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マーケット動向から世界を俯瞰する(したい)

新規上場や金融マーケット全般について感じたことを綴っていきます

未上場企業のデットファイナンスの金利条件ってどんなもん?

直近当社では、デット(負債)により(当社としては大規模に)資金調達を実施しました。

デットファイナンスの情報って少ない

未上場企業のエクイティ(株式)での資金調達はTechCrunchやThe Bridgeなどのメディアで取り上げられているので情報が表に出ていますが、未上場企業のデットファイナンスになると、なかなか表に情報が出てきません。

未上場企業だしスプレッドは 200~300bps くらい?

最初はイメージとして、無担保融資であれば資本が分厚い未上場企業を除いて、そもそも大規模に調達できないか、できても 200~300bps のクレジットスプレッドがのってくるのかなと思っていました。

実際には、100bps を切る水準

実際に関係者に話を聞いたり、交渉を重ねていくと、最終的になんと 100bps を切る水準(具体的にはご想像にお任せします)までスプレッドをタイト化しました。しかもベース金利はTIBOR数ヶ月並の短期金利ベース。交渉は重ねましたが、想像以上に良い条件で調達ができたと思います。当社が通年で黒字化出来ているということは大きな要因となったと思いますが。

銀行も昔と変わってきている?

プロパー融資では、純粋にBS/PL/CFだけを考えると、ここまでタイトなスプレッドでは調達できないのではという先入観があったのですが、銀行さんも(銀行によりますが)アグレッシブに見てくれる面もあるようです。

未上場企業の資本コスト

未上場企業と上場企業での調達コストの差異は、エクイティよりデットの方が格段に小さいです。企業のステージや、財務的なダウンサイドリスクをきちんと考える必要はありますが、資本コストを考えるとエクイティでの調達よりデットでの調達の方が格段に有利です。エクイティは、調達コストが未上場企業だと教科書的なIRRの水準以上に求められたり、エグジットの柔軟性が劣るという点で、デットでの調達も選択肢として排除せずに考えることが重要だと考えています。もちろん、エクイティを活用すべきタイミングもありますが。

クレジットスプレッドがタイトなうちに調達

今後マクロ環境が悪化するリスクを考えても、クレジットスプレッドがワイド化する前にタイトなスプレッドでデットでの調達を検討しておくのもありだと思います。ベース金利短期金利連動にしておけば、短期金利は日銀のコントロールの利く範囲なので、長期金利と比較してマクロ環境悪化で跳ねるリスクは限定的だと思います。固定金利は個人的に変動金利を固定金利にするコストがのっているのでお勧めはしないです。ベース金利が万が一跳ねたら繰り上げ返済すればよいですし。

エクイティだけでなくデットファイナンスも検討しよう

長くなりましたが、結論としては、エクイティだけでなくデットファイナンスも排除せずに積極的に活用したほうがトータルで資本コスト安くなり、早く成長できるのではということでした。未上場企業のデットファイナンスについて情報が表に出てこないので、この記事が何かしらみなさんの参考になれば幸いです。

 

これからもこんな感じで情報発信始めていきます!

 

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