【社説】韓国経済は「予言された没落」を避けられるか

「こんなに売れないのは初めて」 市場の声は政界に届いていないのか

 2日午後、ソウル・清涼里卸売市場は閑散としていた。道沿いの長さ100メートルにわたる駐車場に止まっている車は10台にもならない。それも半数は店の車だった。1時間に市場で見かけた通行人は30人弱。同市場では食品・飲料・菓子・洗剤などが卸売価格で売られている。数年前までは全国から集まった個人経営スーパーのオーナーや市場の商人たちでごった返していた。だが、20年間営業している店の主は「今年は開店以来最悪だ。昨年が底かと思ったら、今年はその半分にもならない。200個入りコーヒーミックス1箱が今日の売上のすべて」と言った。近くの京東市場や青果物卸売市場も状況は同じだ。40年以上タマネギの卸売をしているという業者は「タマネギを毎日30キログラムずつ買っていた飲食店が最近は1週間に10キログラムも買わない。それも、国産でなく中国産を買っていく」と語った。

 造船や重工業の不況で巨済・蔚山・昌原では「アジア通貨危機(1997年)の時より良くない」と嘆かれている。巨済市の中心部は昼間でも人影がまばらだ。商人たちは「人が消えたようだ」と言った。巨済市内の商店は今年1月から10月までで全体の12%に当たる1500店舗が閉店した。大手企業の従業員たちが財布のひもを固くしているためだ。年末の買い物シーズンとなったが、一般市民の体感景気はこれまでになく冷え込んでいる。地域を問わず自営業者たちは「客がいない」と嘆いている。7-9月期の零細自営業者は403万人と22年ぶりの低水準になった。

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