様々なLinux Desktopがあるぞい
[ 2015/12/05 21:41 ]
Linux Desktop Advent Calendar 2015 5日目の今日は、様々なウインドウマネージャとかの画像を貼るエントリです。
前日4日目はQupzillaプラグインを作るでした。
世には色々なデスクトップ環境やウインドウマネージャがあります。(2つの違いについてはデスクトップ環境とウィンドウマネージャなどを参照のこと)
デスクトップ環境の有名どころでは、かつて双璧を成したKDEとGNOME、UbuntuのUnity、LinuxMintのcinnamon/MATE、軽量系のXfce4、LXDEなどでしょうか。
考えてみると、異なるデスクトップ環境、つまりGUIの基本機能から完全に別物のものが同じLinuxというOSで動くというのは、WindowsやMac OSではあり得ないことです。多くのLinuxディストリビューションでは大抵上記のうちいずれかがデフォルトのデスクトップ環境としてついてくるので、WindowsやMac OSなどとあまり違いを覚えないかもしれません。ですが、本質的にはどのLinuxディストリビューションでもあらゆるデスクトップ環境やウインドウマネージャが使えるはずです。
人によって違うGUIの好みにあった環境を、「選べる」LinuxのGUIで探してみるのもいいんじゃないでしょうか?
かつてそんな思いに駆られた自分は、デフォルトのGUIがないArch Linuxで様々なウインドウマネージャやデスクトップ環境をインストールしたりしていました。
で、せっかくだからその試したものを下記に陳列してみました。
GUI環境選びの参考にしてください(てきとう
注意:
うえでデスクトップ環境のことばかり言っている割にウインドウマネージャばっかです。
また片っ端から色々インストールしたのが数年前なので3D云々がからむものがなかったり、ラインナップが若干古いです。
なおタイル型WMはないです。すみません。
なにはなくともまずはこれ。X11標準のウインドウマネージャ「twm」。
流石デフォルトだったせいか、これの派生ウインドウマネージャが色々出たりした。
使用感としては、WindowsやMacのおかげか現在主流となった、
- ウインドウクリックでフォーカス&前面表示
- ウインドウの端を持ってサイズ調整
- 最小化/最大化/閉じるボタン
とずいぶん操作体系が異なる
- マウスオーバーフォーカス/タイトルバークリックで前面表示
- 右上端のアイコンをドラッグしてサイズ調整
- アイコン化ボタン/サイズ調整ボタン
なので、今となっては最初に戸惑いを覚えるユーザーが多いと思う。
自分も使ってみようとしたがデフォルトではなかなか厳しかったので、twmのカスタマイズなどを参考にしてちょっとカスタマイズしたものが下記スクショ。
最大化/閉じるボタンを置くだけでWindowsユーザーにもずいぶん使いやすくなることがわかった。

と、早速のtwm派生ウインドウマネージャ。
おおざっぱにはtwmに仮想デスクトップ機能を加えたもの。
仮想デスクトップといっても、MacやWindows10や他のLinuxのウインドウマネージャについているそれとは若干異なる。
他環境のそれが規則正しく3個とか4個とかの「デスクトップを行き来できる」実装になっているのと違い、画面外に広い「デスクトップの任意の領域を表示できる」ような感じになっている。
スクショ右下のが仮想デスクトップUIなのだが、見てわかるとおりだいぶ中途半端な位置の領域を表示できていることがわかる。これが独特ながらわりかし使い勝手が良い感じだった。
ウインドウ自体の見た目はtwmのそれではなく、BeOSだかMotifだか風だ。

同じくtwm派生。
Motif風なウインドウで、twmの独特なウインドウリサイズよりは使いやすい。
特筆すべきは、いわゆるデスクトップ環境のアプリケーションメニューが利用できること。
デスクトップ環境でない単なるウインドウマネージャでこの機能を持っているのは割と珍しい。

blackboxというウインドウマネージャに端を発するウインドウマネージャ。
単体でも動作するが、デスクトップ環境LXDEの標準ウインドウマネージャでもあり、LXDEユーザーはつまりopenboxユーザーである。
twm派生形と違い、これのみでもつまるところ「今風」の操作体系になっている。

同じくblackbox派生。
これまでのものとは違い、いわゆる「タスクバー」がついていて、これだけでも普段使いがしやすそう。

上記であげているものもテキストファイルで設定を書く感じのなのだが、これはだいぶやりやすかった。
デフォルトの設定ではtwmのような操作感なのだが、設定次第でWindowsっぽくもなるし、自由度が高い。
おかげで自分でテーマを作ってArch Linuxで常用している。
惜しむらくは更新がとまっていそうなところ。

フラットな見た目でultimately lightweightなウインドウマネージャ。
ダブルクリックするとxtermが開く。

NEXTSTEP風……らしい、他と比べて割と独特のタスクボタンを持つウインドウマネージャ。
スクショの左下や右上にあるのがウインドウが出ているプログラムを示すボタン。MacのDockに似ているかもしれない。
類似品にAfterStepというのがある。

GTK+などを使っておらずxlibだけに依存するらしい軽量系を標榜しているわりに割と普通に使える操作感を持つ。
そのバランスの良い軽量志向を評価してか、Damn Small LinuxやPuppy Linuxなどが標準としている。

jwmと同じく軽量系つかいやすいを志向した感じのウインドウマネージャ。
jwmより割と野暮ったい見た目。

Windows95のパロディみたいな見た目でアイコンがパカパカアニメーションしているネタみたいなウインドウマネージャ。「ネスケ」て……。
これはArch LinuxではなくPlamo Linuxにデフォルトで入っていたもの(選択可能)。
なかなかおもちゃっぽくて趣がある。

ようやっとデスクトップ環境。
軽量かついい感じの見た目でまあまあ多機能。
ウインドウマネージャはopenbox。
デスクトップ環境の中ではわりと好き。
軽量系を標榜するディストリビューションが採用している例が多い。

同じく軽量系デスクトップ環境。
GNOME2に似た外見を持つ。
こちらも軽量系を標榜するディストリビューションが採用している例が多い。

Windows風の巨大デスクトップ環境。
どちらかというとMac志向かなというGNOME2と双璧をなす巨頭。
GNOMEと比べるとデフォルトとしているディストリビューションは少ない印象。
ただなぜかKNOPPIXとかSlaxとかライブCD系のものに使われていたりして面白い。

代表的巨大デスクトップ環境であったGNOMEの旧版。
デスクトップLinux使っていれば一度は触れるだろうメジャーだった存在。
スクショではまるでWindows7のような見た目だが、このようにテーマもやたら充実していた。

なぜかやたらとUIが変わったGNOME。
そのせいか不評で色々と派生が登場することになった。

GNOME2のfork。
あんまり変わってないが、デフォがKDEのようにWindows寄りになった。
おもにLinux Mintなどで使用されている。

GNOME3のfork。
GNOME3本家とがらりと変わり、やっぱりKDEのようにWindows寄りの見た目と操作感をしている。
おもにLinux Mintなどで使用されている。

デスクトップとタブレット両対応をめざしたデスクトップ環境。
Ubuntuが採用したがこれもまた不評。Windows8といい、みんな先走ったんだなあ感がある。
Unity3Dとは別物。

以上そんなとこで雑な紹介を終わります。
ぶっちゃけこれを見て特徴を知るとかはあまり出来ないと思いますが、世の中にはたくさんのGUI環境があることを知ってもらえれば幸いです。
Linuxは自由なOSなので、その自由さを活用してゆきたいですね。
次回は6日目、……だけど登録してる人がいないぞ……?
前日4日目はQupzillaプラグインを作るでした。
世には色々なデスクトップ環境やウインドウマネージャがあります。(2つの違いについてはデスクトップ環境とウィンドウマネージャなどを参照のこと)
デスクトップ環境の有名どころでは、かつて双璧を成したKDEとGNOME、UbuntuのUnity、LinuxMintのcinnamon/MATE、軽量系のXfce4、LXDEなどでしょうか。
考えてみると、異なるデスクトップ環境、つまりGUIの基本機能から完全に別物のものが同じLinuxというOSで動くというのは、WindowsやMac OSではあり得ないことです。多くのLinuxディストリビューションでは大抵上記のうちいずれかがデフォルトのデスクトップ環境としてついてくるので、WindowsやMac OSなどとあまり違いを覚えないかもしれません。ですが、本質的にはどのLinuxディストリビューションでもあらゆるデスクトップ環境やウインドウマネージャが使えるはずです。
人によって違うGUIの好みにあった環境を、「選べる」LinuxのGUIで探してみるのもいいんじゃないでしょうか?
かつてそんな思いに駆られた自分は、デフォルトのGUIがないArch Linuxで様々なウインドウマネージャやデスクトップ環境をインストールしたりしていました。
で、せっかくだからその試したものを下記に陳列してみました。
GUI環境選びの参考にしてください(てきとう
注意:
うえでデスクトップ環境のことばかり言っている割にウインドウマネージャばっかです。
また片っ端から色々インストールしたのが数年前なので3D云々がからむものがなかったり、ラインナップが若干古いです。
なおタイル型WMはないです。すみません。
twm
なにはなくともまずはこれ。X11標準のウインドウマネージャ「twm」。
流石デフォルトだったせいか、これの派生ウインドウマネージャが色々出たりした。
使用感としては、WindowsやMacのおかげか現在主流となった、
- ウインドウクリックでフォーカス&前面表示
- ウインドウの端を持ってサイズ調整
- 最小化/最大化/閉じるボタン
とずいぶん操作体系が異なる
- マウスオーバーフォーカス/タイトルバークリックで前面表示
- 右上端のアイコンをドラッグしてサイズ調整
- アイコン化ボタン/サイズ調整ボタン
なので、今となっては最初に戸惑いを覚えるユーザーが多いと思う。
自分も使ってみようとしたがデフォルトではなかなか厳しかったので、twmのカスタマイズなどを参考にしてちょっとカスタマイズしたものが下記スクショ。
最大化/閉じるボタンを置くだけでWindowsユーザーにもずいぶん使いやすくなることがわかった。
vtwm
と、早速のtwm派生ウインドウマネージャ。
おおざっぱにはtwmに仮想デスクトップ機能を加えたもの。
仮想デスクトップといっても、MacやWindows10や他のLinuxのウインドウマネージャについているそれとは若干異なる。
他環境のそれが規則正しく3個とか4個とかの「デスクトップを行き来できる」実装になっているのと違い、画面外に広い「デスクトップの任意の領域を表示できる」ような感じになっている。
スクショ右下のが仮想デスクトップUIなのだが、見てわかるとおりだいぶ中途半端な位置の領域を表示できていることがわかる。これが独特ながらわりかし使い勝手が良い感じだった。
ウインドウ自体の見た目はtwmのそれではなく、BeOSだかMotifだか風だ。
fvwm
同じくtwm派生。
Motif風なウインドウで、twmの独特なウインドウリサイズよりは使いやすい。
特筆すべきは、いわゆるデスクトップ環境のアプリケーションメニューが利用できること。
デスクトップ環境でない単なるウインドウマネージャでこの機能を持っているのは割と珍しい。
openbox
blackboxというウインドウマネージャに端を発するウインドウマネージャ。
単体でも動作するが、デスクトップ環境LXDEの標準ウインドウマネージャでもあり、LXDEユーザーはつまりopenboxユーザーである。
twm派生形と違い、これのみでもつまるところ「今風」の操作体系になっている。
fluxbox
同じくblackbox派生。
これまでのものとは違い、いわゆる「タスクバー」がついていて、これだけでも普段使いがしやすそう。
PekWM
上記であげているものもテキストファイルで設定を書く感じのなのだが、これはだいぶやりやすかった。
デフォルトの設定ではtwmのような操作感なのだが、設定次第でWindowsっぽくもなるし、自由度が高い。
おかげで自分でテーマを作ってArch Linuxで常用している。
惜しむらくは更新がとまっていそうなところ。
lwm
フラットな見た目でultimately lightweightなウインドウマネージャ。
ダブルクリックするとxtermが開く。
WindowMaker
NEXTSTEP風……らしい、他と比べて割と独特のタスクボタンを持つウインドウマネージャ。
スクショの左下や右上にあるのがウインドウが出ているプログラムを示すボタン。MacのDockに似ているかもしれない。
類似品にAfterStepというのがある。
jwm
GTK+などを使っておらずxlibだけに依存するらしい軽量系を標榜しているわりに割と普通に使える操作感を持つ。
そのバランスの良い軽量志向を評価してか、Damn Small LinuxやPuppy Linuxなどが標準としている。
IceWM
jwmと同じく軽量系つかいやすいを志向した感じのウインドウマネージャ。
jwmより割と野暮ったい見た目。
qvwm
Windows95のパロディみたいな見た目でアイコンがパカパカアニメーションしているネタみたいなウインドウマネージャ。「ネスケ」て……。
これはArch LinuxではなくPlamo Linuxにデフォルトで入っていたもの(選択可能)。
なかなかおもちゃっぽくて趣がある。
LXDE
ようやっとデスクトップ環境。
軽量かついい感じの見た目でまあまあ多機能。
ウインドウマネージャはopenbox。
デスクトップ環境の中ではわりと好き。
軽量系を標榜するディストリビューションが採用している例が多い。
Xfce
同じく軽量系デスクトップ環境。
GNOME2に似た外見を持つ。
こちらも軽量系を標榜するディストリビューションが採用している例が多い。
KDE
Windows風の巨大デスクトップ環境。
どちらかというとMac志向かなというGNOME2と双璧をなす巨頭。
GNOMEと比べるとデフォルトとしているディストリビューションは少ない印象。
ただなぜかKNOPPIXとかSlaxとかライブCD系のものに使われていたりして面白い。
Gnome2
代表的巨大デスクトップ環境であったGNOMEの旧版。
デスクトップLinux使っていれば一度は触れるだろうメジャーだった存在。
スクショではまるでWindows7のような見た目だが、このようにテーマもやたら充実していた。
GNOME3
なぜかやたらとUIが変わったGNOME。
そのせいか不評で色々と派生が登場することになった。
MATE
GNOME2のfork。
あんまり変わってないが、デフォがKDEのようにWindows寄りになった。
おもにLinux Mintなどで使用されている。
Cinnamon
GNOME3のfork。
GNOME3本家とがらりと変わり、やっぱりKDEのようにWindows寄りの見た目と操作感をしている。
おもにLinux Mintなどで使用されている。
Unity
デスクトップとタブレット両対応をめざしたデスクトップ環境。
Ubuntuが採用したがこれもまた不評。Windows8といい、みんな先走ったんだなあ感がある。
Unity3Dとは別物。
以上そんなとこで雑な紹介を終わります。
ぶっちゃけこれを見て特徴を知るとかはあまり出来ないと思いますが、世の中にはたくさんのGUI環境があることを知ってもらえれば幸いです。
Linuxは自由なOSなので、その自由さを活用してゆきたいですね。
次回は6日目、……だけど登録してる人がいないぞ……?
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