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同時テロ事件の仏で地方選挙 極右政党躍進か
12月6日 7時00分

同時テロ事件の仏で地方選挙 極右政党躍進か
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フランスでは、6日、全国規模の地方選挙の投票が行われる予定で、先月の同時テロ事件を受けて、難民や移民の流入に懸念の声が高まるなか、移民の排斥などを掲げ支持を伸ばしている極右政党がいくつの州議会で第1党となるか注目されています。
同時テロ事件のあと、フランス各地で初めて行われる今回の選挙は、国内17の州議会の議員を比例代表で選ぶもので、どの政党が州知事に当たる議長のポストを得るかが決まる重要な選挙です。
最新の世論調査では、移民の排斥などを掲げる極右政党、国民戦線が、同時テロ事件のあと支持率を急速に伸ばし、6つの州で、オランド大統領の与党、社会党を中心とする左派連合や、最大野党が加わる右派連合を抑えて、第1党になる勢いです。
フランスのメディアは、同時テロ事件の実行犯の一部が難民に紛れてヨーロッパに入っていたことが明らかになり、難民や移民の流入に懸念の声が高まっていることが、国民戦線の支持拡大につながっていると分析しています。
今回の選挙は1年半後の大統領選挙の前哨戦とも位置づけられ、これまで州議会で第1党になったことがない国民戦線がいくつの州で第1党となるか注目されます。
ただ、6日の投票で勝利を決めるには過半数の票が必要なため、ほとんどの州で、10%以上得票した政党による2回目の投票が、1週間後の13日に行われるとみられています。

国民戦線 着実に支持広げる

国民戦線は、フランスで1972年に結成された極右政党で、移民の排斥や国境管理の強化、それにヨーロッパの統合反対などを主張しています。
初代党首のジャンマリー・ルペン氏は差別的な発言でたびたび物議を醸しましたが、2002年の大統領選挙では、第1回投票で社会党のジョスパン候補を破って、当時のシラク大統領との決選投票に進み、「ルペン・ショック」としてヨーロッパ全体に大きな衝撃を与えました。このときはフランスの多くの国民が、ルペン氏だけは大統領にしてはならないと、大規模な抗議デモを展開しました。
2011年に、それまで8年間副党首を務めてきたルペン氏の娘、マリーヌ・ルペン氏が党首に就任。マリーヌ氏は、これまでの党の基本路線を維持しつつも、同性愛や人工中絶に寛容な姿勢を示すなど、極右政党のイメージを刷新する戦略を打ち出したほか、ヨーロッパの信用不安などを背景に、ユーロ圏からの離脱などを主張します。
2012年の大統領選挙で、マリーヌ氏は党としてこれまでで最も高い17.9%の票を得たほか、去年5月のヨーロッパ議会選挙では国民戦線がフランスの第1党となるなど、着実に支持を広げてきました。

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