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米乱射テロ事件 動機の解明が焦点
12月6日 4時06分

米乱射テロ事件 動機の解明が焦点
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アメリカ、カリフォルニア州で、男女2人が銃を乱射し14人が殺害されたテロ事件で、FBI=連邦捜査局は、2人が過激な思想に感化され、独自に犯行に及んだ可能性があるとみて調べていますが、容疑者の家族は事件につながるような前兆はなかったと話していて、動機の解明が焦点となっています。
カリフォルニア州サンバーナディーノの障害者の支援施設で、2日、男女2人が銃を乱射して、14人が死亡、21人がけがをし、現場から逃走した、サイード・ファルーク容疑者(28)と、妻のタシュフィーン・マリク容疑者(29)の2人が、警察との銃撃戦の末、射殺されました。
FBIはテロ事件として捜査をしていますが、これまでのところ2人が過激派組織の一員であることを示す情報はなく、2人が過激な思想に感化され、独自に犯行に及んだ可能性があるとみて調べています。
一方、ファルーク容疑者の姉は、アメリカのABCテレビのインタビューで、2人について「とても幸せそうな夫婦で、娘をかわいがるいい親だった」と述べました。そのうえで、妻のタシュフィーン・マリク容疑者がインターネット上に、過激派組織IS=イスラミックステートに忠誠を誓う投稿をしていたことに関連して、「なぜこのようなことをしたのか分からない。彼女はこれまで政治的な言動はなかった」と述べ、事件につながるような前兆はなかったとしています。
FBIは引き続き事件の背景について調べていて、犯行の動機の解明が焦点となっています。

パキスタンでも捜査始まる

事件を受けて、妻のタシュフィーン・マリク容疑者の出身地のパキスタンでも捜査が始まっています。
パキスタン政府の関係者によりますと、タシュフィーン・マリク容疑者はパキスタン中部の都市ムルタンにある大学で薬学を学び、2013年ごろに卒業したということです。
捜査当局は、パキスタンに住むタシュフィーン・マリク容疑者の親族などから話を聴き、在学当時の交友関係や生活の様子について情報収集を進めているものとみられます。

ニューヨークタイムズ 1面に銃規制訴える社説

この事件を受け、アメリカの有力紙、ニューヨークタイムズは、「殺傷力が高い武器を市民が合法的に購入できることは、道徳に反し、国家の恥だ」として、銃規制を訴える社説を1面に掲載しました。
ニューヨークタイムズは、5日付けの紙面の1面に「銃の病」という社説を掲載しました。ニューヨークタイムズが1面に社説を掲載するのは、1920年以来のことです。
社説では、「もはや容疑者の動機にかかわらず、これほど多くの乱射事件が起きていることこそが問題だ」と指摘したうえで、容疑者たちが合法的に銃を入手していたことを踏まえ、「殺傷力の高い武器を市民が合法的に購入できることは、道徳に反した国家の恥だ」と強い懸念を示しています。
そして、「アメリカでは国が銃を規制する動きすらなく、政治家たちは武器の売買を認めることで、犯罪者たちを殺人に駆り立てている」として、銃規制に反対する勢力を厳しく批判しています。
そのうえで、アメリカ憲法で認められた武器を保有する権利についても、「いかなる権利も無制限であってはならない。殺傷力の高い銃を保有する人々は進んでこれを放棄すべきだ」として、銃規制を来年の大統領選挙の争点にするべきだと訴えています。

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