茶の湯イベントに行って、年配の陶芸家の方にお会いしてお話を伺った。
「茶碗について詳しくなる方法ってのは2つしかないですよ。50万60万出して本物の茶碗を買ってみるか、自分で作るかですね」
「やっぱり身銭を切って買うと、元を取ろうとして愛でて愛でて味わい尽くしてしまうから自然とお茶碗に詳しくなる」
「もうひとつ、自分で作れば、ああ、これが茶溜まりでこれが高台で、って考えながら作るでしょ。覚えざるをえないよね」
とおっしゃった。
いやあ、学生は時間はあっても金は無いんだよね。。
というわけで茶碗を作りに行った次第です。
多摩美術大学の友人がガラス工芸科に通っていて、陶芸もすこし勉強したとのことで、教えてもらいながら作れる。
都内でやっても3000円位で作れますからね。それでもいいと思う。
実際、お茶碗を作るのには轆轤(ろくろ)で作るのと手びねりがあるんです。
ざっくり言うと、ろくろで作ると、台の回転を利用して茶碗の形を整えるので基本的に円形を作る時に向いている。
一方手びねりであれば自由な形に作れるというわけです。大小も丸四角も思いのまま。
今回は初めてなので手びねりで作りました。初心者には手びねりが簡単でおすすめだ僧です。そして手びねりのなかでも、紐状の粘土を一本ずつ積み上げていく紐づくりです。慣れていないと、紐が太くなったり細くなったりしてしまって難しい。
手順としては
1,ピンポン球くらいの粘土を手にとって、平たく伸ばし、底面を作る
2,底面から炎上になるように壁を積み上げるように重ねていき、隙間ができないようにつなげていく
3,高さや厚みを整える
4,高台をつける
となる。
高台(こうだい)というのは茶碗と床の接地面の部分のこと。裏返しにすると、よく分かる。
おちゃを頂く時は必ず、飲み終わったお茶碗をひっくり返してこの高台を見る。自分でお茶碗を作ってみてわかったのは、この高台に遊び心を加えたいと感じてしまうことだ。
よく、日本人の感性として、見えない部分に手を掛けるというのがあるけれど、この高台はまさにそうで、ただ飲んでいる時にはまったく気づかないものだ。
面白い高台の茶碗といえば、十字架上になっていたり(クリスマスのお茶会に使ったりする)星形になっていたりするものもあって、見て楽しめる。
自分の手で作ってみて、気づくことは多い。