院がプラネタリウム
国立甲府病院でやったときの様子が、山梨放送「ててて!TV」に。
プラネに入る前に、ディレクターさんが、5歳の男の子と保育士さんに対して「何か嬉しいときなどはどんな反応がありますか?」と聞いたのに対し、「足をばたつかせるとか」などおっしゃってくださっていた。その子の様子が、プラネの中でどんなふうに変化するか、カメラがしっかりと追って、だんだんと嬉しくなっていく様子が映像を通してわかる。
重心棟でのプラネは、最初は、映像はしょせん映像でしかなくて、もっと触れられるものじゃないと彼らには効果はないんじゃないかなあ、と思っていたのだけど、回数を重ねるごとに、彼らはどんどん、よい方向へ反応してくれることがわかる。そんな場面をうまく撮ってもらったなあ、と思う。
https://youtu.be/EkuJGgPcHN0


去年もお邪魔した大阪市立大学附属病院と、今年はじめての大阪大学附属病院。どちらも子ども達もスタッフも、いろんな準備をして心待ちしてくれている。阪大のほうは、チャイルド・ライフ・スペシャリストの方がいて、プラネタリウムのチケットまで作って(ちゃんと半券までついてる!)みんな、それをにぎりしめてくる。投影しながらも、たくさん質問してくる中学生男の子、セーラームーンが大好きで、「火星」という前に「mars!」、土星という前に「saturn!」、でてもないのに「Uranus!」ずっと映像とお話に関連したことをしゃべり続けて、終わった瞬間に、「しゃべりつかれたわ」という小学生の女の子、「You raise me up」を、「まとさん」(チャイルドライフスペシャリストの名前)と呼んで、大好きという中1の子のために、まとさんが曲をリクエストしてくださり、その曲で、地球に帰るシーン、その子が一生懸命動画を撮っていて、でも、その動画が消えちゃったというので、みなさんが出たあとに、再度、音楽をかけながら、UNIVIEWを動かす。「めっちゃ元気になった。やばい」といいながら、涙。お母さんも、まとさんも私も。当日、調子悪くて起きられず、プラネも無理かも、といっていた子が、すごい元気になって帰っていったので、看護師さんがびっくりした模様。
後日、その子ためにつくった動画をつくっておくる。
最後は、ドクターたちが集まって、みんな寝転びながら、大盛り上がり。「超感動」「プラネタリウムの概念が変わった」といいながら、晴れ晴れと出ていった。

7月末には、蔵王での難病ネットさん主催のキャンプ。 当事者25名ぐらいにその家族、スタッフ、ボランティア、総勢150名以上の大きな行事。とにかく、普段なかなかできないことを好きなだけやろうっていうのを、主催している側がとにかく楽しんでやっている様子。みなさん、思いおもいに、楽しみ、実行委員の方も、おやじの会も、ボランティアも、みなさん素敵な人たちばかり。
全体のプログラムがゆるやかに進む中で、ずっとプラネをおいて、そこにくる人たちが集まったところで、どんどん見てもらう。そうこうするうちに、初日8回、翌日の午後2時ぐらいまでで6回、計14回の投影!
終わったあとに、「この子(難病の子)のこんな楽しそうな顔、はじめてみました」って言ってもらったり、真剣に見入る子、「ちゃんと勉強してきたんだよ」っていう子、1回目はものすごーく落ち着かなかった自閉症の子、2回目は自らはいってきてとっても静かにみながら、一人で反芻していた子・・。 別の自閉症のお母さんも、なんだか息子さんの様子にも、ご自身でも、すごく感激していかれた。
初日夜は、快晴にめぐまれ、今月2回目の満月、ISS,土星、アルビレオ、全部ばっちり!! すごい贅沢な時間だった。

〇山梨大学「女性キャリア講義」
例年やらせてもらっている講義。毎回、講師が違って、いろんな分野の理系の女性がどんな仕事をしているのか、シリーズできくことができる。 こんな講義、うらやましい。

〇秋山村での星まつり
科学館の星の語り部の活動や私たちの活動にいつも誠心誠意かかわってくださる永井さん。彼の以前の赴任地である秋山村は、すでに彼の情熱によって、「星の村」になろうとしている。
子どもたちに「ここに帰ってきたい」と思ってもらえるふるさとづくり。 子どものときに、友達と夜の時間に
学校にあつまってワイワイと、一緒に星を見る。その体験は、きっと体にしみついていることだろう。
暑い体育館での1時間講演であるにも関わらず、とても反応よく、楽しくやらせてもらった。
空は良く晴れて、月も金星も土星もアルビレオもばっちり。中には流れ星をみた人も!

〇メディアなど
JWAVEの、クリス智子さんによる「Atelier Nova」 に5分だけですが、電話インタビュー出演させてもらいました。こちらに記録が。
http://www.j-wave.co.jp/original/atelier/marble/425.html

赤旗のエッセイは、7月には「ベガ」。 8月は「星野道夫さんのこと」。

それから、杉田このみさんという、若き映画監督。 ベガをつくっているころに、彼女は、卒業制作の一貫として、「日月」という映画をつくっていた。 戦争遺跡を舞台に繰り広げられる物語。
彼女が、地元松山の出版社から本を出すという。 彼女自身が制作をする上で、影響をうけた人々にインタビューをするという形式の本。 その一人に私を選んでくれた。
アルリ舎でまる1日かけて、いろんな話をして、それを彼女ががんばってまとめてくれた。これまで、「3時間自己紹介」と呼ばれる、自分の来し方のことについて、これだけ文章にしてもらったのははじめて。
いつ出版かなあ。 いろんな意味で、自己紹介がわりの本になりそうで、とても楽しみ。

〇これからのお知らせ(と思ったら、アップ前にすでに終了したものも・・・汗)
★プラネタリウム番組「戦場に輝くベガ-約束の星を見上げて」
8月13日 NHKおはよう日本(全国)にてオンエア
http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2015/08/0813.html
8月中毎日 広島市こども文化科学館、所沢航空発祥記念館
8月中土日 東大和市立郷土博物館
8月14-16日 南相馬市博物館  星空解説つき(移動プラネタリウムで)
8月15日   駿台天文講座   高橋智子さん講演「兵用天文学の展開」とともに
8月29‐30日 帆船「みらいへ」 1泊2日の星空船の旅
http://miraie.org/pdf/20150829.pdf

他にもまた調整中のものがあるようです。

★星の語り部夕涼み投影「天の川の向こうへ~いのちのリレーをみつめて」
8月中の土日 17:10~17:30
山梨県立科学館スペースシアター

これに関わってくれたことで、自分の内側にあった宝石を、一気に表現にかえた
小野さん(絵)、サガノさん(歌)。
その二人の輝き方が素晴らしいです。 こうやって出会った人がまた新しい
ものを一緒に生み出そうと、動き始めている。 そういうことのために、語り部の
ような活動はある、といっても過言ではない。





★バンドー神戸青少年科学館 プラネタリウム番組「星空へのリクエスト―おなじ空の下で」
ラジオと星の親和性は、「想像力」というキーワードによって成立する。
「星は人とともにある」というテーマを与えられてつくらせてもらった番組。
コミュニティFMによる「星空ポスト」というラジオ番組を、自作ラジオにはじめて音がはいった
少年が聞き、彼がラジオから宇宙に目覚めていく。 番組を支えているのは、星空ポストに
投稿される、人々の「星への思い」。
相変わらず、ベースになるものは、「人が星を見上げる意味」。 

声の出演  神田亜紀、永田美絵、山川朋美
脚本・演出 高橋真理子
音楽    小林真人 
映像    中村啓
制作    エクスプローラーズジャパン

声の出演に、FMFUJIで、記念すべき第10回ライトダウン甲府バレー(平原綾香さんと土井隆雄さんがきたとき)の特番DJをつとめてくださった神田亜紀さん、渋谷プラネの名解説者である永田美絵さん。
バラエティーに富みつつ心に響く音楽はやっぱり小林真人さん、今回は歌に、叶高さん!スゴイ。 ギターの榊原長紀さん。パーカッションの山本晶子さん。繊細かつ味わい深い映像は、中村啓さん。EJの豊川さん、前島さん。音響はSCの山本さん。 「人は星とともにある」というテーマを出してくださったのは和田さん。
それぞれ、想いをもち、いろんなものが重なり合ったり引出しあったりするプロセス、やっぱり面白い。
しばらく番組制作はいいかな、と思っていたのだけど、つくると楽しい。

9月4日から公開。 
現在、この神戸のプラネタリウムでは、「きみが住む星」も、金曜日の夜、土日などに
上映しているので、1日2作! 見てもらえるともっともお得。

★心魂プラネタリウムミュージカル
元劇団四季や宝塚の方々が集まり、病院にデリバリーパフォーマンスを繰り広げる心魂プロジェクトによる「心魂プラネタリウム・ミュージカル」。初のコラボレ、一般公演です。生きるエネルギーに満ち溢れる空間、感じにきてください。
https://www.facebook.com/events/1609716989278372/


〇子どもたち
波乱バンジョーのひとつの要因は、娘の1週間の入院でもあった。 
激しい腹痛と下痢による入院。2日たったあとにわかったのは、なんとO157。 幸い、学校でも家でも、院内でも感染はなく・・それがひとつの救いであった。 
彼女自身は、終業式含む3日、学校にいけず、こちらは夏休み直前の最後のスパート仕事~と思っていた矢先。それでも、本番にぶつかることなく、周囲に迷惑もかけつつも、なんとか乗り切る。
O157によるベロ毒素がでて、その作用で、血小板の数値が半減、そのまま下がり続ければ、脳症の可能性もなくもない、と言われ、血の気のひく思いであったけれど、そんなにひどいことになることなく、快復。
退院のときも、完全治癒ではなく、まだしばらく検査も続いていて、1ヶ月たってもまだ・・若干の検査が残っているけれど、でも元気になってほんとによかった。
彼女の創作は、彼女自身と周囲を助ける。 
<iframe width="420" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/w9n1ETdADXQ" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>

そして、ほんとは行くはずだった五島列島への5泊6日のキャンプ。それもさすがに体力おちているこのときに毎日、生魚盛りだくさんの海キャンプは無謀・・ということになり、断念。一方、兄のほうは、そのキャンプに小2から中3まで8年間連続でいっており、高校生になった今年も特別に、何度もお誘いをいただいていたのだけど・・高校の(夏休みなのに存在する)講座が連日あったり、テニスの練習もあったり・・で一度、あきらめだのだけれど。みなみがいけなくなって、ほんとに直前だったけど、でもまだどうぞとも言っていただき・・ 30分ぐらい本人考えて、「自分でもだんだんにやけてきた」といって、結論は行く、ということに。
こちらも、夏休みはいって最初の週に、なんでまた連日授業なの、という気持ちがたっぷりあったので、よかったんじゃないかな、と。
行ったら、大学生のキャンプカウンセラーと同じ扱にしていただいたとのことで、それがすごく嬉しかった模様。高校生は青春しなくちゃ。


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# by malicosmos_meme | 2015-08-15 20:00 | Comments(0)

semスキン用のアイコン01星に導かれて~5、6月振り返りsemスキン用のアイコン02

  

2015年 07月 13日

あのともしびの一つひとつは、見渡すかぎり一面の闇の大海原の中にも、なお人間の心という奇蹟が存在することを示していた。(中略)
それぞれの糧を求めて、それらのともしびは、山野のあいだに、ぽつりぽつりと光っていた。努めなければならないのは、自分を完成することだ。試みなければならないのは、山野のあいだに、ぽつりぽつりと光っているあのともしびたちと、心を通じ合うことだ。
サンテグジュペリ「人間の土地」(堀口大學 訳)

大学生のころ、この文章を自分の手帳に書き写して、持ち歩いていた。たぶん、この精神は、自転車で旅をして人に出逢うということに意味づけし、何かに向かって歩く自分を奮い立たせるのに十二分なものだった。
それからちょうど倍の時間を生きてきて、ますますこの言葉を噛み締める。会うべきともしびがどこにあるのか、あのころよりはるかに、クリアにそれを知っている、いや、たまたまなことがほとんどだけど、でも気づくことができる、なぜか引き合う、そして、心を通じ合わせたり、共感したり、感動したりする。それが、自身の仕事における価値、すべてといっても過言ではない。そういう毎日を送っている。
待ってくれる人がいる。そこにいける。それはなんてありがたいことか。

それにしても、いつもだいたい忙しいのだが、ここ数か月は、ほんとに「超」がつく多忙中にあった。1か月に1回のブログさえも書けずに・・・
でも、あと数か月たつだけで、もうあのときのことを忘れてしまう。それがあまりにももったいないので、やっぱり書いておく。2か月分まとめて。

<イベント5,6月>
〇病院がプラネ
5月GW明けの西新潟病院から、今年の「病院がプラネタリウム」本格的にスタート。
2か月の間で、4か所。
西新潟病院や甲府病院の重心の方々にも、だいぶいろんな反応や笑顔が見られるようになってきた気がする。西新潟、山梨大、信州大、長野こども病院。山梨大学の病院では、ちょっとガキ大将の子が、2回ともみにきて、ドームをたたむころに、それが残念で、ドームをバンバンたたいていたり、信州大の院内学級にいた中1の男の子、すんごい素直な子で、「銀河の外に出たとき涙がでた。なんか、ぼくたちは小さいけど、だから一生懸命生きなくちゃいけないんだと思った」とまるで、模範生のように語ってくれた。
長野で、どうしても、といって、最後の1回を特別投影してあげた5歳の子は、翌日、「ありがとうございました」と看護士さんに挨拶にきたという。
この活動のことを、サイエンスライターの林公代さんが、素晴らしい文章でまとめてくださった。
http://www.mitsubishielectric.co.jp/me/dspace/column/c1506_2.html
林さんもずっとコラムを書き続けているが、これまでも最高に近い反響をもらったとのこと。いろんな意味で、このプロジェクトのポテンシャルを感じている。


〇学校公演
八ヶ岳に宿泊学習にくる子ども達。今年はあらたに、東京の高校生にも話をする機会ができ、嬉しい。あまり「一概に」言うことでもないだけど、山梨と東京と、生徒たちのノリは、全然違う、と感じることが多い。東京の子たちのほうが、直接みてとれるリアクションが大きいので、こちらはだいぶしゃべりやすいのであった。終わったあとに、直接、「めっちゃ感動しました!」と、そういう第一声があるのは、とても嬉しい。
川上村で行われる「三鷹星空教室」も3年目。三鷹の子ども達も、ほんとに「さすが」と思うほど、宇宙への興味関心高く、質問がまったく終わらないし、自分の考えも言える子が多い。しかし・・毎年、6月後半なものだから、一度も本物の星空をみれたことがなく、しかも、私たちが帰る22時ぐらいになって、晴れてきたりして、天の川がバリバリみえたりなんかして・・子ども達にとっては、もしかして、これが一生で一度の天の川体験になるかもしれないって思うと、ほんとに、梅雨はもっとも避けてもらいたい季節なのだけれど・・・

〇とよた科学体験館でspace fantasy live
去年のJPA愛媛にて、space fantasy liveをやらせてもらった。そのときに、「何億かけてつくるハリウッド映画より、ずっと上質」と評してくださったのが、とよたの大岩さん。そして、とよたに呼んでいただけることに・・。
あちらのデジタルプラネタリウムのシステムが、ふだん私が使っているものとはだいぶ違うため、かなりご苦労かけて、事前に仕込みをしていただいた。
「やっぱり極上です!」とまた評していただき、また来年も!! と。
愛知周辺の知人たちに十分声をかけられず、次はしっかり宣伝しようっと。

〇池田綾子星空コンサート、「きみが住む星」
プラネタリウム番組「きみが住む星」の音楽を担当してくれた池田綾子さん。去年、FMFUJIの放送部長の手塚さんからの紹介にて、ライトダウンやまなしのコンサートに出ていただき、それからのご縁。自然と一体化する、芯の通った力強い感性。それにどこまでも澄んだ声。そして、このコンサートにあわせて、「きみが住む星」サウンドトラックを、綾子さんが手作りで。この番組の制作チームである、エクスプローラーズジャパンの石尾さんや小瀧さんが、一生懸命手伝ってくれたのでした。
「きみが住む星」、池澤夏樹さんご本人、ドームで見ることがまだ叶ってないけれど、DVDをみて、「とてもよかった」とおっしゃってくださった、と。ありがたい。
いろんな人たちの感想にある「よくわからないけど、泣ける」という言葉に象徴されるように、プラネタリウムは「体感メディア」、そして、自分たちが宇宙内存在であるということを、この番組で体感してくれた人たちはとても多かったと思う。
「きみが住む星」は、バンドー神戸青少年科学館で上映中。また夏から、ぐんま子どもの国でも。「都会」の人たちにもっともっと見てもらいたいけどねえ。
池田綾子さんの「きみが住む星」サウンドトラック、手作りものは、あと数部私の手元に。また、もっとジャケットデザインなどもして、流通に載せるものとして、売るものは、まもなくネット上で発売とのこと。
「きみが住む星」公式ウェブサイト http://www.kimi-yamanashi.com/

〇スウェーデン大使館でオーロラドーム
去年、スウェーデン大使館が主催するイベントに、オーロラドームを出したら、何千人?7千人?という人たちが集まり、パニックになった場所(苦笑)。今回は、観光会社の方々向けのセミナーということで、その心配はなく。それぞれに反応してくださる方多くて、また今後につながるなーという出会いもさまざま。
オーロラ、今、自分がやっていることごとのすべてのスタートラインだったもの。それと、何かしらずっとつきあいながら、生きていけるのはこれもやっぱりありがたいこと。

〇大学生のキャンプ研修
夏に、東京・多摩地区の子供たちが200名、「天の川ツアー」にくるお手伝いをしている。1泊2日を3回にわけて実施。その200名定員に、なんと1800人の応募があったという。主催の手厚いサポートにより、参加費が5000円という破格の値段ということもあるけれど、「天の川」ニーズもきっと高いのだろうな、と思う。これが参加費2万だったら何人だったかなー知りたい。 そのときの子どもたちのキャンプリーダーになる大学生が、2回、研修にきて、彼らに講演。そして観望。1回は、すごいどんぐもりのなか、すこーし雲が切れる中に、流れ星を発見したり(見たのは2名のみだったが)。
暗くて広い広場に、寝転んで、天の川見えたら、ほんとに最高なんだけど・・・
晴れと曇りでは天と地だなー今回のツアー。とにかく晴れることを祈るのみ。

〇陸前高田「星空書簡Ⅱ 瞳に星を、くちびるに歌を」
星つむぎの村チームで、陸前高田の朝日のあたる家にお邪魔するのは、3回目。前回の去年5月の書簡で、素晴らしい手紙を書き(そのときのレポートはこちら)、11月に再会、深夜まであれこれ話し込んだ高校生のほのかさん。彼女が、「宇宙の森」という詞を書き、それに覚さんが、曲をつけた。
今回のステージ、覚、丸尾、私でやるものとしては、初の試みもあり。反省もあり。ほのかさんの詩は、最後に、彼女自身の朗読と丸尾さんのBGM、そして覚さんによる歌と。
後半の手紙シーンでは、これまた去年きてくださって、「ぼくのところにもきてください」と、自身が働く作業所にお誘いくださったKさんがかいた詩に、今度は丸尾さんが曲をつけるシーンも。Kさんの働く「あすなろホーム」は、11月にいかせてもらった。その際のことは、こちらのテレビでも紹介された。彼は、1回目のとき、望遠鏡で「すばる」を見たのが、自分にとって大きなできごとだったと、話してくれた。
その日は、遅くまでチームで振り返りの会。今後、長く、おつきあいしていくのに、最善の方法はなんだろうか、私たちが関わりたい理由はなんだろうか、いろいろと考えながらおつきあいを続けていきたい。ほのかさんやKさんのこれからをずっと見ていたい。
翌日は、大船渡で、はじめてお邪魔する「おはなしころりん」 駅前の通りに、絵本がずらっとならぶお部屋、通りに、「さしあげます」という本がたくさんならぶので、観光客らしい人たちも立ち寄る。小さいところながら、うまくスクリーンを設置して、りっぱなシアターに。未就学児、小学校低学年から中学年の親子が非常にほどよく集まってくれていて、反応もとてもよくて、楽しい時間。

<企画・制作もの>
〇「戦場に輝くベガー約束の星を見上げて」のことごと
戦場に輝くベガ公式ウェブサイト http://www.veganet.jp/ 
戦後70年、という文字、言葉、あちこちで目に、耳にするようになった。あの〝戦争法案“に関わる議論に、多くの人がしっかりと向き合う、考えて、行動する・・いい機会なのだろうと思う。「ベガ」もおかげさまで、単発イベントも含め、現在のところ、11箇所。多くの人たちが、自分たちと決して無関係ではないその存在に気づく、そういう機会であってほしいと思う。
広島や沖縄という、戦争の記憶が色濃く残る場所での上映の他、鹿児島は、ストーリーで登場する鹿屋がある。所沢は航空機専門の館だし、いろいろなところで、その意味を見出してもらっている。
所沢では、天文航法の歴史をテーマにした特別展「星に導かれて~天文航法の歴史」をプロデュースさせてもらっている。 所沢の特別展のページはこちら
完全リメイク版の監修もやっていただいた井上圭典さんがかつて寄贈してくださった、B52に搭載されていた航空機用六分儀を実際にのぞけるコーナー、ひとりプラネと称した展示、などもあり、展示内容は、やはり「ベガ」にいろいろ協力してくださったり、ベガを広げてくださったりした人たちのおかげで、成立した。人の関わりは、人生のいちばんの財産とつくづく思う。

ベガについて、今年も「星ナビ」8月号に、「70年目の夏 今もベガは輝く」というタイトルで、この70年を星視点で概観し、ベガから育っていったこと、「今」の日本に思うことなどを交え、記事をかいた。よかったらこれもぜひご覧いただければ。赤旗7月分のコラムも「ベガ」で。

〇心魂プロジェクト
難病の子ども達、長期入院の子ども達を中心に、病院・デリバリーパフォーマンスを行っている心魂プロジェクトのみなさん。元劇団四季や元宝塚という、超一流アーティストたちの集まり。彼らが、長い夜を病院で過ごすのに、やっぱり夜は宇宙を想像したい!ということを思い、宇宙をテーマにした新作に取り組みたい、と思っていたころに、難病ネットの荻須さんが、私たちを引き合わせてくださった。4月にメールをもらい、そのあとすぐにあって、そのあと間もなく、横浜の彼らのスタジオでプチspace fantasy liveをやって、その後、彼らは合宿で、新作づくりをし・・。たまたま私が東京にでて、2時間ほど時間があったときに、シナリオと映像の打ち合わせをし・・やっぱりこれはUNIVIEWでしょってことになり、UNIVIEWの高幣さんに許可とり、6月あたまの千葉東病院での新作第1回目のリハにお邪魔して、そこで、必要な映像をチェック、その後、1週間ぐらいでUNIVIEW映像をつくって提供・・・という超スピード、でも上質作品づくりに参加したのであった。代表の寺田さんはじめ、ほんとに熱い想いを持って取り組む人たち。同じ志・・同志って、こういうことを言うなあ、と思いながら、すごくいい刺激をもらっている。刺激だけじゃなくて、具体的に彼らのパフォーマンスの在り方とか、ほんとに勉強になることも多々。
9月26、27日には、横浜ラポールにて、心魂プラネタリウムミュージカル、一般向け公演。
私自身は、「生UNIVIEW」やりながら、参加します。
ぜひたくさんの人たちに、あの「熱」を感じに、来てもらいたいなあ、と思っています。
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=52804

〇プラネタリウム番組新作「星空へのリクエスト」
これまた4月ぐらいからわわわーとはじまった制作。実際に動きだしたのは、4月終わりから・・これまたスピード、でも上質(笑)のはず・・。
ラジオ番組がしたてられた、プラネタリウム番組。ラジオというメディアは、星空とすごく親和性あり、というのは、ライトダウンやらせてもらったり、「星ひかり」というラジオやらせてもらったり・という中でずっと感じてきたこと。
こういうラジオ番組企画できるといいなあ、と思っていたものを、プラネでやっている感じ。それに関わってくださっている人たち、FMFUJIで、パーソナリティつとめている神田亜紀さん、第10回ライトダウンのときの彼女の進行素晴らしく、そのイメージの中で、シナリオを描く。彼女、これに関わったことを、心底喜んでくれて(ほんとに、すごい喜びよう)、こういうのこそ、新作をつくる喜び。人を幸せにするプラネタリウムだなと思う。
音楽は、大好きな小林真人さん。相変わらず彼の音楽から離れることできず(笑)。ジャズテイスト、ボサノバテイスト・・そんなもののアレンジのことを想いやっぱり、ということで。映像は、甲府出身の中村啓さん。すごい山梨DNA・・ なんだけど、でも山梨番組ではなく、他の館なのである。
声の出演には、実は、渋谷プラネの永田美絵さんも!番組中には、スターナビゲーションや船の話もあり、またもや「天文航法」づいている夏であった。
正式には、7月半ば・・・なのだけど、こんなに書いている。また、ウェブサイト、FBなどでお知らせしていきます。ほんとにご縁の多い、神戸で9月から封切!

〇帆船「みらいへ」
明石天文科学館の井上さんがご紹介くださってのご縁。日本で、現在、一般の人たちがのれる帆船としては、唯一の「みらいへ」。グローバル人材育成をミッションとして、帆船を使ってのイベントや研修をさまざまに展開している。
船・海と、星空は常に友達関係。やっぱりここでも、天文航法。
8月29-30日。横浜港発着。宇宙といのちの話、戦場に輝くベガを体験してもらいつつ、みなさんと何かしらの想いの共有ができれば、と。もちろん本物の空の時間もなるべくたくさん、この日は十六夜なので月の出も体験。月あかりに照らされる水面も楽しみ。帆をはったり、六分儀体験も、いろんな意味で他にない体験になるかと。上記のプラネタリウム番組中のラジオ番組「星空ポスト」と、気持ちはほぼ連動している。
8月29-30日のイベント詳細は、こちら

〇星の語り部の夕涼み投影「天の川の向こう~いのちのリレー」
2004年から10年以上続けてきた、星の語り部の夕涼み投影。毎年、何かしら新しい風が吹いて、新鮮なものができあがる。10人以上がよってたかってシナリオを書く、というのは、ふつう考えられないことだと思うのだけど、それをずっとやってきているのが、星の語り部。4月からあらたに加わったメンバーが、画伯のように、素晴らしい絵をかくので、今年の売りは、彼の絵。これで、個展、絵本、やりたいね、とみんなで話をしている。
音楽は、こちらから依頼して、韮崎在住の、サガノユウキさん。彼も、プラネタリウムに関われることを、心底喜んでくれて、「いのちのリレー」という、ご自身にとっても会心作を生み出してくれた。宇宙や星空は、ほんとにそうやって、人々の表現に、すごい力を与えるものだとも思う。
7月18日から公開。上映情報は、こちら
星の語り部公式ウェブサイトは、こちら

〇子ども達
高校生の息子、はじめての学園祭。朝に夕に、学園祭のための準備にあけくれ、制作ものなど、クラスの子たちと、ほんとに楽しく活動していた様子。合唱やら、制作やら、パフォーマンスやら、さまざまな得点を合計してのブロック対抗では、見事優勝して、むちゃくちゃ盛り上がった様子。打ち上げ会には、全員出席という、仲良しのクラスにいられて、ほんとによかったなああ、と。学園祭マジックという言葉があるそうで、みんなハイテンションになって、つい好きな人がいっぱいできて、カップルが多数誕生するそうな。

5年生の娘、6月に誕生日を迎える。誕生日に黒板買ってもらって、ご満悦。
友達から借りてきた「お仕事図鑑」の「漫画家」のページに書かれた少女が自分にそっくり、しかも、「ふたご座」があってる、とまで書かれていて、ますます調子に・・
いつかほんとになったときに、とっておきたい1枚。

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# by malicosmos_meme | 2015-07-13 01:09 | Comments(2)

semスキン用のアイコン01新しさは時間を遅くする~4月振り返りsemスキン用のアイコン02

  

2015年 05月 03日

4月新学期シーズン。信州大学の学長が、入学式であいさつした内容が、あちこちで取沙汰された。一番とりあげられたのは、「スマホやめますか、信大生やめますか」という言葉への賛否両論であったけれども、私はそれらよりも、以下の部分にいたく共感した。

自分の時間を有効に使うために、自力で時の流れを遅くする必要があります。そのための五つの方策が提案されていることは良く知られています。
一、学び続けること。新しい経験が得られて、時間感覚がゆっくりとなる。
二、新しい場所を訪ねる。定期的に新しい環境に脳をさらす。
三、新しい人に会う。他人とのコミュニケーションは脳を刺激する。
四、新しいことを始める。新しい活動への挑戦。
五、感動を多くする。

以前、「戦場に輝くベガ」をつくった5か月は10年分生きたなっという感触があった。 これがまさしく、上記のことなんだろうなと思う。そこまでいかなくても、この10年ぐらい、たぶん20年分ぐらいは生きてる自信がある。ほんとに出会いに恵まれてきて、それを資産にこの先十分生きられる、って思ってきたけれど、そしてそういう側面もあるのだけど、でも、まだまだ想像を超える出逢いはあるんだな、と。そして、そういったことは、まさしく時間の流れを遅くしていく。

でも自分自身に積み重なってきたもの、つまり経験が10年前と今とでは違うので、そこでの「新しさ」の意味もまた違ってくる。 深い共感を伴ってやってくる「新しさ」は、すごく新しいっていうより、やっぱりどちらかというと必然という言葉に近いものだったりする。 そうしたもののほうが、確実に出逢いが力になっていく。

そういうことをいろいろ感じる4月であった。

〇小林孝一カフェめぐりライブ 「時のびっくり箱」
映像とマイク、という二つの私の必須アイテムをどちらもなくして、小林孝一くんの歌に、私との対談、あるいは朗読というものを織り込んでおこなった。 結果としてすごくいい時間。 
「生きているってなんだろう?」「宇宙における存在という視点」「時間・・について考えることの奥深さ」
孝一くんの歌詞は、いろんなところで、私が常々思っていることとシンクロする。でも表現の仕方がだいぶ
違う、そこが面白くて、また話がつきない。
彼のブログのほうが、ずっとよくまとめてくれているので、ぜひこちらをご参照あれ。

〇皆既月食観望会
4月4日(土)。 土曜日の夜21時前後という、とてもいい時間帯にある、そして今年唯一ぐらいの、注目天文現象だったのに、残念ながらまた曇り。
でも、その日は信玄公祭りで、駅前で望遠鏡やプロジェクタだしていると、いろいろ人がよってくる。
県外の人も多くて、なんか面白いことやってるんですねーということで、話をしはじめると、そのうち
「ぜひうちの子のいる学校にきてください」なんて話になる。
通りかかった、紳士的な男性と話していたら、「高橋真理子さん! 友人にこの人に会いに行きなさいって
言われてました!」とか・・。 
楽しい一期一会。 駅前観望会の醍醐味はなんといってもそこ。 定期的にやりたいねーといつも終わったあとに話をするのだが・・・。

〇「きみが住む星」を聞こえない人達、見えない人達に
要約筆記をつけて星空解説やってみたいね、という話になったのは、語り部メンバーのSさんがいてくれるおかげ。そこから、聞こえない、聞こえにくい人たちとの関係性がはじまった。 プラネタリウム番組「きみが住む星」が全字幕がついたのも、科学館天文スタッフの一人の想いと、語り部からの想い。
26日の要約筆記つきプラネには、聞こえない人達が、おそらく15名以上いらしたと思う。 
一方、「副音声つき」という話も、点字毎日やライトハウスの全国ネット系で情報が流れているため、結構あちこちから問い合わせあり。 先日は、神奈川のライトハウスから11名も団体でいらしてくださり、翌日は、「あの音源がほしい」という要望のお電話も。
こういう人達に届け続けたい。 いろいろ形をかえながら。

〇病院がプラネタリウム 新たにスタート
2015年度は、セイコーエプソン株式会社さまに全面的にお世話になりながら、実行することに。
プラネタリウムのドームと機材からはじまり、法人でもなんでもない単なる「個人事業」を、これほどまでに支援してくださるなんていうのは、考えられないこと。 それを実現してしまっている社会貢献の部署のみなさん。そのすべてのきっかけは、つなぐ人フォーラム。
今年の予定もどんどん決まってきた。 その中にあって、プラネタリウムだけじゃなくて、ちょっとワークショップも加えていけそうなときも。 これもまた「つなぐ」つながり。 似たような志を持つ人たちには、あまり言葉が必要ない。1時間の打ち合わせでそれは決まる。
今年度バージョンの病院がプラネタリウムは、こちらに。

〇新たなコラボレーション
その「病院がプラネタリウム」をきっかけに出会った方(実はまだ直接お会いしてないけど)が、同じ志をもって非常にパワフルに活動している、「心魂プロジェクト」に、私のことを紹介してくださった。 元劇団四季、元宝塚という一流すぎる人たちが、病院に「デリバリーパフォーマンス」しにいっている。実は去年、新潟の病院にいったときにそのちらしが張られていて、「へーこんなことをやっている人たちもいるんだ」と思っていたのだが。 彼らが、ちょうど宇宙を題材に一つの作品をつくりたいと思っていた矢先、私のことが紹介され、その後はものすごいスピードで・・、互いのパフォーマンスを共有し、よしやるぞー!状態。
代表の寺田さんがここに至った想いと、私が想ってきたことは、いろんな意味で重なる。 
今年中にコトが起きる予定。こうご期待。
心魂さん以外にも、「一緒にやりましょ~」ってことになった、ちょっと斬新な音楽グループも。いろいろなチャレンジがまっている。

〇星空書簡を長く
去年5月に実施して、大きな感動をこちらがもらってしまった星空書簡。そのときのレポートは、こちら
今年もまた、同じ場所、陸前高田の朝日のあたる家でやらせていただけることになった。ステージとしてはもう3回目になることもあり、私たちももう少し新しい地平に、ということで、これまでは、覚・丸尾のリーディングライブと、私の星空の話はちょっとわけてやっていたのを、今回、完全一体型に。
大きな地球を眺めながら、覚さんの「ヤーチャイカ」が。 鳥肌。 とかそういう調子。
6月20日(土) 陸前高田 朝日のあたる家にて
ちらしができたら、ウェブサイトにアップします。

〇天文航法に関する企画展
今年は戦後70周年にあたり、プラネタリウム番組「戦場に輝くベガにとっては、もっとも機会が増えるであろう年。もちろんこちらとしては、そういったことに関わりなく、10年後も20年後もまだ語り次ぐべき物語と思っているのだけれど。
今年は確実に5か所以上で上映。 また、それに伴って、一つ、比較的規模の大きい企画展も実施できることになった。戦争という切り口より、もっと幅広く、星を見上げることで、人々は、自分たちの立ち位置を知ってきたというメッセージとともに、天文航法を掘り下げる。
自分ももっと勉強したりしないと、全然できなくて、資料についても、あれこれと調査中。
これまでの作品を再度、しかるべき人たちに届けなおしたいというのは、自分が独立したときの一つの想い。
それがまた新しい要素を加えたうえで、実現できるっていうのも、ほんとうにありがたいことだなあ、と思う。

〇これまで制作してきた番組、そしてこれから
上記のように、番組をきちんと届けなおしたい、という想いと、ちゃんとまとめなおしておきたい、という想い。
懸案だったのは(まだ解消してない)、それらを概観するということ。 それの一つの方法はウェブサイトで、2年ぐらいずっと空白だった、自分のウェブサイトの「works」のページの「プラネタリウム番組制作」のページ
これをようやく埋めつつある。 しかしまだ終わってない。
でもこれに向かうエネルギーは、いまだに、科学館に、「以前オーロラストーリーをみて感動して、それを学校の生徒に見せたいと思って。 加えて、高橋さんの話もしてほしい」という要望があったり、「ぼくとクジラのものがたり、についてもっと知りたい」とか、他も、こういった問い合わせをしてくださる方がいるということ。そして、この人が作ったものをどこかで見られないのかな、と思ったときに、それなりに情報が届けられるということ。また、これからつくろうとしている人たちに少しヒントになるような要素があること。(それのためには、今の状態だと足りない)
そんなさなかにあって、また新しい番組制作もできることに。 山梨ではないところで。
これもまたちゃんと情報発信できるときになったら、お知らせをします。 こうご期待。

〇アルリシャリーフレットも新たに
これまで、space fantasy live、移動プラネ、病院がプラネ、など、個別の紙になって、手刷りでそのたびに渡したり・・していたものを、まとめて一新。 まだ完全にできあがっていないけど、もうまもなく。

〇人はなぜ星を見上げるのか
常なるテーマであるこの言葉。 これを、また改めて深く掘り下げていける機会をいただけそう。
書くことによって。 まだ未知。 でも形にしたい。 がんばればできそう。 そういうところ。
そう思っていたところ、もう9年前に書いていた同名のブログが、結構自分のブログのアクセスの
中では一番多いぐらいのところに来ていることに気づく。
昔の文章のほうが、洗練度があったようにも思う・・・ 反省しながら、また深めていく。


〇新年度
子どもらにとっても、新年度。 息子は晴れて高校生。 娘も悲喜こもごものクラス替えと担任の先生も新しく。 息子、保育園からの仲良しと、なんと同じクラスになるという嬉しい入学式から、部活も友達もすごく楽しい模様。 高校はいってすぐに、いきなり志望大学を書かされるということには辟易するけど、それがゴールじゃない、高校でしかできないことをおもいっきりやってほしい、そういうことを前よりもずっと率直に言えるようになった感じがする。 
そして小中学校の給食の存在のありがたさをあらためて思う・・。 さすがに毎日の弁当はムリ。でも、毎日コンビニはこちらも抵抗あり。 その中間のところでなんとかやっていく。 お弁当つくりながら、毎回、えらいな私、と誰も言ってくれないので、自分で言う。
困ったことは、彼が部活で帰りがいつも遅く、私が遅くなるときに、娘が一人になっちゃうこと。

娘のほうは・・漫画家になりたいパワーがさく裂。 書くもの、言うもの、なくならないように、なるべく残しておいてあげなくちゃ・・と思うのだけど、かきちらし、つくりちらし・・なもので、案外難しい。
最近のゲーム機は、動画をつくるのが超簡単で、彼女のつくるパラパラ漫画をなんとか動画にして残しておきたいのだが・・・。 
また次なる課題。

いろんな「新しさ」。 「新しい」とは、まだ形になってまもないこと。 
それがちゃんと光り輝くように。 がんばらなくちゃいけない。
ここにまだかけない、大きなことももう一つ。 それもきちんと輝きを放つように。 
生きる。 あきらめず。 生きる。







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# by malicosmos_meme | 2015-05-03 23:31 | Comments(0)

semスキン用のアイコン01めまぐるしく ~3月振り返りsemスキン用のアイコン02

  

2015年 04月 08日

今の時期は、めまぐるしく色彩が変わる。めまぐるしく人々が入れ替わる。
桜は、ふと気づいたらもう満開になってしまっていた。何かにとらわれてしまって
いることごとをもう一度俯瞰し、考えなおして、大事な時間と空間をとりもどさねば。

先月のブログにも書いた、高校生が、覚和歌子さんのウェブサイトにのっていた
言葉を、自分のノートに書いていた。
やたらと流行った「ありのまま」という言葉。ありのままの自分とはいったい何か?
「他人になろうとしないこと、他人の目に映る自分を生きないこと、
現行の自分を過不足なく語れる言葉を持つこと」

好きなものはたくさんあって、好きな人々もたくさんいるけど、最近、その
対極のものもどうも増えているような感じがするのは何故だろう? 何が
いけないのか? 自分の頭が固くなって受け入れられるものがせばまって
いるのかしらん? 社会もおかしくなっているのか、いろんなものが
二極化しているのか・・ 

さて、3月振り返り。
★想い続ける力~山梨から被災地へ
テレビ山梨の三塚さんがディレクター。3月11日オンエア。
3月報道・・になっちゃいけないと思うけど、でも、その報道は
大事。忘れないこと。できることは、すごく限られているけれど、
でも、1年に数回でも必ず行って、人と話して、土地の変容を見て、
空気を感じてくる。 それはほんとにいつまでも続けたいなあと思う。

★プラネタリウム・ワークショップ「オリジナルの惑星をつくろう」
プラネタリウムで想像力の翼を十分に広げて、そのあと、何か創作をする。それが手元に残る。これはとてもいい流れだなと思う。2004年からずっと、いろんな切り口で続けてきたプラネ・ワーク、今年は珍しく2つとも子どもたちがたくさんのテーマになった。今回は粘土。
「よりみちアート」の羽中田桂子さんと、ピエールJUNこと名取淳一さんに来ていただいて、粘土ワーク。最初にプラネで、太陽系の惑星をいろいろみて、系外惑星もみて、系外惑星にはどんなのがありそうかなーとあれこれ想像してもらって、創作。かなり小さい子たちもいて、夜の時間帯なのに、みんなもう、素晴らしいのがたくさんできる。できあがったのをお互いに眺めながら、自分はこういうことを考えてつくったということを皆が発表。それに対して、「そのチョコレートはとけないんですか」とか、「そのアンテナみたいなのは何するんですか」とか、互いにいっぱい質問しあう。最後には、ドームの星空の中に撮影された20個の「星」を張り付けて、みんなで眺める。望遠鏡でのぞいて、こんなのが発見されたら、宇宙はもっと愉快になる。この日、自閉症の子が参加していて、彼があまりに夢中になってプラネに見いり、作品をつくり、そしてみんなの前で発表し、質問にも答え・・というその姿に、お母さんがびっくり大感激。いつも、なかなか人の中にはいっていけずにお母さんもあれこれ思い悩むことが多かったようなのだけど、星空の力か、プラネタリウムの力か、はたまた粘土の力か・・。プラネタリウムワークショップ、こういうことがよく起きる。何故だかそういうことに出会えることが多い。


★職員研修? かわさき宙と緑の科学館
去年、「博物館館長研修」に参加されていた、かわさきの科学館の館長さん。そのときの話が、とても印象深かったということや、プラネの職員の方からも当方へのリクエストをくださって、「市民博物館」のさきがけでもある、かわさき宙と緑の科学館で、職員やボランティアさん、あの生田緑地内の他の館の方もきてくださって、お話させてもらった。嬉しかったのは、その館長さんが、去年の研修のあと、職員向けにその報告文書に、印象的な言葉をピックアップして、それをまとめて回覧されていたということ。その中に、私の言葉が、私自身の言葉よりももっと洗練された感じでたくさん載っていたこと。(笑) まったく・・どこかの館長に見せてやりたいなーとつい思ってしまう。
でも、自分が発信したことを、誰かが深くうけとめそこからアクションしてくれる。これは、ほんとに活動そのもの、生きるそのもののエネルギーを生み出してくれる。そして、プラネタリウムも見学させていただいた。フラット、同心円。広い空。オーソドックスだけど、やっぱり味のある、ベテラン国司さんの投影。平日だというのに、たくさんのお客さんと最後の拍手。お客さんそのものが成熟している感あり。 慌ただしく帰らねばいけなかったのが、とても残念だったけど、こうやって呼んでもらえる機会、1年に1回とか2回・・あるだけで、何故かほっとしていることに気づく。自分なりに蓄積してきたものを、何かの形で還元したい。という思いがやっぱり強いから。この半年ぐらい費やして、書いてきたプラネタリウムのコンテンツについての文章も、同様に。
こういったことを、いつまで、どんなふうに、どんな形にしていきたいのか、もう少し自分でもクリアにしないといけないのかな、とも思う。

★高校でのspace fantasy live with 小林真人
去年も呼んでいただき、その間に、真人さんリサイタルなどにも来てくださるO先生がいらして、今年もまたご縁をいただく。なんと、その高校は、息子が4月からお世話になる学校なのであった。真人さんの高校時代の恩師も今、こちらにいるし、息子が行くってことになって、最近やたらと、自分の近くにいる友人たちが、結構その高校出身者が妙に多いことにも気づいたり。
半分は、私たちの来し方。半分はspace fantasy live。
一番前で前のめりで聞いてくれていたのは、生徒会長くん。彼の質問も、最後のあいさつもとてもよかった。そして、帰り際、「たぶんこれ、人生の転機になります」と。 また保護者として、彼の行く末をこっそり見にこようっと(苦笑)。

★やまなし子どもサポートでの講演
「やまなし子どもサポート」主催の会にて、「宇宙と私たちのつながりについて~宙をみていのちを想う」講演。ケアする人のケアという言葉を知ったのは10年前ぐらいだったけど、そういうことに、きっとプラネタリウムは何かできるんじゃないか、と漠然と思っていたことが、リアリティをもって、目の前で受け止めてくれる方々に呼んでもらえること、とてもありがたいと思う。
「やまなし子どもサポート」は、いろんな「サポート」団体によって構成されていて、DV被害者支援、刑務所出所者支援、薬物依存症支援、外国人支援、食料支援、精神的支援・・いろんな人たちがいろんな角度から、それぞれに寄り添うべき相手に寄り添っている。 代表の方のあいさつで、現在は6人に一人の子どもが貧困との話。しばらくそのことでいろいろ考える。いったい、どこまで「自分ごと」にしていけるのか。でもやっぱり、これはみんなの自分ごとでなければ、絶対に解決していかないようにも思う。子どもの貧困は、子ども自身の問題じゃない。 「涙あり、笑いあり・・素晴らしいお話でした。私はいて座なので、さそりに向かって射る姿なのですが、今日は、うお座の高橋さんに射られてしまいました」とは最後の、副代表の方のご挨拶。 あらたな視点や発見・・・たった一瞬の癒しとか楽しみだけじゃない、持続していく「よりどころ」。そう思ってもらえるために、あと何をどうやってやっていくのがいいのか。

★プラネDE婚活、こたつDE婚活
八ヶ岳婚活委員会の五味さん、多賀さんに呼ばれてのイベント。そのうち、委員会のブログに報告がアップされる・・はず。
こちらとしては、ちょっと星ネタのアイスブレイクや、かるた・パズル・・プラネ以外のアクティビティでもかなり盛り上がったり、寝転びながら見てもらったプラネ、「泣きました」って男性、約2名。だったり。
中には、山で天の川をみて、ますます星空が好きになり、ちょっと活動に参加させて、という方も。なんか、ここをきっかけにして、そんな人たちが何回か集えるチャンスがあると、その先がかわってくるのかな、という気もする。


★子どもたちの春
3月は、子どもたちのことが(自分としては、普段に比べるとはるかに)盛りだくさんの月だった。
蒼太は、入試があって発表があって、三年生贈る会があり、卒業式があり。いい学校、いい友に恵まれたことを思い、また、9年間の義務教育が終わるんだなー、いよいよ大人になるんだなーと思ったら、今、伝えておこう、と思うことごとがいくつか出てきたので、たぶん、蒼太にははじめてかも、というぐらいの長い(といっても2枚)手紙を書いた。彼の春休みは、友達と出かけるのも、忙しく。おそらく冒険的なものは、みなみの友達が複数泊まりにきたときに、逆に蒼太は、友人2人つれて大泉のアルリ舎へ。昼間には、延々歩き、清里散策、かえってきて男3人で、ハンバーグづくり、夜には、望遠鏡だして、月、木星、土星。これまで対して教えてもこなかったのに、一応導入の仕方を教えておいたら、木星、土星も入れて、その縞模様もわっかも見れたといって、感動したようす。月は、スマホで撮るこつまで習得した模様。(私、いまだにできない。)そして、ほぼ徹夜して、朝かえってきて、その後、夕方まで寝ていた・・。
みなみのほうは、そのお友達との「お泊り会」が超もりあがり。
FBにアップしたら、これまたかなりオオウケした、彼らの動画。(撮るのも自分たちでやっている)井上涼さんという、かなり不思議な動画をつくってなかなか一世風靡?している作家さんの作品を、彼らなりにアレンジして劇やっているのだった。


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# by malicosmos_meme | 2015-04-08 01:44 | Comments(0)

semスキン用のアイコン01しみじみと~2月振り返りsemスキン用のアイコン02

  

2015年 03月 08日

また誕生日を超えた。つくづく「また」という感覚。2月を味わう・・ことがあまりできずに過ぎてしまった感もあるけど、一方で、振り返るとやっぱり、しみじみすることがある。

★姫路文学館
この1年、ほんとに兵庫とのご縁が多いように感じてる。神戸市青少年科学館での研修、チャイケモハウス、のじぎく支援学校、今回の姫路。去年のつなぐ人フォーラムに、神戸在住の、大学時代の友人を呼んだことからのことごとも、また、今年のつなぐ人フォーラムも神戸の人が私のプラネにやたらと反応してくれたり(笑)。
姫路文学館、そこから堂々たる姫路城を臨みながら、まわりは昔ながらの町屋の雰囲気を残す静観なところ。
姫路文学館は、ちょうど「播磨の星ものがたり」という企画展を行っていて、野尻抱影氏とつながる桑原昭二氏(元姫路科学館館長、元教育長など)が、姫路高校の天文気象班とともに調べてきた、播磨地方の星の名前がさまざまに紹介されていた。
今回、それとも少し絡めつつ、「星のコトバをよみとく~宙をみていのちを想う」というタイトルでお話させていただいた。いつものspace fantasy で語るようなことより、もっとこれまでやってきた企画のこと、そこから見えてきた星を見上げることの本質・・・それに関連した、文学に描かれてきた星の情景なども入れていたら、盛りだくさんすぎて、ちょっと1時間20分に収まらず・・。でも、「これまで見たことないような講演会」に、みなさんだいぶ満足してくださった模様。

この日、関西・中国方面のプラネ関係者が集う日になったことも、妙にうれしいことだった。私的に、大きな気づきをもらったのは、今回の企画展にも関わられて、いろいろお世話もしてくださった吉岡さん(星の子館)と、展示をみながら「何故、万葉集、古今和歌集もろもろ、星の記述が少ないのか?」という話題をしたこと。「恐れ多くてかけなかったんじゃないか」っていう話もきいたり、池澤夏樹も日本の文学の成熟度とからめて書いていたりしたけど、どうも納得できないものばかり。でも吉岡さんが、「日本人の感性は、うつろいゆくものが美しいと感じる感性なんじゃないか。桜が散る、といった一瞬のはかなさみたいなものが。それに比べると星は変化が少なすぎたんじゃない?」と。これについては、妙に納得してしまった。たしかに、地上での変化がほとんどない砂漠の文化と、次から次へと四季折々の変化が見えるこの場所の文化では、まったく違うものができておかしくない。日本人のオーロラ好きにも通じるものがあるような気がする。 

プラネの人々といろいろ尽きぬ話をしながら、星の子館の観望会も見せてもらい、そのあとには、またそこにはこれなかったプラネの人々が飲み会として集まり・・。明石の南極授業のことからはじまり、船のプロジェクト、私が何故独立したのか? プラネの可能性もろもろ、「同志」という言葉がぴったりの仲間に会えるのはとても楽しいこと。

兵庫でのまた別の出来事。去年7月にお邪魔して以来、交流が続いている県立支援学校の高校3年生のTくん。彼の学校の先生は、もともと「星つむぎの歌」つながり。ほんとに天から降ってきたみたいに、その先生は、本屋さんで、「星つむぎの歌」絵本に出会って、こちらに連絡をしてくれてからのおつきあい。Tくん、抱える大きな特徴ゆえ、他者との関わりでいくつかの困難を抱えながらも、私は、あのspace fantasy liveのあと、なんどか文通を続けている。
彼がまもなく卒業を控え、自立できるようにと個室でがんばって生活する姿を見せてもらい、そこで、彼の好きな長淵剛の「未来」を歌い、そのあと「星つむぎの歌」を歌って、そこから眺めた夕焼けの色。

他者との関わりの中で、自分を生きていく。どんな人にも与えられたその使命。これを書いている今日は、彼の卒業式。彼が笑顔で、みんなに「ありがとう」と言えることを心から願いつつ、エールのファックスを送った。

★実家のある自治会での講演会
自分の親、企画なので、ちょっと恥ずかしいなあーと思っていたけど。自治会長さんもとても一生懸命で、集会所の窓を全部外側からはって、真っ暗状態をつくってくれたり、布スクリーンをぶらさげる棒もとりつけてくださったり。そして幼稚園、小学校の同級生の親御さんたちがたくさんきてくださって、「まりちゃん、まりちゃん」と声をかけてくださる。大学のときからずっと離れていて、今、帰るのもお正月のときぐらいという、地元不孝なのにもかかわらず、こうやって優しく受け止めてもらえたこと、とてもありがたい出来事だった。小中学校にも声をかけるわよ、と言ってくださった方も多数。また次につながるといいな。
しかし・・この前日、みなみが高熱をだし、当日の朝、実家の母親にきてもらってそこからバトンタッチで、こちらが実家にいって・・という妙なことになってしまった。もう6年前に、出身中学校で講演したときには、みなみはまだ4歳で、その日、保育園にいかない、と泣かれて、車にのせて連れてきたこともあった。どうも・・何かあるのかなあ。
実家からほど近い、荒川の土手から、富士山の頭と、浅間山の頭が実に、同じような具合で見えるということを発見。上、富士山。下、浅間山。
住んでいたけど、見えていなかったもの、風景、人、年を重ねるとそういったものがつながってくる。だから年を重ねるのは悪いことじゃないと思う。
★つなぐ人フォーラム
このことは、前回のブログにまとめて。

★星の語り部東北・被災地プラネツアー
震災以降、「星の語り部」として行ったのが(自分が参加できたのが)3回14か所、「星つむぎの村」で2回1か所、「星空工房アルリシャ」で、3回7か所・・そのたびに、そこで生活するみなさんと会い、土地をみて帰ってくる。年に1回か2回、そういう機会をつくって、その匂いや音や空気を肌で感じて帰ってくる。
前回のブログ、「つなぐ人フォーラム」の報告に書いた、「自分ごと」「自分たちごと」、やっぱり、被災地のことは、みんなが少しずつ自分ごとにしていたいことだと、ほんとに思う。
今回、陸前高田、気仙沼、南三陸、石巻とちょっと強引なスケジュールで、実質2日間で7か所まわった。プラネは14回。金曜日の夜に甲府を出て、東京組と石川PAで合流。朝まで走って、高田の玉の湯。朝からごはんもお風呂も・・・。すごくいいところ。
高田の一本松は、そのまわりの土砂を運ぶ巨大なベルトコンベアーに阻まれどこにいるのかわからないぐらいになってしまっていた。生きていた、そして生きていく土地を自然から取り返す作業・・。もちろん必要なことだろうとも思いながら、そうせざるを得ない、人間っていう生きものに、複雑な想いになる。

以下、尋ねた先、備忘録的に。
高田の「あすなろホーム」(授産施設)は、前回「星つむぎの村」でいった、朝日のあたる家でのイベントにきてくれた、ホームの利用者さんが、「うちにぜひきて」と言ってくださり、実現した。実にいい場所で、こんなにノリのいい大人投影ははじめて、というぐらい。彼らがつくっているケーキやお菓子を、終わったあとたくさんいただいて、それがまたすごくおいしかった。
その後の気仙沼の旭ヶ丘学園は2回目の訪問。40名ほどの子どもたち、すごい盛り上がりよう。ピエールは、ひたすらバルーンアートを100個ぐらいつくってた。
再び陸前高田、仮設住宅へ。ここも語り部メンバーのお友達がいる関係から、すでに3回目の訪問。以前中学生だった子が高校生になって男3人でまたきてくれている。仮設は、まだほとんどの家が埋まっていて、つまり、仮設から出られる人はまだほとんどいないという状態。
話をしはじめると長いけど、去年、陸前高田の朝日のあたる家にておこなった「星空書簡」イベントにきてくれてた高校生、Kさん。そのときのレポートに彼女の手紙を掲載している。その彼女の手紙に触れたあと、聞かせたい音楽やら、覚さんの本やらいろいろ送った。それを彼女は確実に受け止め、その後、詩をさらに多く書くようになり、音楽の時間の課題である「作詞」で、「宇宙の森」という詞を書いて、県のなにがしかで入選したという。その彼女が、夜、仮設でのイベントに、友達をつれてきてくれた。イベント後、去年の彼女の状態と、そんなときの「星空書簡」の時間がどれほどに彼女に大きな穴を埋めることだったか、ということを語ってくれた。そのときだけでは時間が足りず、結局彼女は、翌日の私たちの南三陸の宿まできて、夜中に話をするということになったのだった。
伝えたいことがあって、伝えている。そういう仕事は、それを受け止めて、何かが変わっていく人があってはじめて意味をなす。彼女は、宇宙の研究をしようとするでもなく、また作詞家や詩人を目指しているわけではない。でも、確実に、宇宙という概念と音楽や詩(詞)が、人を支えていくであろうことを、彼女のあり様が語ってくれている。そうやって、覚さんの仕事も、私の仕事も、背中を押されていく。
彼女の書いた詞に、今度は覚さんが曲をつけ、次に高田にいくときに披露できそう。

翌日、高田の朝日のあたる家、南三陸の平成の森、石巻北上小近くの仮設住宅・・ちょっとそれぞれに距離がありすぎ・・それぞれの場所で人がちゃんと集うだけの時間的な余裕をつくらないといけないな、という反省あり。
施設とか保育所じゃないところで、親子連れが集まるイベント的な扱いの場において気になったこと。プラネの中で、落ち着いて座って話が聞けない、ずっと歩き回っちゃったり、下手すると吹き出し口の穴にはいっちゃったり・・多少のことは全然オッケーで、にぎやかぐらいがいいのだけれど、なんというか、そういうにぎやかさと別のもののように感じるところが多かった。子どもたちもストレスがたまっているんだろうなあ、そもそも親もストレスがたまっているんだし。今回、そういう印象を、一緒にいった仲間もみんな感じ、4年という時間の重さをあらためて思う。
あのとき中1だった彼らは、もう高2。 小1だった子は、小5。それぞれの大事な育ちの時期を、あの状態とずっとつきあってきた人たち、そして子ども。
あらためて被災地じゃないところに住む人々がやるべきことはなんだろうか、何ができるんだろうか、と、ちょっと簡単に答えがでない問いをぐるぐるとしている。

石巻の北上小近くの仮設の集会所、ここも語り部メンバーつながりの校長先生からのご紹介で。その校長先生の奥さまも、また、前週の「つなぐ人フォーラム」に、なんとほとんど知り合いもいないのに、ネットでフォーラムのことを知り、単身参加していらした石巻の訪問診療をやっている女医さん、彼女と話をし、今回のイベントのことをお知らせしたら、友達を連れてわざわざきてくださった。そのお友達が、後日くださったはがき。 ありがたい。
その夜は、南三陸のさんさん商店街でご飯を食べるつもりで、戻ってきたら・・
22時まであいているという情報の店が2件あったがどちらも閉まっていて。
みんなでこまったなーというとき、まだ明かりのついて(のれんはもう終われて)
た、お店のマスターが、「つくっちゃいますよ」と。ボリュームたっぷりの
焼きそばとラーメン。
28歳の元気なマスター。おばあちゃんが南三陸で店をやっていて、それを継ごうと
東京からやってきたあとに、震災にあう。「以前よりずっとお客さんがきてくれて嬉しいっすよ」
彼のような「風」から「土」になる存在、きっと今の東北ですごい大事だと思う。

最終日は、志津川保育所へ。子どもたち90名、楽しいことは一つでも多く。彼らの心のどこかに、星空が残っていてくれると嬉しいなあ。

今回の旅に、テレビ山梨のクルーが同行し取材してくれた。放送は3月11日。

★共同通信連載
「宙を見あげていのちを想う」10回連載。山梨での掲載に続いて、連絡がはいったのは下野新聞(栃木)、神戸新聞、新潟日報。
神戸は、一番載せてほしいところの筆頭でもあったので、すごくうれしい。

★子どもたち
1月も熱に悩まされたのに、またもや!というだけでおさまらない、みなみが1週間の高熱(扁桃腺炎)・・という事態があったり、でも学校の2分の1成人式やら、友達との「2分の1成人式」撮影会があったり、こちらの出張のとき、みなみが夜中3時まで寝られずに苦しんでいたり(その後の高熱はこれのせいかも)、それでも、後半2回の週末はほとんど不在にて、どうやって乗り越えたものか・・と思っていたのだが。3回分の「プレゼント」と手紙を用意して、毎朝あけるようにしていったら、それが大ウケ。絶対寝るぞ!状態をつくっていたのであった。
兄の蒼太の入試は、私が東北からかえってきた3日後。まったく受験生の親とは思えないこの状態・・しかし、本人は、そういったことに文句言うこともなく、妹のさまざまな感情起伏を目の前にしながら、そして、受験を控えながら、さほどイライラを見せず、いたって平常心で過ごしているように見える。たいしたもんだなあ、と感心する。


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# by malicosmos_meme | 2015-03-08 23:33 | Comments(1)

semスキン用のアイコン01第7回つなぐ人フォーラムsemスキン用のアイコン02

  

2015年 03月 04日

「つなぐ人フォーラム」がはじまったのは2008年9月のこと。
そのときのことを、まったく全体報告というのではなく、自分的な方面からの感想が主体ではあるけど、フォーラムがはじまった経緯も含めて書いているのがこちら。そんなのを見ていると、つなぐ人フォーラムの歴史とか書きたくなって、まてまて、今それに費やす時間じゃないぞ、と。でも、もしかしたら、また7年後ぐらいにこれを見返すときがくるかもしれない。

先日の「第7回つなぐ人フォーラム」。毎年ほんとに面白い人たちが集まり、毎年充実度は増しており、おそらく加速感もあり。これまでと、今回のと、少し相対的にみながら、今年、自身のテーマになったこと、気づいたこと、などを残しておきたい。
スタッフあわせて170名ほどの参加。フォーラム後のアンケートや、フォーラムが終わったあとのFB上で、その興奮やら気づき、またそこから新しい生活とのリンク、などなどそんなものを見ながら、思ったこと。その後の自分の中でぐるぐるまわっていることも含めて・・

★スピード感
何人かの実行委員が言っていて、私もそう思ったけど、「つながるスピードがはやくなっている」。なりふり構わず名刺を交換しているわけでもないのに、互いの共通項を見つけつつ、相手の話を新鮮に聞ける。そういう相手が実に多い。
場が成長してきているのかなとも思う。
当然のことながら、何か人が集う場をつくるとき、そこにいる人たちと、ファシリテーターと、その間の空気は、ほんとにナマモノ。でも、自分がどうふるまうべきかわかっている、ある意味成熟された場のようにも思う。もちろん、それがどうもざらざら感になったり、居心地悪い人もいるだろう。でも、そういう気持ちさえも、何かの折に外に出すことができる、そういうきっかけを与えてくれる人がバランスよくいる、そんな感じ。

★働き方・あり方、生き方
いわゆるフリーランスで働く人、組織で働く人、その中間にいる人・・それぞれやっている内容はかなり違ったとしても、働くスタイル別で考えると、自分が活かされているか、他者と力をあわせているか、当たり前だけれど、社会をよりよく構成するための要素が見えてくる。一人ひとりの中にあるものを、なるべくひっぱりだして、それを仕事につなげようとお手伝いする仕事、組織でマネジメントする人、スタイルを模索する人、いろんな立場の人がいるから、ほんとにポジティブに話が進んでいくんだろうな。
同業者の集まりが、何かと組織への不平不満になりがちなのとかなり対照的。
一人ひとりの想いが実現できて、かつ、それを組織の力に変えていこうとしている人たちにも出会えた。そんな話が際立っていたのが、シミンズシーズの柏木さん。自立した市民を支援するNPO。とにかく楽しいことをたくさん生み出しながら、ソーシャル課題を自分ごとに変えていく。そういった市民を支援するには、とにかく自分たちが楽しくないといけない!というコンセプトのもと、一人ひとりの想いの共有と振り返りがすごい。こういう働きがそれぞれの公共施設にあれば、また社会は変わっていく。
一人ひとりの想いを実現する組織、アメーバ―型。
こういったことと似た話を、3年前のつなぐ人の2.5時間ワークショップで、知恵熱が出るぐらいに白熱した議論をした。そのときのつなぐ人報告はこちら
自分の想いと社会のニーズの接点。そこでの仕事。それを実現するためのさまざまな手法。それを実践している人をそれぞれ知っているっていうだけで、希望が生まれる。そういう希望が、このフォーラムには満ちている気がする。
でも、ほんとうに大事なのは、こういった希望の気持ちを、いかに自分の場所に応用していくか、それこそつなげていくか、っていうことなんだよね。

★不惑? それぞれの年代があるっていうこと
最終日の2.5時間ワークは、いつも2日間過ごしたのちに、ワークショップを企画したい人が手をあげて、最終日の時間を過ごす。15本ぐらいのワークが、2日目夜までにたくさんあがってた。
当日朝、緊急の用件(自分の失敗がゆえの)あり、長坂の街までいって、帰ってくるという1時間のロスあり。そのドライブの間、上記の「個人と組織、働き方、ありかた」っていうテーマで提案すればよかったなあ、なんていうことを思っていながら戻ってきて「Happy 40! アラフワ世界フワフワ会議」へ。入ってきたら、みんな胸にガムテープつけて、そこに「S50」とか、「S52」とか書いている。なんだこりゃー。私、あと数日で、四捨五入するとあっちの世界なんですが・・と思いながら。救いは、私と数か月違いのKさんがいてくださったこと。(笑)そして、すでに「提案すればよかったなあ」と思っていたことがばっちりそこで行われていて、自分が思っていたよりはるかに面白いことがすでにおきていた。ワークショップ企画者の一人、川路さんが、糸井重里の「ゼロになってちゃんともがく」を紹介。今のこの40でのもがきが、10年後、何に変わっていくのか、いけるのか、みんなそれが知りたい、と思う。
 ぐるりと環になって、今とこれまでの自分を伝え、聴きたいことを聴き、自分を持ち出して、いろんな人生に触れる。私はやっぱり、いろんな人の生き方(もちろん、それぞれ一生懸命である生き方)に触れるのが好きだなあ、と感じる。これは大学生のころから全然変わらない。「自分」というものを必死で探しながら、他者との関係性の中でのみ生きていく人間。地球上に生を受けてから、地球が太陽の周りをまわった回数という意味合いにおいて、誰もが等しい時間を経由している。その等しい時間というなんとも言えない漠然とした感覚があるから、共感度も高くなるのだろう。そこに、少しその時間の少ない年代は、その先の生き方が見たい、と切望する。先に時間を過ごしたものは、自分がきた道を何かの形で、残したいと感じる。おそらくミームとして。そういった関係性こそが、健全なというか健康な社会のために必要なんじゃないかなあ。実にすがすがしい思いにあふれた会だった。

★自分ごと、自分たちごと、そうでないこと
「自分ごと」「自分たちごと」そういう言葉を使う人が多い。原発も、震災も、教育も、子育ても医療も福祉も、とにかく大勢が「人ごと」と思っていると、なかなかよい方向にいかない。いかに「自分ごと」「自分たちごと」にしていくか、それが地域をつくる力になる。Think the Earthの谷口さんが「自分ごと化のエッセンス」という45分を行った。同名の本をつくるとしたら、どんなタイトルが必要?というお題を、各グループの話の中から引きだしていく。私がいたグループで話されたことの中で、興味深かったのは、何でもかんでも「自分ごと」にしていたら、生きていけない、っていう話。それはほんとにそうだな、と思いながらも、完全にそのことにうなづけないのは何故だろうか、ということを考えていた。今の社会があまりに「人ごと」と思う人々であふれているからだろうか? ワークショップの最初のときに各グループごとで、「自分ごと」になっていくときのキーワードをあげてください、と問われたとき、まっさきに思い浮かんだのは、「当事者」ということだった。先に書いた、原発、震災、教育、子育て、医療、福祉・・当たり前だけど、かなり社会的弱者となる当事者が必ずいる。その当事者にどれだけ寄り添うのか、それが「自分ごと」にするっていうことなんだろう、と。その当事者がリアルにそこにいるかどうか、というのがまずはきっかけなんだろう、と。
 一方、45分の枠が空くことになり、実行委員の一人、寺田さんが私に一緒にやりましょう、と声をかけてきた。そして「行先は宇宙?海?山?半径10m以内の「旅」のススメ」という45分になった。趣旨としては、私がやっている病院がプラネ、みたいに、なかなか届けられない人に届けていくことって、どんな人にどんなことができるんだろう?というのを一緒に考えようというもの。寺田さんの提案で、フューチャーセッションのスタイルにて、考える、聴く、伝えるのが短い時間の中でもあれこれ起きる。最後に、「どんな人に、何を届けていきたい?」と言うことを各自紙に書き、似たような意見を持つ人をみつけてその輪でさらに話をする。このお題は、少し、参加者のみなさんを戸惑わせたようだった。すぐに意味がわからない、思いつかない人も多かったように思う。このお題は、言い換えてみれば、どんなことを「自分ごと」にしていきたい? ということだったのかもしれないし、自分ごとになっていることは、何だろう?ということだったのかもしれない。
 私は「ひきこもり」がキーワードになったグループで意見交換した。そのとき、「自分ごと」と「当事者」の間の深い溝を思い、それをわざと埋めようとしたり、無理やり近づいていこうとする「おせっかい」ということを思った。私が常々思ってきた、星空を届けたい相手、被災地であり病院であり人数としてマイナーな人たちであり、ストレス社会であり・・。言ってみれば、超おせっかいなことをやっているようにも思った。でも・・こういった当事者こそが、誰かと関わっていくことが必要で、それが社会がやるべきこと、なんじゃないの?とも思う。自分の「ほっておけない感」と、相手が必要とすることの間に、自分の仕事。そのバランスが、社会全体で保てれば、こんなに幸せなことはないのだろうけど、実にバランスのとれていないこの日本。そのバランスのために、「つなぐ人」ってたぶんまだまだ日本社会に足りていないんだと思う。

★存在
人とつながっただけじゃなくて、自分とつながりました、と感想を言っていた人たちが結構たくさんいた。 たぶんそれはほんとに人それぞれの、悩みやら課題やら、何か漠然ともやもやしたものや・・千差万別にあるのだけど、いずれ一つの器にはいった自分という存在とどうつきあっていくのか、これをどう活かしていくのか、他者とどう相対するのか。これはおそらくみんなの共通項。
共通するものを持ちながらも多様な他者に囲まれ、自分がどんどん相対化されて、そこであらたにきづく人。共感する力を十分もっていながら、流されない「突起」(と誰かがいっていた。このときの議論を正確に伝えているかわからない)があるから、自分に気づく。 そういう人がこれまた多かったのかも。

1日目と2日目、どちらも夜の時間帯にプラネタリウムをやった。懇親会の間中、ひたすらやったので、いわゆる懇親会の時間はほとんど参加してないんだけど、でもこれをやっていることの意味合いっていうか、やりがいっていうか、つなぐ人には強烈にある。もちろん「宣伝」の意味合いがないわけじゃないけど、日中、すごいいろんな考えに触れ、心がかきまわされ、かなりテンションがあがっているときに見る、宇宙。そこからの地球。他のときに比べて、各段に涙流す人が多い・・・。
他者と出会って、おそらく自分というものをすごく意識しているそのさなかに、存在っていうがどーんと落ちてくるというのか、なんというのか。
それを言葉にして語ってくれる人もいるし、よくわからないけど、泣けます!という人もいる。でも、「宇宙」って確実に人々と、その社会のよりどころになっていける、なっていてほしい、と思えるもの。そういうものを携えて、いられることのありがたさをまた感じさせてくれる時間でもある。

「つなぐ人フォーラム」この先、どこへ向かっていくだろう。もっとブレイクスルーが欲しい、と思う人々、今のままでも十分、もっといろんな人たちに知らしめたほうが価値があると思う人々・・
私はこれまで集った「つなぐ人々」のことを、本で紹介できればなああ、と思っているのだけど。



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# by malicosmos_meme | 2015-03-04 00:21 | Comments(0)

semスキン用のアイコン01よりどころとしての宇宙~1月振り返りsemスキン用のアイコン02

  

2015年 02月 09日

お正月に、池上彰「大人の教養」という本をなんとなく手にとって読んだ。教養とは、自分を知ることです、というコピーにひかれ。教養=リベラルアーツとは、自由になるための学問。一人ひとりが民主主義の社会を生きるために必要なもの。かつてのギリシャ時代に発端をもつリベラルアーツは、文法、修辞学、論理学、算術、幾何学、天文学、音楽 だったという。池上さんは、「現代の日本における7科目」を提案する。それは、宗教、宇宙、人類の旅路、人間と病気、経済学、歴史、日本と日本人。すべては、「われわれはどこからきてどこに向かうのか」つまり、自分を知るために必要なこと、だ、と。とても共感できる内容だった。
このことは、大学の講義ではもちろん常々意識してきたことだけれど、プラネタリウムの存在意義についても、きっともっと、こうやって自信をもって言えばいいんだ、と。でも、必須科目の中に、やっぱり数学と音楽も入っていたほうがいいな、と思う。

あっという間に2015年も1か月。しかも2月も3分の1が過ぎてしまった。
大事な2月。
 
☆アルリ舎新年会
小林真人ピアノリサイタルの打ち上げとしての新年会。遠方からのみなさんを歓迎するかのように、なんとも美しい八ヶ岳の日。友人の桂子さんの手料理もたっぷり、リサイタル当日のビデオを全部みて、生演奏もしてもらって、アルリ舎前から見る、満月の月の出! オレンジ色の月、じょじょに現れる冬の一等星たち。そうこうするうちに、満月なのに、こんなに星が見える!状態に。


☆日芸 ライブ、課題
日芸の授業内で特別にspace fantasy live。小林真人さんを呼んで。アートの学生なのに、「ピアノの生演奏を聴くのははじめてで大感激」と言う学生が結構多く、驚く・・。でも、真人さんが17歳でピアノをはじめた話、それからの道、そんなことを踏まえての演奏と話。そして私の話とともに。
★音楽とともに映し出される映像は、やはりすさまじかった。すさまじさと同時に自分の小ささと今ココにいるキセキに改めて感謝したいと思ったし、宇宙のはじまりと自分のはじまりが同じだっていうのに、面白さと最高のクールを感じました!
★『愛する人へ』とっても好きです。とてもとても穏やかな気持ちになりました。なんだか改めて表現することの素敵さを感じました。表現の形はどうであれ、私にはちゃんと愛が伝わってきました。様々な形・方法で伝えようと発信したものが、ちゃんと愛として伝わっているのって素敵ですよね。受け手側のとらえ方にもよると思うけれど。自分の抱いた思いを的確に表現してちょうどよい温度で相手に伝えられたら・・・そう私もなりたいです。とても書きたいことが多すぎて全然まとまらないです。とてもわくわくしました。
★実際に生で演奏を聴けて良かったです。1音1音がつぶだっていて、星の1つ1つのようでした。音とセリフがお互いを支え合っている感じがしました。
★講義中に何度も聞いた小林真人さんて人。ネットで調べたりする程、私も好きな音楽です。今回ピアノの前で生で聞かせてもらいました。ピアノの生音ライブ自体初めて聞きましたが、本当に震えました。涙が出そうになりました。私は演劇学科ですが、音響で使いたいなと思いました。私は演技コースですが、自分も脚本を書いたり演劇を作る人間だと思っています。ものづくりの姿勢も勉強になりました。月下の楽園買います。完全にファンになりました。私にとっては海でした。
そして1月は課題提出の時期。3年目になるけど、この講義で知りえたことをベースに何かしらの作品を出す、っていう課題。すごい大変だけど、作品を見るのはほんとにおもしろい。

韓国からきている学生がこの講義の感想と、6年前の「日記」を対象させ、イメージ写真をちりばめながらレイアウトしてある3枚のレポート。
 6年前は夜空を見ては泣いてばかりいた。そのとき、軍隊にいた。同じ年の兵士が46人も死んだ。自分も死ぬかもしれない。ふと見上げたら夜空がすごくきれいだった。星がこんなにある。地球の外はあんなに広いのに私たちはなぜ戦争をしなければならない? 過酷な現実と美しい夜空を比べて涙が出た。「ベガ」の和夫は、70年前の話じゃなくて、こんなにリアルに、目の前に、今、生きている若い人たちが経験していること。そのことにちょっと愕然とする。いつか、学生たちとプラネタリウム番組づくりを一緒にやりたいなあ、と思っている。


☆きみが住む星
ドーム映像に溶け込むような、「大きな」スーパー、たぶんこれまでなかったんじゃないかなと思う。聞こえない、聞こえにくい人たちがすごい大感激してくれて、それが何よりも感激。
見えない人、見えにくい人にも十分伝わるものもある。池澤夏樹という存在に気づけたのは、星野道夫のおかげ。その世界をより深く知りたいと思えたのは、星野道夫を通して知りえた、大事な知人たちのおかげ。この「きみが住む星」の世界を表現してみたらどんなにいいだろうと思わせてくれたのは、今から10年ちょっと前の「星の語り部」誕生にあたる作品づくり。その中心にいた桂子さん。ずっとプラネタリウムで音楽をやるのが夢だった!とおっしゃる、池田綾子さんを絶妙なタイミングで紹介してくださったFMFUJIさん。絶対字幕をつけよう、と心強く思えた、ユニバーサルデザイン天文教育研究会。副音声には、この番組の大きなきっかけを与えてくれた「星の語り部」メンバーが。制作開始から今に至るまで、映像制作組は、それだけで1つの本つくれそうな波乱万丈に満ちたメイキングの背景。池田綾子さんのなんとも透明感あふれる歌声とその音楽の奥深さ、映像と音楽と言葉のバランスをとっていく作業。ナレーションの浅沼晋太郎さんの、近すぎず、遠すぎず、甘すぎず、クールすぎず、これまたなんとも素晴らしい愛情表現の声。たぶん、いろんな立ち位置の、いろんな想いの、いろんな人たちが、それぞれに自分を何かしら投影しながら、見てもらえる作品になっただろう、と思います。ほんとに多くの人に、見てもらいたい作品。

☆語り部合宿
2007年からほぼ毎年、時折年2回、震災の年は被災地にいったので見送り・・ということをやって、おそらく10回ぐらいはやり続けている、「星の語り部」合宿。今年も、川崎市八ヶ岳少年自然の家にお世話になる。ここの素晴らしいアストロハウスをつくられた若宮先生は、今は、茅野市八ヶ岳総合博物館の館長さんになっておられるのだけれど、「語り部行きます~」というと、勤務さえ調整がつけば必ずきてくださる。10年以上前、「見るプラネタリウム」から「使うプラネタリウム」へ、としきりにおっしゃっていた若宮さんあっての星の語り部でもあり、その活動を見てもらえるのも、すごく嬉しい。
その前日も、翌日もすごいよく晴れた夜空だったのに、この日だけぴんぽいんと的に、前線通過・・・宵の時間にはほとんど見えなかったけど、恒例の自己紹介続け、夜中になって空晴れ渡り。月が昇ってしまった時刻だったけれど、寝転んでみんなで空見渡して、十二分に堪能。
ここのアストロハウスに、東京付近にいる友人たちなども呼んでイベントやりたいなあ、よく思う。今年こそなんとかしようかなああ。

☆プラネタリウム・ワークショップ
2004年から開始したプラネタリウムワークショップ。さまざまな創造と出会いと価値を生み出してきたこのイベント。今回のゲストは、「つなぐ人フォーラム」つながりの朝倉民枝さん。「ピッケのつくるえほん」という、素晴らしく創造性の高いアプリの開発者であり、それをつかったワークショップをやっておられる。
プラネタリウム・ワークショップは、「大人のためのクラブ活動」というサブタイトルをもってはじまった経緯もあり、これまで結構大人でやっていたことのほうが多いのだけど、今回は絵本ということもあり、3歳児から、小学校低中高学年、加えて、語り部の中高生と、そして大人、幅広い年齢層が集まった。これだけ幅広い年齢層が等しく夢中になれるもの、というのもそう多くはない。
朝倉さんが、すてきにレポートをまとめてくださっているので、それをぜひご覧いただきたい。

☆プラネタリウムフェスティバル
毎年、1月は、館の行事がいっぱい。これも10年以上続いてきた山梨のプラネ最大イベント。今回は、知る人ぞ知る、星のお兄さんの爆笑プラネタリウムも取り入れ、館側では、懐メロプラネや、ロマンチック投影(婚活のときの投影)など、これまで好評だったものも取り入れてのラインナップ。
そして、きみが住む星の先行上映もやって、音楽の池田綾子さん、アレンジの長谷川久美子さん、演出の新井さん、プロデューサーの石尾さんもかけつけてくださっての舞台挨拶。
毎年、「これだけはこなくちゃと思って」という近くの親子連れもいていただけるぐらいに、楽しみにきてくださる方も多い。語り部メンバーもいろいろ来てくれて、ごちゃまぜ撮影会。こうやって人が集う山梨のプラネ、ここにありっていうそういうイベントがずっと続けられるといいなあ、と切に願う。
そういえば、懐メロプラネ、9月にやったときにテレビで報道されたのがyoutubeにあがっている。こちら。

☆「あなたと考える~星空と音楽とつなぐ物語」
2年前に「つなぐ人フォーラム」で出会ったうらりん、そのつながりで去年は山梨のプラネワークにきていただき、その後、うらりんの友達のつむりの二人と一緒に、アートワークとプラネのコラボ。そして今回は、うらりんと、つむりの一人の草子さんで組む「どうでしょうず」というこれまた、名前がぽんぽんでてくるといったい何???という感じのノリなのですが。お二人が、「こんな面白い人いるんですけど、どうでしょう」といって、周辺の人達を楽しませるっていうコンセプトで行われている企画。 御茶ノ水にある、mashup studioというこれまた、すごく素敵なスタッフがいる場所。定員30名を超える34名参加で、濃い時間を4時間近く。いろんな種類の知人もたくさん交え、またもちろんあらたに出会う方々も。
プログラムは以下のような感じで。
・space fantasy live(ショートバージョン)高橋真理子、小林真人、山本晶子
・2つグループにわかれて 移動プラネタリウム&音楽ワーク
・星や音楽と何かを組み合わせて、何か面白いこと考える時間・・一人で考えたり、お隣さんと考えたり、誰かにしゃべってもらったり
・アイディアを、☆に書いて、つるしてみんなで共有

場は、そこに集まる人たちで決定づけられる。特にワークショップというスタイルにおいては。この4時間以上の時間をさらにつなげて、夜の飲み会も・・一人ひとりの内側が持ち出される時間になると、あらためてそれぞれの宇宙が互いに共感しあったり、新しいものを生み出す、そんな現象が目の当りにできるようになる。その場に居合わせた、20代男性。「こんな刺激的なことは、生まれてはじめて」、と。
☆連載
共同通信に書いた連載「宙を見あげていのちを想う」が、山日新聞で、掲載開始。願わくば、他のところにも掲載されて、何かしら、「人々のよりどころとしての宇宙」という考えに人々が気づいたり、してくれると嬉しいなと思う。

☆未(ひつじ)
プライベートのほうでは、中3の息子が、冬休み直後のテストが終わって間もなく、熱をだし・・その学校では同じ学年で、学級閉鎖になるぐらいにインフルエンザで、これまた間違いなし、と思ったら、幸いにして陰性。
その次の週、小4の娘が、高熱・・。おおよそ1日で熱が下がる子なので、ちょっとたかをくくっていたら・・その後、結構続き、しかしそれでもインフルは陰性。ついつい、その間、娘に添い寝していたら、フェスティバルが終わったとたんに私が発熱・・。これまた5年に1回ぐらいしか出ないはずの熱が。。
そんなこんなで、1月は正直、ぐったり感もたっぷりな月であったが・・
それでも、未来にむかう未年。
みなみのたくさんの羊、ヒツジ、ひつじの表情が、なんか、いろんなものに満ちた年を予感させてくれている。いいことばっかりじゃないよね。でもそれが生きてるってこと。

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# by malicosmos_meme | 2015-02-09 15:37 | Comments(1)

semスキン用のアイコン01対極にあるもの~12月と2014年振り返りsemスキン用のアイコン02

  

2015年 01月 02日

2015年、あけましておめでとうございます。前年の分は、前年のうちにと思いながら、やはり明けてしまった。

12月の振り返りから。
音楽収録、映像、ナレーション録音・・いろいろなことがだんだん積み重なっていく。番組制作、たいてい時間に追われているのだけど(そして今回もそうなのだけど)、映像言葉にあわせて音楽作ってもらうだけじゃなく、音楽ができてからシナリオを音楽にあわせて書き直したり、音楽にあわせてユニビュー編集したり、字幕については聴こえない・聴こえにくい当事者に見てもらっていろいろな意見を聞いたり・・と、ドーム内での作品の宇宙・映像・音楽・言葉の絶妙なバランスについて、だいぶやりとりを重ねながら、だんだん良くなっていくのがよくわかる。それが面白い。池田綾子さんの透明でまっすぐな声と音楽に半分以上助けられ、すごくいい作品になりそう。31日(土)から一般投影開始、その前の週の25日(日)にはプラネタリウムフェスティバルで先行上映。こうご期待。

★博物館経営論 今年は、帝京科学大学で博物館経営論を教えている。ちょっといろいろ予定外のことがあり、ほんとは数回だけ科学館の実践話をするっていうだけの役割だったのが、前期も後期もやって、後期は、学生の課題にも関わるようになった。それはそれでちょっとしんどかったけど、学生に、自分の興味の対象と博物館をつなぐような企画を考える企画ワークをやり、課題を発表する、そんなことをしたら、やはりこれがなかなかどうして面白い。企画っていうのは、どんな場面にもすごく必要な作業だったり力だったりすると思う。「「学芸員」って「雑芸員」とか言われて、何でもやらなくちゃいけないことの表現がなんだかな、と思っていたけど、「つなぐ仕事」って言われて、すごい納得できた。」という授業感想も。 学芸員の資格とったって、就職口なんてほとんどないんだよ、っていうこととか、博物館はどこも経営難で、とか、そういう「現実」もたしかにあるけど、学生にとってほんとに必要な情報ってそういうことなのかなあ、と。よりよい学芸員の仕事をやろうと思ったときに必要とされるスキルは、他のいろんな業種の仕事でも必ず活かされるものが実に多いし、博物館への関わり方は、職員になることだけじゃない。のちの納税者の一人として、博物館の存在を肯定的にとらえられるか否か、それも、日本社会の文化にきっと関わっていく。そんな思いで博物館ともつきあってゆく。

★日芸の授業
上記、博物館学の授業でも、「博物館は、自己採算できていないところがほとんどと知って、驚いた」(ネガティブな意味で)、という感想が結構あって、それを一つの話題にしてみたことがある。同じようなことが、日芸の授業でもあって、以下のようなコメントをもらった。「そもそも宇宙の研究って、なんの利益をもたらすんですか? はやぶさが地球の誕生の謎を解くとかいってますが、それは何の利益になるんでしょうか? まさか「知りたい」っていうだけで、あんな莫大なお金を投入できませんよね?」と。 アートを目指す学生、たぶん、この問題と、自分の行く先の問題はつながって考えていないんだろうな、という感じがした。このコメントを取り上げつつ、人間が生きる究極的な目的はなんだろう? 経済的な利益だろうか? 知の蓄積か? そんな話をした。社会が求めることと、自分が求めることの接点に、自分の仕事はある、ということも、折に触れて話をしているのだけれど、社会っていう漠然とした大きな対象物と自分という存在をつなげて考えていくのはやっぱり難しい。でも、一人ひとりが、いかに社会のこと(のほんの一部)を「自分ごと」としてとらえることができるか、そしてそれが機能できるか・・なんか、それがとても大事なんだよ、と切実に思いながら、宇宙のことごとは、人々の生き死にに関わってくる、アートだって生き死にだ、と一人豪語するのであった。

★幼稚園での公演
所沢文化幼稚園。所沢の未就学児のかなりの子どもが文化幼稚園にいくという巨大幼稚園。学園長先生は、感動と体験というモットーのもとに、子どもたちにさまざまな経験の場を提供している。幼稚園がもっている自然文化園は、小さな動物園顔まけの広い敷地と多種多様な生命があふれる場所になっていて、そこで子どもたちは育つ。去年、今年と、音楽と宇宙とっていう公演をやらせてもらった。時間がすごい短いけど、でも、宇宙も生の音楽もどっちも、っていうことで、エッセンスだけを凝縮して。学園長先生が挨拶で、「みんなが生きていくのにね、音楽はすごい大事なんだよ。友達をなぐさめたり、励ましたりすることができる。元気をもらえる。宇宙もね、すごい大事なんだよ。夢もくれるし、いろんなことを教えてくれる」とおっしゃっていた。この言葉をきいた子どもたち、あと15年ぐらいたって大学生になったとき、どんな発言をするんだろう? このときのことが体に染みついているといいなあ。
写真は、真人さんと園児の子たちとのピアニカセッション。

★いろんな考え 
当たり前だけど、世の中にはいろんな人たちがいて、自分とは考えがだいぶ違うというか、対極にいるような人もいる。そもそも自分の国の首相を、心底信じられない状態にある、っていうのはすごく居心地悪く、そして腹立たしい。首相のことはさておき、対極、というか、なかなか分かり合えない相手とどうコミュニケーションするか? 避けるか、挑むか、それとも・・。何故こんなことを書くのかというと、いわゆる「えせ科学」もっとその先?の「精神世界」(スピリチュアル系)と言われる話を聞く機会があり、しかもその対極のサイエンスの立場に自分が立たされたことがあったので、ちょっと考えさせられることごとだった。 私がする「宇宙と自分のつながり」の話と、スピリチュアル系の方が使う言葉は実によく似たものが多い。おそらく、互いの究極的な目的は、私たちはどこからきたのか、私たちは何ものか、そしてどこへゆくのか、という納得の物語を獲得したいということなんだろうと思う。「存在」というものももっとも感じさせてくれるのは、宇宙であり、そこに自分たちと類似のもの、あるいは、違うものを探すことによって、私たちはアイデンティティを確認する。それをやりたい欲求は、どちらも同じ・・気がする。しかし、両者の決定的な違いは、「議論を重ねた回数」なんじゃないかな、という気がする。実験や観測データを積み上げ、理論によって照合し、違う意見の中で議論を続けて、磨かれていく、そこに科学の成果はある。一方、えせ科学やスピリチュアル系の話は、ある人がこう言っている・・ということがなんだか平気でまかり通る。たしかに、「スピリチュアル」の中にあるので、証明のしようがなかったりする。けれども、その内容によっては、どうやら大勢の人の心をつかみ、そこに多くの人たちが流れ、巻き込まれる。もしかしたら、あと数100年後ぐらい、現在の彼らの言っていることがほんとうであるということになるときがくるかもしれない。が・・ 現在の人類の「知の蓄積」の中で、それがそうである、と断言できるものは何もない・・はずのことを断言してしまっている。おそらく、科学であれば簡単に?論破できそうなことなのだけど。そのことを、「信じる」か「信じない」か、は聞いている側が決めればいいのだけれど、どうも、「議論のあるなし」「さまざまな意見の中で磨かれたものか否か」を見分ける力を自ら捨てて、ある一つの意見に激しく飲まれていく人がすごく多い・・・そのことに、ちょっと愕然とした。多くの人たちが、自分で考えることなく、でも、いつも何かを求めていて、宇宙や自然のことなんかわからないことだらけなのに、そのことをよしとせず、すごく大きな答えを言ってくれる人を求めている、そんな状況があるように思う。こういう現象は、やっぱりかなり危険なにおいがする。単純に、科学の対極にいる考えだからということでなく、人々がそのプロセスに疑問をもつことなく、信じていくその現象があやういと思う。。こうやって、なんというか・・今の日本は、よろしくない方向にものごとが進んでいるんじゃなかろうか?

★クリスマス星空コンサート
上記とだいぶ違う話題(笑)。科学館のプラネタリウムでのクリスマスコンサートは、毎年恒例。例年、19時ぐらいからはじまって、いろいろ終わるのは22時ぐらい、というコンサートが多かったのだけど、今回は、はじめて時間を早めの時間に設定し、親子でぜひというコンセプトにした。出演は、小林孝一くんとNYT。 どちらもプラネ番組の音楽に関わってくれた人たち。最初からドーム内を満たしていたワクワク感を、彼らは決して裏切ることなく、むしろそれをどんどん上昇させ、子どもたちは声いっぱいにクリスマスソングを一緒に歌う。とてもいい。どちらも、彼らのそれぞれのブログにたくさん写真があって、いい感じ。ぜひご覧ください。

★書く
書く作業が多かった。なんか、大変残念なぐらいに書く速度が落ちている気がする。締切が過ぎても過ぎても終わってない(汗)。
 一つは、共同通信の連載。1回分たった650字の短いものなので、そんなに時間のかかるものじゃないのだけど、でも、なんというか、自分のスタンス的には、いつかきちんと本で出したいなあ~と思っていることごとの断片を書いている感じがしていて。なんか大事にしないとな、と。12月クリスマスの日から配信が始まっている。けど・・・共同通信の担当記者も、どこの新聞でどう掲載されるのか、なかなか把握できないらしい・・。このネット時代に・・とも思うのだけど。 
 別のものは、今年刊行されるプラネタリウム関係の本のコラム。これも決して長くはないのだけど、自身がやってきた「地域のプラネタリウムだからこそ」というのを、どう一般書に書くか・・っていうことをしばし悩んだり。
 さらに一番長いのが・・、博物館情報学の教科書原稿。この話はすでに1年前からあるんだけど、そして締切ははるか昔だったはずなのだけど。これもまた、自分がかなり、「勝手に走りながら感覚的にやってきたこと」を文章にまとめなおす作業。つまり、番組制作のことについて書いたりしている。そしてまだ終わらない(汗)。  別のまとめ作業としては、この1年間の「病院がプラネタリウム」の報告。ある意味ライフワークにしていこうっていうこの活動の実践状況については、ちゃんと発信していきたい。まだどこに?というのがよくわからないのだけど。 
 年賀状・・は、書くという作業でもないけど、それでネットでもいいかな、と思いながら、でも、やっぱり「紙」で送ったほうが・・という気持ちがある。自身の昔は手紙魔、自分のノートにはことあるごとに「悩みを書く」ことで、自分自身の気持ちを整理したり、その先のことを考えたりしてきた。
 一番上に書いた「きみが住む星」は、「ぼく」から「きみ」にあてる手紙によってつづられるもの。手紙は誰かたった一人にあてるものなのだけど、メールでもなく、ましてやLINEとは対極にある。手紙は誰かに向かいながら、自分に向かう。相手に届くまでに時間がある。届いてから返事があるまでにもっと時間がある。たぶん、手紙というメディアがもつ魅力はその「時間」であるに違いない。そんなメディアを、時間とともに、自分もそして社会も、どんどん失いつつある。
 年賀状にせめて一言・・きたない字でコメントを書くたびに、今年こそ会いましょうね、と。そうやって会いたい人に会う時間がちゃんととれる、そういう人生にしたいなと切実に感じる。年始にはほんとに! 
 星野道夫のエッセイの中にある、「ヘレン、人生で一番大事なものって何?」「友達だよ」という言葉は、常にどこかに頭にある。出会うことこと、人生。その出会いを形にしてのこしていくことこそ、人生の醍醐味。だから・・手紙を書こうって、年のはじめにはほんとに思うんだけど!!

★発表会やらクリスマスやら
先月の音楽集会に引き続き、みなみは、ピアノ発表会。ピアノだけじゃなくて、歌あり、ハープあり、さまざまなセッションあり・・。お母さんチーム(私も)は、ハンドベルも・・。 音楽集会と発表会とがんばりましたのディナーつき。
そして忙しいクリスマス。みなみのところにサンタはきた。サンタに長い手紙を書いていた。ピアノの練習を一生懸命やりながら、「サンタさん見てるかな~」と言っていたのもちゃんとかなったというわけ。友達とのクリスマスパーティーも大盛り上がり。「こんなに12月が楽しいのははじめて!」というぐらいに、クリスマス色。
とうちゃんからは自転車、かあちゃんからはトトロのぬいぐるみ。そして、25日の朝に、蒼太が起きる前に「中学3年生になったので、みなみサンタがプレゼントあげる」と書いた手紙をつけて、プレゼントをおいていた。それをもらった蒼太は、学校から帰ってきたあと、わざわざ自転車でデパートまででかけて、みなみへのプレゼントを買っていた。


<<2014年の振り返り>>
<とどける>
・病院がプラネタリウム
・space fantasy live(学校、文化ホール、ふれあいセンター、平和ミュージアム、企業研修会、音楽療法研究会、視覚障がい児の会、幼稚園、公開天文台、環境センター、など)
・講演(博物館館長研修、写真展ギャラリー、他)
・星つむぎの村で陸前高田

<つなぐ>
・「戦場に輝くベガ」滋賀県平和祈念館にて上映
・「Memories―ほしにむすばれて」おおみや宇宙劇場にて上映
・星の語り部活動(夕涼み投影、サイエンスアゴラ)
・ユニバーサルデザイン活動(研究会開催、字幕・副音声つきの番組制作、要約筆記プラネ)
・つなぐ人フォーラム
・プラネタリウムxアートワークのコラボレ(シバウラハウスでのイベント、サイエンスアゴラ、プラネタリウムワークショップ)
・小林真人ピアノリサイタル~25年の時空をこえて 実行委員長
・NYT5周年記念ライブ 出演

<つくる>
・プラネ番組「きみが住む星」
・プラネ番組「クイズ!教えてゼウスさま」(サポート)
・夕涼み投影
・アルリシャグッズ第一弾「ステラキャッチャー」
・懐メロでプラネ
・クリスマス星空コンサート
・スウェーデン大使館イベントのためのオーロラコンテンツ

<つたえる>
・プラネタリウム投影・大学講義(宇宙の科学、博物館経営論)
・「終わらない物語~戦場に輝くベガ」(星ナビ7月号)
・共同通信連載、他、コラムなど
・プラネタリウムスタッフ研修(神戸にて)
・JPA研修会にて分科会、模擬投影

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# by malicosmos_meme | 2015-01-02 21:15 | Comments(0)