圧倒的な存在感だった韓国車、なぜ「一夜のうちに」売れなくなったのか=中国報道
2015-12-02 20:32
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中国の自動車市場で圧倒的な存在感を示していた韓国車が一時の勢いを失っている。中国自動車市場における韓国車の売れ行きが2015年に入って突然悪化したのはなぜだろうか。中国自動車市場が減速しているのは確かだが、それ以外にも原因はあるのだろうか。
中国メディアの新浪専欄は11月30日付の記事で、中国自動車市場で韓国車が15年になって「まるで一夜のうちに」売れなくなってしまったと形容し、その理由を分析している。
記事は、韓国車の販売が減速した理由としてまず「生産能力のボトルネック」を挙げ、北京現代は生産能力のボトルネックという問題を抱えており、それが15年の販売量の減少につながったと指摘。さらに、「中途半端なセールスポイント」も問題とし、燃費を最優先に考える消費者は日系車を、価格を最優先するユーザーは中国自主ブランド車を選ぶとする一方、韓国車が売りにしているのは「ハイテク感」であり、車にハイテク感を持たせるのは今やどのメーカーにとっても難しくないため、韓国車はユーザーに選んでもらうための決定的な吸引力を持ち合わせていないと分析した。
さらに、「競争相手の実力」について、ドイツや日系の高級車は韓国の高級車が中国の自動車市場でシェアを獲得することを「許さない」とし、韓国車は中低級車の市場においてかろうじて踏ん張っていると主張。中国で人気のSUV市場においても中国自主ブランド車の躍進の前に韓国車は非常に苦戦しているのが現実だ。さらに中国自主ブランド車の品質向上も理由の1つだとし、韓国車が獲得していた市場を廉価な中国車が確実に奪っていると指摘した。
こうした複数の要因を総合して考えると、韓国車が非常に薄い氷のうえに「大きな王国」を築いていたことがわかる。薄い氷のどこかに衝撃が加わればすぐに割れて、その上の建物が問題に直面してしまうような印象だ。一部では、北京現代はSUVの投入に出遅れ、市場の変化について行けなかったことが急失速の原因との分析もある。
韓国車メーカーは中国の消費者の需要の変化に敏感になり、ユーザーの視点に立脚しつつ、他メーカーが真似できないセールスポイントを造り出し、ユーザーに韓国車を選択してもらうための強力な動機を与えることが求められているということだ。さもなければ社会の変化や競争相手の成長により急失速するという事態が中国以外の市場においてもおこりかねない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)whaihs/123RF.COM)