ぼくは生まれも育ちも関東でありながら、今は京都で生活しています。
やはり京都に住んでいて最初に「違うな」と感じたのは方言。「ありがと(↑)う」と言われたときは、本当に言うんだと驚きました。
当然ながら、方言に対する考え方にも違いがあって、いわゆる「大阪人」を想像して関西の人と接することは失礼になることもあります。
というわけで、これは知っておいたらいいだろうということを、僕の経験からお話することにしました。
18~22歳くらいの若者の言葉の比較という観点という意味で価値があるかも。
標準語じゃなくて関東弁
関西の人は我々の「標準語」のことを「関東弁」と呼ぶことが多くあります。
関西の人にとっての標準は関西弁です。だから他方をさすときに関東弁といいます。これは自明のことでしょう。
それだけではなく、いくら人口が少ないとはいえ、ニュースキャスターが関東弁(に近い言葉)で話すとはいえ、関東の言葉を「標準」と表現することを良いと感じていないそうです。
関東の人が自分たちの言葉を標準語と呼ぶのは、標準であるという意味に加えて、自分たちのほうが優位であるという意識が根底にあるかもしれないと気付きました。
同じ日本の言葉なのですから、それぞれが同じ価値をあると思い、ただ話されている場所が違うんと言う意味で「関東弁」という表現を用いることはいいなと感じたのです。
それ以来、ぼくは関西弁に敬意を持って「関東弁」という言葉を使っています。
大阪と京都を一緒にするな
大阪と京都はあんまり仲がよくないようです。といっても千葉と埼玉とかのように一種のネタようなものではあります。
ネタという側面もあるものの、互いに「京都・大阪であること」にプライド、愛情を持っている人は多くいるでしょう。
そのため、「関西弁」を関西で話されている言葉と大雑把に捉えることはあまり好ましくありません。
「京都弁」と「大阪弁」は大きく違います。京都の方に「関西弁でお話されるんですね」というだけで不快に思われる恐れすらあるでしょう。
関西以外の人のいわゆる「関西弁」は「大阪弁」のほうです。ただ、それに関しても関西弁と呼ぶより大阪弁と呼ぶほうが、地域を尊重しているという意味で好ましいと感じます。
京都弁の特徴的で便利なのは「○○してはる」。これは基本的には「○○している」という意味を持っています。
なにが便利かというと、「先生が来はりました」「太郎が来はったで」のように敬語の場合でも大きく変わらないため、言葉に困らないのです。これは京都弁は上品に聞こえるということも関係しているかもしれません。
「先生がいらっしゃました」、「先生が来られました」どれが正しいとかなんて言ったらいいのかと困る若者は多いですが、京都弁ならほとんど困ることはありません。
ちょっと京都弁の表現が下手くそですが、京都弁は本当に柔らかくて上品だという印象を持っています。奈良や滋賀も微妙に異なるような気もします。ぼくは奈良弁が好き。
名称の呼び方
ここからは豆知識的ですが、紹介していきます。
マクドナルドの呼び方
これは有名な話ですね。関東は「マック」、関西は「マクド」と呼びます。これはかなり顕著に現れるものです。
関西の人の言い分は、パソコンの「Mac」とややこしいだろとか、「ミスド」との統一が取れているとか、小さい『ツ』なんて名前にないじゃんとか。
関東の人の言い分は、だって「朝マック」があるんだから、正式な略称はマックだろとか。
まあ、どちらが正しいという結論は出ることはなく、飲み会のときに盛り上がるための定番ネタです。
セブンイレブンの呼び方
関東は「セブン」、関西は「セブイレ」と呼びます。
関西の人の言い分は「イレブンの要素ないやん!」というものが多いですね。
関東の言い分はあまり聞きませんが、文字数がこちらのほうが少ないから合理的だなんていう人もいます。
この論争に終わりがみえることはありません。
ファミリーマート
関東は「ファミマ」、関西は「ファミマ」と呼びます。誤字じゃありません。同じです。
ようやく一緒になったとぼくは思ったのですが、関西の人にぜんぜん違うと指摘されました。
関東はファミ(↓)マというのに対して、関西ではファミ(↑)マといいます。アクセントがミにくるのが関西だといってもいいでしょう。
なかなかわかりあえませんが、ローソンまできてついに「一緒だ!」となります。
ちなみに、関西はローソンよりもファミリーマートの方が多いという印象があります。
おそらく、「コンビニのバックについている企業の地盤がどこにあるか」ということが関係しているのでしょう。