松本千聖
2015年12月5日07時43分
国内外の精鋭が集い、五輪の代表選考も兼ねる福岡国際マラソン。6日に迫る大会の参加者が過去最多となった。マラソンブームでレベルが上がり、厳しい参加資格を設けた「エリート大会」に出られる人が増えている。一方、世界大会では日本人の成績が低迷しており、五輪に向けたトップランナーの育成が課題だ。
■レベル上がり参加資格突破続々
福岡県八女市の県職員西尾慎也さん(32)は、昨年初めて福岡国際マラソンを走った。広い道路を通行止めにして走る気持ちよさ、沿道から届く大きな声援。疲れよりうれしさが勝り、自己ベストを更新できた。
「昔はテレビで見るだけの大会。自分で出るとは思わなかった」。大学生のころ、アテネ五輪の予選となった2003年の福岡で、国近友昭選手ら日本人3選手が激しい優勝争いをしたのが記憶に残っている。
高校では陸上部で短距離を走り、24歳でマラソンを始めた。毎年自己ベストを更新し、一昨年フルマラソンを2時間39分台で完走。福岡のBグループ枠での参加資格を得た。「マラソンはある程度努力で伸びる。成長がタイムに表れるのが楽しい」
来年のリオデジャネイロ五輪の代表選考レースも兼ねる福岡。事務局によると、03年までは100人前後の大会だったが、04年に参加資格を拡大すると、参加者(欠場も含む)は574人に。その後は3回、参加者の安全確保のために資格を厳しくしたが、今年は815人(10月26日時点)と過去最多になった。
五輪選考レースのびわ湖毎日マラソン(参加資格・2時間30分以内)でも同様の傾向がある。今年3月の大会には272人が出走し、06年の1・8倍になった。
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