最近の美術鑑賞です。
鴻池朋子「根源的暴力」
神奈川県立音楽堂で同僚のオーケストラの演奏を鑑賞したあと、そういえば神奈川県民ホールで根源的暴力の最終日であることを思い出し、これ幸いと足を運びました。
「皮」「衣服」「裂け目」。人間がものを作ることの根源的な暴力性について。
とにかく巨大な牛皮による作品《皮緞帳》が圧倒的でした。高さ600cm、幅2400cm!
近付くと可愛いです。
あと、会場内に散りばめられた皮の服を来たキッズが良かったです。《12人のホイト》。ホイトというのは物乞いのことです。
生きるとは裂け目を作り切り裂いては縫うことである。
横浜は最高の街なので夜景を堪能しつつ、洋食キムラ 野毛店でハンバーグ。
ごちそうさまでした。
杉本博司「趣味と芸術-味占郷/今昔三部作」
南房総で海を眺めたあと、千葉市美術館で杉本博司。
「今昔三部作」は、代表作でもある《海景》《劇場》《ジオラマ》の過去の作品と最新作を一緒に並べるという内容でした。特に《劇場》と《ジオラマ》の新作が良かった。かっこいい。
「趣味と芸術-味占郷」は、本人が蒐集したコレクションから、まったく異なる文脈の掛け軸と置物を床の間で組み合わせて別の意味を生み出すという試み。こんなことができるのかと驚きました。堀口捨己の短歌の掛け軸とキリスト胸像とか、古今集和歌書から大江千里の「つき見れば」の掛け軸とマンハッタン計画硝子玉とか。こんな具合の床が27。
杉本さんご本人の《月下紅白梅図》もありました。熱海のMOA美術館で見たのに続いて今年2度目。須田悦弘さんの梅もちゃんと床の上に。
須田悦弘さんの《昼顔》もこんなふうに展示。きれい。
こちらは12月23日までやっているのでぜひ行きましょう。趣味と芸術の方は、来年4月から6月まで京都の細見美術館でもやるそうです。