【社説】交通渋滞を招く都心デモ、韓国国民はウンザリ

 ソウル都心のソウル広場と光化門広場では、12月5日も大規模集会が予定されている。先月14日にソウル都心を大きく混乱させた「第1回民衆総決起」に参加した団体の多くが、今回は団体の名称だけを変えて再びデモを開催するわけだが、これではまさに「借名大会」と言っても過言ではない。彼らは「平和的な集会を行う」と表明しているが、前回のデモの際に参加者たちが覆面をかぶり、鉄パイプを振り回していたことから考えると、彼らの言葉を額面通り受け取るわけにはいかない。先日の暴力デモを率い、現在ソウル市鍾路区の曹渓寺にいる全国民主労働組合総連盟(民主総連)のハン・サンギュン委員長は、今もなお「民衆の力を見せつけてやる」などとデモを煽るようなメッセージを発し続けている。

 今回の集会は警察が一旦不許可としたが、裁判所が「違法行為に走るとは断定しがたい」との理由で許可したため、結局は開催されることになった。曹渓宗和諍(わじょう)委員会は衝突を未然に防ぐため、警察とデモ隊との間に宗教関係者による「人間の壁」を設置すると表明している。また野党第一党の新政治民主連合もデモで秩序を守るための活動をするとしているが、それでも今回再び暴力などの不祥事が発生すれば、裁判所や曹渓宗、そして野党は責任を逃れることができないだろう。

 デモが始まれば、都心の交通が数時間にわたりマヒするのは避けられない。国民はすでにこの種のデモをこれまで何度も目の当たりにし、またそれによって多大な不便を強いられてきた。たとえ参加者が口先で秩序を繰り返し強調したとしても、本当はこれ以上デモなど見たくないのが多くの国民が抱く率直な思いだ。このことをデモの主催者や関係する各団体は悟らねばならない。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース