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【プロ野球】

マエケン 190億円争奪戦 広島容認でメジャー行き

2015年12月5日 紙面から

野球用品メーカーとの会合で笑顔を見せる広島・前田=大阪市住之江区で(佐伯友章撮影)

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 広島の前田健太投手(27)がポスティングシステムを利用して、今オフの米大リーグ移籍を目指すことが4日、決まった。広島市のマツダスタジアムで、球団が容認すると発表。来週中に申請手続きをとる。譲渡金は上限の2000万ドル(約24億6000万円)に設定するとみられ、複数球団による争奪戦は必至。田中(ヤンキース)の移籍時に匹敵する大型契約もありそうだ。

 夢に向けて大きく前進した前田は、何度も感謝という言葉を繰り返した。

 「感謝の気持ちでいっぱい。自分の意思、メジャー挑戦の夢を後押ししてもらった」

 今季は15勝で2度目の最多勝と沢村賞に輝いた。一方でチームは3年ぶりにBクラスへ転落。「チームの結果が悪かったのは悔しい。やっぱり優勝したかった…」と漏らしたが、「年齢的な問題もあるし、行ける状態のときに行きたい。ポスティング制度を利用した方が球団への恩返しにもなる」と割り切った。

 球団が容認したことで「MAEDA」争奪戦がスタートする。球団幹部が来日し、前田獲得を公言しているのがダイヤモンドバックス。さらにカブス、ロイヤルズ、ドジャース、ヤンキースも名乗りを上げそうだ。

 米スポーツサイトのファンサイディッドは3日、「前田の契約は、田中将大がヤンキースと結んだ7年総額1億5500万ドル(現在のレートで約190億6500万円)には届かなくとも、それに近い金額もありえる」と予想した。

 その理由は、今秋に習得し、プレミア12で威力を見せつけたチェンジアップだ。米放送局CBSスポーツ(電子版)は3日、「これまでは先発3〜4番手と評されていたが、チェンジアップの改善により、評価がエース級まで上昇した可能性がある」とした。

 選手評価では米メディアで最も定評があるベースボール・アメリカ誌(同)も「プレミア12は、全般的に隙がない投球だった。スライダーは平均点以上、チェンジアップとカーブを多投。本来、変化球の生命線はスライダーだが、メキシコ戦とプエルトリコ戦はチェンジアップが最高の武器だった」と再評価した。

 今FA市場で最大の目玉だったプライスはレッドソックスと契約。なおグリンキー、クエトといった大物が残っているが、前田なら獲得してもドラフト指名権を譲渡する必要はないのも追い風だ。

 「違う場所に自分の身を置いて、厳しい環境に挑戦したい。(魅力は)行ってみないとわからない。でもその魅力を感じるために行く」。これが世界に挑む前田の決意表明。来週中の申請手続き開始から一気にヒートアップする。

 

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