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 米カリフォルニア州サンバーナディノで14人が殺害された銃乱射事件で、捜査当局は、容疑者夫婦が起こしたテロ事件とみなして捜査を進める方針だ。容疑者夫婦は、米国への攻撃を呼びかける過激派組織「イスラム国」(IS)など海外組織の影響を受けたとみられる。心配されていた国内在住者のテロが現実に起きたことを受け、米社会の緊張がさらに高まりそうだ。

 容疑者の一人がISに忠誠を誓っていたという今回の事件は、直接の指揮こそ明らかになっていないものの、ISに関連する大規模なテロが米国でも初めて起きたことを意味する。また、ロサンゼルス・タイムズは、サイード・ファルーク容疑者(28)がアルカイダ系の「ヌスラ戦線」やソマリアに拠点を置く「シャバブ」の関係者と接触していた疑いがあると報じた。

 米国はこれまでも、国内の人間が過激派の影響で起こす事件を警戒し、おとり捜査なども積極的に活用していた。ジョージ・ワシントン大のまとめでは、今年に入ってからだけで、56人がISを支援した活動などの疑いで逮捕されている。オバマ大統領も5日の演説で、ISなどのテロ組織が、「しばしば、ローン・ウルフ(一匹おおかみ)としての暴力行為をそそのかしている」と訴えた。ISが運営するラジオ局は5日、2人について「ISの支持者」と言及。「サンバーナディノの施設で14人を殺害した。神が彼らを殉教者として受け入れることを祈る」と放送した。