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ベトナムが領有権を主張する南シナ海のチュオンサ諸島(英名:スプラトリー諸島、中国名:南沙諸島)海域で11月26日、漁獲を行っていた南中部沿岸地方クアンガイ省ビンソン郡の漁船がフィリピンの漁船から発砲を受け、乗組員1人が死亡した。
乗組員の証言によると、乗組員14人の乗ったベトナム漁船がスオイゴック礁(英名:アリシア・アニー・リーフ、中国名:仙娥礁、タガログ名:アレラノ)付近の海域に停泊していたところ、フィリピン漁船が接近。フィリピン漁船には8人が乗っており、銃2丁を装備した3人がベトナム漁船を乗っ取り、乗組員1人に向けて発砲し射殺したという。
この海上発砲事件を受け、ベトナム漁業協会は1日、ベトナム漁民に対するフィリピン側の非人道的な行為を強く非難し、賠償金を支払うよう求める公文書を政府官房長官、農業農村開発省、外務省並びに中央渉外部へ送付すると共に、管轄官庁に対しベトナムの領有する海域で漁獲を行うベトナム漁船の保護を強化するよう要請した。
なお、チュオンサ諸島はベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、中国、台湾が諸島の全部または一部の領有権を主張しており、ベトナム、フィリピン、マレーシア、中国、台湾の5か国がそれぞれ実効支配している。この海域では、各国による相手国漁船の拿捕が相次いでおり、発砲事件も多発している。