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【ローカルプレミアム】振動や音を体で感じて JR高崎運輸区のベテラン運転士が語るSLの醍醐味とは…

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【ローカルプレミアム】
振動や音を体で感じて JR高崎運輸区のベテラン運転士が語るSLの醍醐味とは…

上州の山並みを背に上越線を疾走するD51

 JR東日本管内で唯一、D51とC61の2台の蒸気機関車(SL)を保有する高崎支社は、冬の臨時列車(12月1日~平成28年2月29日)で、上越線8本、信越線14本のSLを走らせる。1月16日には、信越線・高崎-横川間で夜汽車の「DL・SL YOGISHA碓氷」を冬の臨時列車として初運行。高崎発の往路はディーゼル機関車、横川発の復路はSLのC61が旧型客車を牽引(けんいん)する。SLは、客車を引っ張る豪快な姿が人々を魅了する。「SLは鉄道の原点」と語る同支社高崎運輸区主任運転士の吉田誠司さん(52)に、SLへの思いや運転の醍醐味(だいごみ)を聞いた。

      (椎名高志)

 --SLを運転しようとしたきっかけは何ですか

 「もともと、列車の運転士への憧れはあったが、高崎電車区に転勤するまで、支社管内にSLがあることすら知らなかった。作業服の先輩たちの姿を見て、ぜひ挑戦したいと思い、初めてハンドルに触れたのは10年ほど前だ」

 --支社にSL運転士は何人いるのですか

 「有資格者は14人、うち11人が実際に運転している。資格者になるには、電車の運転士を3年以上経験し、2級ボイラー技士の国家資格が最低条件。ほとんどの人が、1級ボイラー技士の資格を持っている。臨時列車などを動かす予備組が、SL運転士になっており、イベント列車として月に2、3本を担当している」

 --運転の難しさはありますか

 「電車はスイッチを入れれば動くし、レバー操作でブレーキもかかる。だが、SLは動力からして自前。ブレーキも各車両にあるタンク内のエアを使うため、何度もかけたり緩めたりはできない。助手との呼吸、運転しているときの振動や音。諸々のものを体で感じ、耳でとらえながら運転しなくてはいけない部分がある。経験を積むに従って、『このままでは車輪が空転する』などと何となくわかるようになるが、その辺が最大の難しさだ」

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