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PS4 メタルギアソリッドV ファントムペイン 感想2
メタルギアソリッドV ファントムペイン
 すでに一度感想を書いてる。大きく感想の変化なし。
 ネタバレ全開のため気にする人は回れ右で。
 クリア度50%。 たぶんエンディングを見た。
 メタルギアサーガの完結編なれど、決着前に投げっぱなさざるを得なかったという作りであった。
 なるほど、ファンが怒るのもうなづける。
 しかし単価分の面白さはしっかりあった。

 以下箇条書きで思ったことをツラツラと。

金がかかっている。
 とにかく金がかかっている。しかもなぜこんなところにというところに。
 シナリオが終わっても進行度50%、使ったことのない武器が大量にあり、開発もしてない武器がある。
 2足歩行ロボの強化やヘリの強化、銃のカスタマイズなど全くしなかった。
 この物量の攻め方からしてハンパねぇのだった。
 初プレイ時はゲーム進行に合わせて数分置きに「うわー一億円溶けた!」「そろそろ2億円いった!」みたいな感想が泳いだ。
 ほんと半端ない。

 導入チュートリアルが1時間ちかくあるという長さで、しかもほとんどの動作がロックされており、主人公の動作が特殊で(病み上がりのため機敏に動けず這いずっている)それを実現するために専用に書かれたコードが大量。そのほかも物語の進行に併せて専用に書かれたコードが大量。
 データじゃないよコードだよ。
 言っちゃなんだが相当にアナクロで日本的なつくり方だと思う。
 これを海外スタジオが作ったら、もっと箱庭部分にコストをかけて、シナリオ再生装置としてのゲームはざっくり作るだろう。
 だからこそ、この無茶な予算の使い方は、他との差別化となっている。

 これもよく書く事だが、どこにどう金を使うかというのは、そのゲームのもっともと特徴的なものとなる。
 だからこそメタルギアの無茶な金の使い方というのはプレイヤーとしてはとても魅力的だ。関係者は生きた心地がしないだろう。

 自分のサイフが痛くない無駄遣いというのはとても痛快で素晴らしい。
 こんな金の使い方を数千円でプレイできるんだからこんなありがたい話はない。

声の力のすごさ
 自分は声優には疎いが、どれほどの実力派で固めてあるかは理解できる。
 物語をカセットテープの再生音声だけで進めるという、狗肉の策ともとれる仕組みがあるのだが、それが成立するのもこの声の力だろう。
 これ録音に何日かけたのか。そのあとのデータ整理はどれほどの手間か。さすがだなぁと。
 これも予算の使い方としてかなり偏っているし、それが魅力を生んでいる。

投入された大量の才能
 流石にこの規模のゲームを一人ですべて管理監督するのは無理なので。
 グラフィック、プログラム、プランニング、それぞれに相当な才能が投下されているだろう。
 ほんとこれはすごい。

商品として必要な要素
 飽きさせない、プレイ時間を長引かせる仕組みとして、よくわからんネット対戦や(いまだに全然わからん)FOBミッション(まるでわからん)、自分の軍隊の拡充、新兵器開発などがある。
 俺のような引き金引きたい、それ以外はしたくないというプレイヤーにとっては、さらってきた兵隊のマネジメントなんか本当にくそくらえなのだが、大変丁寧に作らていて、ああ今のご時世これは必要なんだよな、と感じる。

集大成の物語
 これまでのメタルギアの話が全てつながるつくりらしい。
 らしいというのは、俺はMSX版とPS、PS3をそれぞれちょっとずつしかプレイしておらず、さっぱり話がつながらなかったのだった;
 たぶん、こいつがサイコマンティスで、こいつがリキッドスネークなんだろな、ぐらいの理解。
 今回初登場の人なのか、前から居た人なのか、よくわからん;;
 これはファンサービスとしては相当に丁寧で上手くやってあると思う。わからない俺が悪い。
 もちろんわからなくても話の本筋は追える。

不殺はどうか
 フルトン回収という気絶させた敵を気球にぶら下げて回収するというアホな技があるのだが。
 これがゲームの根幹であり、敵を見てはフルトン回収、資源を見つけてはフルトン回収、車両を見つけてはフルトン回収、といったプレイスタイルとなる。
 英雄度とかがあって、殺さないほうが良かったり、装甲車両は倒すより回収したほうがラクだったりで もっとも効率的な戦い方になってしまっているのだ。
 かなり興がそがれた。
 かっこよくない。一発芸としては笑っておしまいでよいのだが、長いプレイ期間ずっとこれは空しい。
 特に兵隊は優秀な人材を集める必要があり、双眼鏡で見て優秀そうならマーキングして回収が必須パターン。
 なんとかならんかったのか;

ロボットはどうか
 メタルギア(ロボ)が直立歩行になったせいで、アニメロボくさいのだが。
 それを100歩引いてみても、モーションが、ものすごく嘘くさいのだ。
 ホンダロボやボストンダイナミクスロボといった既存のロボではなく、アニメロボ的というか、それよりもさらにウソくさいロボットダンス的な動き。ロボコップもブレイクダンス的な動きで軽いギャグみたいではあったが、そういういい感じ、いい塩梅ではなくてなんかこう、がっかりする感じ。
 戦車がいい感じな世界観であれはちょっと冷める;

しかしなんだ
 全裸スナイパーが雨降ってスネークと戯れるシーンとか、普通どう考えてもあんなもん差し挟む余地のないシーンで、軽く殺意を覚えるわけだが「ああいうのが必要なんだよ!」っていう判断をした人がいて、実際あれのおかげでB級的な一般性を確立している部分があり、正しい判断なのだろうなと思う。
 でも、もうちょっとこう、なんとかならんのか。

 というか、全裸スナイパー自体が物語に差し挟まる余地がないよな;;
 相当無理して理由を作っているが。
 商品として必要なのはわかるが。

コナミも大変だったんじゃないか 
 メタルギアという看板があれば、上手く切りまわせばがっつり商売になっただろう。
 しかし、これはもう商品ではなく作品を作ろうってスタンスだ。
 もちろん、取ってつけたような商品としての要素も大量にあるので、開発期間のコントロールさえ出来ていれば問題なかったのだろう。
 ゲーム開発のリスクリターンにおいて、ソシャゲはリスクが低い。そっちに舵を切ろうとしている時にこんなリスキーなタイトルは持て余す。
 個人的な視点でいえば、リスキーとは言え、この強烈な鉄板タイトルは十分な武器で、有象無象が荒れ狂うソシャゲ界隈ではない場所でちゃんと利益を上げる仕掛けとして成立しえたのではないかとも思うが。
 そんなことを言ってられないレベルで予算使ってそうでもある。

 毎度思うのだが、毎日溶けていく予算を見ながら、「よーしあと1年延期してすげぇゲーム作るぞ!!!」とか思えるのは、ある種の才能だが、狂人の類でもあり、これを制御することができるかどうかがエンタメ系会社組織の命題ではないか。
 この手の才能によって破滅する会社も多い。
 ようするに、才能は両刃の剣で、どっちの誰を切っちゃうかはわかったもんじゃないのだ。
 この件のキーマンが小島監督であったか、それ以外の誰かであったかは外野からは知る由もないが、今後なにか面白いゲームにつながるといいなと思わざるを得ない。

2015/12/06(日) 00:41:42| 固定リンク|ゲーム| トラックバック:0 | このエントリーを含むはてなブックマーク|
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