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【中国TV事情】
日本のドラマ・バラエティーの“爆買い”が始まるのか? 「デート」「逃走中」-日本番組のリメーク続々と
フジの藤沼聡事業開発部企画担当部長は「中国経済の成長に伴い、勢いや熱を持った制作者も多く、日本のスタッフにとっても大きな刺激になっている」と話す。フジと湖南TVは今後、共同でオリジナルのバラエティー番組を制作することでも合意したという。
一方、中国のドラマ・映画制作会社「SMGピクチャーズ」は11月18日、フジテレビと、「デート~恋とはどんなものかしら~」などドラマ5作のリメークについて協定を締結。フジがリメーク権や映画化権を販売するだけでなく、スタッフを現地に派遣し、共同制作するのが特徴だ。
ドラマのリメークは従来、権利だけを売り、現地での制作にはほぼ関与しないケースが多かった。フジの大多亮常務は「それでは次につながらない」と強調。「日本ドラマは感情表現やせりふ回しが繊細だとして、中国の制作者から見直されつつある」と話し、韓流ブームが落ち着き、中国国内で新たなコンテンツが求められている現状を商機ととらえる。
関係者によると、中国では特に映画市場が活況を呈しており、100億円規模の興行収入を記録する作品も少なくないという。映画のための「原作」のニーズも高まっており、フジの久保田哲史事業開発部副部長は「漫画もドラマも盛んな日本は、原作の宝庫。共同制作を通じ、現地企業とビジネスパートナーとしての関係を築きたい」と話している。(三品貴志)